約 969,049 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/591.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343646963/ 京太郎「はい。オレ、みんなのために執事になりたいんです。ハギヨシさんみたいな」 ハギヨシ「執事になるのは難しいですよ。須賀様」 京太郎「大丈夫です。どんな修行にも耐えてみせます」 ハギヨシ「そうですか……わかりました。まずは濃厚至極なホモプレイからはじめましょう」 京太郎「ホモプレイですか?」 ハギヨシ「はい。執事になるためには老若男女問わず、すべての方におもてなしする必要があります」 ハギヨシ「そのためには、ホモプレイも必要なのです」 京太郎「わ、分かりました。男に二言はありません。始めましょう」 ハギヨシ「それでは攻めと受けを決めましょう」 京太郎「ハギヨシさんが攻めで」 ハギヨシ「かしこまりました。それでは須賀様こちらにお尻を向けてください」 京太郎「はい」 ハギヨシ「それでは、拝見させていただきます」ズル 京太郎「ハギヨシさん?」 ハギヨシ「……これは素敵な蕾をお持ちでいらっしゃいますね。つい、見とれてしまいました」 京太郎「ありがとうございます」 ハギヨシ「さて、味のほうはどうでしょうか」ペロッ 京太郎「うっ、ハギヨシさん。何をしているんですか?」 ハギヨシ「ほぐしているのです。須賀様は初めてでいらっしゃる。なので、最初に良くほぐす必要があるのです」 京太郎「そうですか」 ハギヨシ「はい。そして味見も兼ねています」ペロッ 京太郎「味なんてあるんですか」 ハギヨシ「もちろんです。須賀様の蕾は大変すばらしい」 ハギヨシ「こんなにも芳醇な香りと濃厚なコクを持つ蕾には出会ったことがありません」キッパリ 京太郎「それより、始めませんか」 ハギヨシ「これは失礼しました。つい、我を忘れていました。まずは、指でならしましょうか?」ニコリ 京太郎「は、はい」 ハギヨシ「そんなに緊張なさると入るものもはいりませんよ」ズプリ 京太郎「うっ!」 ハギヨシ「大丈夫ですか、須賀様?一度、抜きますね」ズポッ 京太郎「ひっ!」 ハギヨシ「やはり、この修行は須賀様には早かったようですね」 京太郎「だ、大丈夫です。ちょっと驚いただけで、続けてください」 ハギヨシ「分かりました。須賀様がそうおっしゃられるのでしたら、私も鬼になりましょう」 京太郎「お願いします」 ハギヨシ「いきなりになりますが、私の愚息を須賀様の中に入れます」 ハギヨシ「細心の注意を払い特性のローションを使いますが、よろしいですね」 京太郎「さぁ、来い」 ハギヨシ「いきます」ズプリ 京太郎「うあっ!(これが愚息だって……すごく大きい)」フルフル ハギヨシ「須賀様、力を抜いてください」 京太郎「む、無理です」 ハギヨシ「それでは、深呼吸を」 京太郎「スーハースーハー」 ハギヨシ「そうです。それではしばらくこうして慣らしましょう」 京太郎「大丈夫です。咲たちは今も一生懸命、特訓しているんです。それなのにオレだけ甘えてなんていられませんよ」 ハギヨシ「須賀様……。どうやら私は鬼になりきれていなかったようですね」 ハギヨシ「須賀様の覚悟、たしかに受け取りました。須賀様の覚悟に執事として精一杯答えたいと思います」フンッフン 京太郎「うっ、うっ」 ハギヨシ「須賀様、分かりますか?私の愚息が須賀様の中で動いているのを」 京太郎「はっ、はい。分かりますっ。ハギヨシさんのオレの中を進んだりしているのが」 ハギヨシ「それでは、次の段階に移ります。そのまま締め付けてください」 京太郎「締め付けるってこうですか?」キュッ ハギヨシ「そうです。須賀様はすばらしい才能をお持ちでいらっしゃる。私もつい出してしまいそうになりました」 京太郎「そうですか。ありがとうございます」キュー ハギヨシ「す、すばらしい締め付けです。ですが、ただ締め付ければ言い訳ではありません」 ハギヨシ「緩急をつけ、さらには包み込むことも大切です」 京太郎「緩急。そして、包み込む……。こうですか」 ハギヨシ「うっ!」ドピュッ ビュルルル 京太郎「(ハ、ハギヨシさんのがオレの中にっ!)オ、オレも」ドピュッ ビュルルル ハギヨシ「こ、これは失礼いたしました。須賀様のアヌスがすばらしくて、不覚にも須賀様の中に出してしまいました」 ハギヨシ「執事として、奉仕するものとして、先に出してしまうなんて……一生の不覚です」 京太郎「気にしないでください。ハギヨシさんがそんなに気持ちよくなれたなんて、オレ、うれしいです」 ハギヨシ「須賀様……。いえ、これからは最大限の敬意をこめて京太郎様と呼ばせていただいてもよろしいでしょうか?」 京太郎「そんなにかしこまらなくてもいいですよ。それよりもハギヨシさんのことを師匠って呼んでもいいですか」 ハギヨシ「京太郎様、こんな私を師匠と呼んでくださるなんて……。京太郎様は透華様に並ぶほどのお方です」 京太郎「そんな、オレなんてたいした人間じゃないですよ。それより、次の修行はなんですか師匠」 ハギヨシ「次は”口”です」 京太郎「口って具体的にどんな修行を?」 ハギヨシ「それは、野獣と化して昏睡レイプです」 京太郎「野獣と化して昏睡レイプ?」 ハギヨシ「はい、執事たるもの口で相手を昏睡させ、野獣と化しレイプできなければいけません」 京太郎「そうなんですか?」 ハギヨシ「はい、優しい京太郎様には酷かもしれませんが、これも修行です」 京太郎「師匠がそういうんでしたら、オレやります」 ハギヨシ「まずは白糸台先鋒の宮永照さんからやりましょう」 京太郎「宮永照って、たしか咲のお姉さんで白糸台のエースですよね」 ハギヨシ「よく、ご存知で」 京太郎「む、無理ですよ。そんな有名人にいきなりなんて」 ハギヨシ「いきなりでなければよろしいんですね?」 京太郎「えっ?」 ハギヨシ「いきなりでなく、段階を踏めばよろしいんですね?」 京太郎「どういうことです、師匠?」 ハギヨシ「私を練習に使ってください」 京太郎「師匠で練習?」 ハギヨシ「はい、京太郎様に自信がないのでしたら私で練習をしてから本番に臨むというのはいかがでしょうか?」 京太郎「師匠に対して野獣になんてなれませんよ!それにレイプだなんてそんな真似……」 ハギヨシ「いいえ、これは和姦です。私も望んでいるのですから、これは和姦です。京太郎様が心を痛める必要はないのです」 京太郎「(どうする)」 京太郎「分かりました、師匠お願いします」 ハギヨシ「それでは、やり方を説明します。まず、キスをします」 ハギヨシ「そして、相手ののどの奥に舌を入れると同時に相手の肺から酸素すべて奪うような感じで息を吸います」 ハギヨシ「これで相手を昏睡状態にします」 京太郎「そんなことが出来るんですか?」 ハギヨシ「京太郎様なら出来ます、それだけの才能を持っていらっしゃるはずです」 京太郎「それで野獣と化すにはどうすれば?」 ハギヨシ「それは、京太郎様の思うままに行動すれば、よろしいのです。それでは、練習しましょうか」 京太郎「はい。それじゃあ、師匠お願いします」 ハギヨシ「かしこまりました」 京太郎「師匠!」ガバッ ブチュ ジュルルルル ハギヨシ「ん!(見事です!京太郎様)」フッ 京太郎「師匠、師匠師匠」フンッフン ハギヨシ「……」ユラユラ 京太郎「アッーーーーーーーーー」ビュルルル ハギヨシ「……」ビクンビクン 京太郎「はぁ、はぁ、こうですか師匠?」 ハギヨシ「見事です。京太郎様」 京太郎「ありがとうございます、師匠。師匠は大丈夫ですか?」 ハギヨシ「お気遣いありがとうございます。私は問題ありません。さて、このまま、照様のもとへ向かわれますか?」 京太郎「そうですね……」 京太郎「師匠はどう思いますか?」 ハギヨシ「そうですね……私を初めて昏睡したとすれば、もうこの修行は終わりにしても良いでしょう」 ハギヨシ「それでは次の修行……デートにおける女性のエスコートの術を教授します」 京太郎「デート!」 ハギヨシ「はい、執事には女性をエスコートする能力も必要ですから」 京太郎「それで、誰とデートすればいいんですか?」 ハギヨシ「私です。京太郎様」 京太郎「師匠とですか?」 ハギヨシ「はい、私とデートをしていただいて、採点いたします。よろしければ、お好きな方に変身しましょうか?」 京太郎「えっ!そんなこと出来るんですか?」 ハギヨシ「もちろんです。執事ですから。いかがいたしましょうか?」 京太郎「それじゃあ……鶴賀の東横桃子さんで!」 モモヨシ「どうすっか~京太郎君」 京太郎「本当に変わった!!」 ハギヨシ「いかがでしょうか」 京太郎「戻った!!でもすごいですね師匠。そんなことが出来るなんて」 ハギヨシ「そんなことございませんよ。それより京太郎様。どこに向かわれますか」 京太郎「それじゃあ・・・」 京太郎(……おかしいだろ、この状況。なんで、見た目美少女の師匠が男湯のサウナで足に鍵をつけているんだぞ) 京太郎(しかも裸で。たしか、ここは公共の場だよな?他の人は気づいてないのか?) モモヨシ「どうかしたんすか?京太郎君、なんで黙ってるんすか?」 京太郎「師匠、なんで誰も気づいてないんですか?」ヒソヒソ モモヨシ「それはですね~。私が変身している東横様はとても影が薄いそうで、ステルスモモと呼ばれてるらしいっす」 モモヨシ「ですから、私が変身することで東横様の能力を強化再現してるんっす」 京太郎「そうですか。しゃべり方とかもまねてるんですね」ヒソヒソ モモヨシ「もちろんっすよ。変身する以上は完璧に変身しないと気がすまないんっすよ」 モモヨシ「それで、京太郎君はこの後、どうすんっすか?」 京太郎「オスプレイですかね」 モモヨシ「オスプレイっすか。いいっすよ。どこでやります?」 京太郎「そうだな……」 京太郎「ここでやりましょう。師匠」 ハギヨシ「ここは、竹井様のご自宅のお隣ではないですか」 京太郎「そうです。ここは部長が住む部屋の隣の部屋。がんばってる成果を部長に少しでも知らせたいんです」 京太郎「だから、ここを選びました」 ハギヨシ「そうですか、京太郎様。私、感動しました。なので、私も全力を持ってオスプレイしましょう」アッー 京太郎「師匠!」 ????「京太郎様、私のことはただ、ホモヨシとお呼びください」 京太郎「ホモヨシ?」 ホモヨシ「はい、私はただ京太郎様を愛する、京太郎様のための存在、ホモヨシでございます」 京太郎「でも、オレはおっぱいが好きなただの男子高校生ですよ。それでもいいんですか師匠?」 ホモヨシ「かまいません。京太郎様がどなたを愛されようとも、私の想いは変わりません」 ホモヨシ「ですから、師匠などと呼ばずにホモヨシとお呼びください」 京太郎「でも、それじゃあ、師匠……いや、ホモヨシさんの気持ちはどうなるんですか?」 京太郎「ホモヨシさんはそれでいいんですか?報われないんですよ!それに、あなたが仕えてる龍門渕家は?」 ホモヨシ「京太郎様!たしかに、龍門渕家にはご恩があります」 ホモヨシ「それでも、今このときだけはあなたとオスプレイできればそれでいいのです。 ホモヨシ「ですから、京太郎様、私とオスプレイしてくれませんか?」 京太郎「ホモヨシさん……」 京太郎「ホモヨシさんはそんなにもオレのことを想ってくれているのに、オレは……オレは……なんて最低な奴なんだ……」 京太郎「分かりました、ホモヨシさん。あなたとオスプレイします」 ホモヨシ「ありがとうございます……。京太郎様それではお願いします」 京太郎「京太郎で……いいぞ。ホモヨシ」 ホモヨシ「分かりました、京太郎」 ――――――隣の部屋―――――― アッー 久「あら、この声はたしか……」 おしまい
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3486.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388925097/ 優希「バスが出るじぇー」 咲「じゃあね、京ちゃん」 京太郎「忘れ物は無いか?」 咲「大丈夫だよ」 京太郎「こっちからでも応援してるぜ」 咲「うん、頑張って来る」 京太郎「あっちに行っても達者でな」 咲「ありがと、毎日電話するよ」 京太郎「や、咲にそれされんのはなんか嫌だわ」 咲「そんなー」 和「何を二人してふざけてるんですか」 優希「バスガ出るじぇー」 まこ「行くわけでもないじゃろうに、見送り御苦労じゃの」 京太郎「俺も麻雀部の一人っすからね、モチのロンですよ」 まこ「連れていけなくてすまんの」 京太郎「女子の中に男子で俺一人って気まずいんすよ」 久「本音は?」 京太郎「風越の部長さんとお近づきになりたかったですッ!」 久「ああ、福路さん、美人よね」 京太郎「あの人とッ!混浴ができるならッ!俺は命を投げ捨てる覚悟だッ!」 咲「京ちゃん……」 和「…………」 定期試験は無事終わり、私たちは四校合同合宿に参加しました ……須賀くんを置いてけぼりにして 仕方が無かったこととはいえ、部長の申し出に須賀くんは笑って応えました 須賀くんに罪悪感を覚えた私は、他の皆さんに提案して、集合時間よりも前に集まり、書置きを残しました 書置き、といっても付箋メモに一言を書いて部室のPCに貼り付けただけですが 「この埋め合わせはいつかしてあげなくちゃね」 「そうじゃのう、優希とおんしら二人は特にな」 「じぇー」 「あ、裏に書いちゃった……」 ,.ー-‐.、 ヽ、 ヽ __ / ̄\ /,..-ニ‐- '"_,..) _,.‐-、 / ヽ ' ´/ , _ 、´ _ _ ' 、 .ノ / _| ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\ i'´ ` ! r ヽ / <_ ,..-、 , ',. -一' ./..'/ .} i ヾ、_ ! l `ー-イ \ / / ,. '′ ,..,. ,/ ./ し , iヽ、i ! ! _,/ ,.イ ̄`'´ // / { \ヽ i' / ヾ | l ! / ̄ // / ー'´ ゙、 `´\ ヽヽ ! ヽ r'´. .└! .i! .!┘ 〈 \| | | | ,.'⌒ `,. l ! ヽ ! . l !l .! ヽ r/ ヽ/ | ! ゝ-‐'´ /l .! i ゙、 l .l ! l ヽ__// _ r、__, ,、 __,ノ \ / } .}ー"ヽ ヽ | ト、゙、 l .! l .! / / | | ≧、__|  ̄ `ヽヽ j ノ`ー-、 } .___ ノ」__ン__ __r' 」 l、゙、__ / ./ /| |__________ __゙、`' /__ ヽ/_____ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ "'´ ̄ ̄ ゙、. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ } ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ、ノ ヽノ 『第五話 撫でた頭』 京太郎『上級卓、行ける気がしないんだけど』 和「須賀くんのレベルなら落ち着いて打てば目指せないわけではないと思いますよ」 京太郎『期待してくれるのね』 和「須賀くんはまだ伸び代がありますよ」 京太郎『伸び代かぁ……』 京太郎『明日も頑張るよ』 和「良い報告を待ってます」 京太郎『おう、おやすみ』 和「おやすみなさい」 和「…………」 京太郎『…………』 京太郎『切っていいんだぜ?』 和「ふふっ、そちらこそ」 京太郎『……じゃあ、俺が切るよ』 和「おやすみなさい」 京太郎『おやすみー』 ピッ 咲「原村さん、京ちゃんどうだって?」 和「ウサギは寂しいと死んじゃうんだぞ、と脅してきました」 優希「ウサギというより犬だじぇ」 まこ「寧ろおんしの方が犬に見えるがのう」 久「私の愚痴とかこぼしてなかった?」 和「いいえ、一言も」 久「ガンガンをお腹に挟まなくて済みそうね、良かったぁ」 和「どんな心配してるんですか」 予選で負けて、秋まで何もすることのない須賀くんの声にはもう落ち込んでいる様子はありませんでした それどころか、麻雀にさらに意欲的になり、最近は毎晩私に電話をかけてくるようになりました ネット麻雀の牌譜を見たり、相手をしながらアドバイスをして、他愛もない会話をして終わり、というのがほとんどです どれだけラスになっても、箱割れをしても須賀くんが挫けることはなく 『勝てたら御の字だけど、勝てなくても麻雀は楽しいから』 そう言って続ける須賀くんへの教授に私も一層熱を入れるようになりました それと同時に、私は充足感を得ていました 須賀くんと二人きりで話すことに、楽しさを 須賀くんを教えることに、喜びを 須賀くんから頼られることに、嬉しさを いつからか、こんな充足感が私の胸を温かくするようになりました ――――合宿明け初の部活 咲「カン!カン!カン!カン!」 京太郎「うわぁアぁああああもうだめだぁぁあァァあアい!」 和「須賀くぅーん!?」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 優希「新幹線なんて初めてだじぇー!」 京太郎「ふんっ、お子様だなー」 優希「何をー!」ガシッ 京太郎「しがみつくなって!荷物重いんだから!」 優希「犬は私を引きずって歩けー!」ヤイノ 京太郎「誰がやるもんか、離れろー!」ヤイノ まこ「おい二人とも、置いてくぞ」 優京「はーい」 咲「仲良いよね、京ちゃんと優希ちゃん」 和「そうです……ね」 咲「あれ?和ちゃんどうかした?」 和「いえ、別に問題ありません」 久「席順はどうしましょうか?」 優希「私は窓際がいいじぇ!」 久「はい決定」 咲「私はどこでもいいです」 和「私も同じです」 京太郎「右に同じー」 まこ「右に同じー」 久「じゃあくじ引きねー」 優希「仲間外れにされた気がっ!」 優希「結局窓際だったじぇ」 咲「隣だね、和ちゃん」 和「はい、よろしくお願いします」 京太郎「隣だな、和」 和「はっい!よろしこ願いします!」 京太郎「よろしこ?」 和「何でもありません!」 優希「東京に行くのも初めてだじぇ」 和「私は久しぶりです」 咲「和ちゃん、奈良の前に東京に住んでたんだよね」 和「東京と言っても西東京の方ですよ」 咲「お姉ちゃんたちと同じ辺り?」 和「白糸台までは少し時間がかかったと思いますが、その認識で合ってます」 咲「そうだ、京ちゃんも……」 京太郎「……」Zzz 咲「もう寝てる……」 新幹線に乗っている間のことは途中で寝てしまったのであまり覚えていません 須賀くんに寄りかかってしまっていたそうで、後からそのことを聞かされて恥ずかしかったです だらしない姿を見られたら……と思いましたが須賀くんが終始寝てくれていたのが幸いでした 東京の日々はあっという間に過ぎていきました 開会式を終え、一回戦を終え、花田先輩の試合を見て、二回戦を終え、穏乃たちの試合を見て 穏乃たちと再会をして 決意を新たに、私たちは準決勝に挑みました 京太郎「和、頑張って来いよ」 和「どこに行ってたんですか、皆さん心配してましたよ」 京太郎「悪い悪い、これ作ってたんだ」 和「……タコス?」 京太郎「そ、腹減ってるかなと思ってさ」 京太郎「俺からの差し入れって意味も込めて」 和「……ありがとうございます」 京太郎「もっとみんなの力になりたいけど、俺にはこれくらいしかできないんだよ、ごめんな」 和「いえ、気持ちだけで十分ありがたいです」 京太郎「そっか、あんがと」 和「いいえ、こちらこそ」 京太郎「頑張れ」 ぽんと頭に置かれた手に優しく髪が撫でられる 頭から須賀くんの温もりがあることが感じられると、笑顔の彼に目を向けるのが気恥ずかしくなり 沸騰しそうな勢いの熱さが顔から広がっていきました 須賀くんと別れた後もしばらく、その熱さは身体から放れませんでした 須賀くんのタコスは絶品でした トルティーヤの中では食感を実感できるシャキシャキのレタスと、その冷たさに対を成す熱々の挽き肉が共存して 柔らかい生地とそれより歯ごたえの増した瑞々しさ、反発する肉塊は居心地の良い食感を生み出す 甘みを放つトマトが舌をリラックスさせ、口の中にどろりと広がるサルサソースが具のすべてを仲良くさせる 居心地のいい食感と味わいがちょうどよく合わさり、噛めば噛むほど、感じれば感じるほどにその美味は幅を利かせていきます 用意してくれていた紙のフキンで口周りのソースを拭き取り 口の中に須賀くんの幸せが余韻を残したまま、私は対局室へ歩み入りました 彼が応援してくれている限り、私は負けられない、負けない その決意を持って、卓に着きました ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 父の声が脳裏に響く 私は、最悪の結果を残してしまいました 気付いた時には、順位は落とされ、最下位から点差を詰められ 削られていく山に気を焦らせながら 河が満たされていく度にため息を吐きながら 私の背筋を、暗く熱い絶望が這っていく それは、半年前に味わったものよりも強力で 私は無慈悲なブザーに居ても立ってもいられず、対局室を飛び出しました また、離れ離れになる 私のミスのせいで、築き上げた関係が壊れる 部長と 染谷先輩と 咲さんと ゆーきと 須賀くんと みんなと離れてしまうなんて、辛い 慣れていても、辛い ―こんなことになるなら、初めから誰とも親しくならなければよかった そう考えてしまう自分が、厭だ ―半年前と同じじゃないですか 私は対局室を出ても、控室には戻りませんでした 今は誰とも話したくなかったから ……だというのに、どうして 和「……どうして、貴方が」 京太郎「探したぞ、和」 和「……どうして」 京太郎「和はよく頑張ったよ」 京太郎「大丈夫、みんな何とも思ってないよ」 京太郎「また次があるし、咲が何とかしてくれる」 京太郎「ほら、戻って咲の応援しようぜ」 和「……次」 和「次、って何ですか」 和「貴方が、私の何を知ってると言うんですか」 歯止めの利かない口が言葉の堰を切る 視界が滲んで、首筋が熱くなって 身体が震えて、言葉も震えて こんなこと言いたくないのに 須賀くんに責任は無いのに また助けに来てくれたのに 励ましてくれていたのに ――――何も知らないくせに! 私は、最低だ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3315.html
ギュ 京太郎「ふぇ?」 京太郎(なんだ…この温もり…?) ガシャン!! 京太郎「!?」 ハギヨシ「ふぅ…危なかったですね」 京太郎「え?え?一体なにが…」ボーゼン ハギヨシ「今、急激に空からタジン鍋がふってきたんですよ」 京太郎「タジン鍋…?」 ハギヨシ「あのままでは京太郎君、君の頭にぶつかるところでした…」 京太郎「は!そ、そうだ!ありがとうございました!」 ハギヨシ「いえいえ、私は当然のことをしたまでです」 京太郎「ハギヨシさんがいなかったら今頃、俺、どうなってたことか…」 ハギヨシ「たんこぶ…ではすまされないでしょうね…」 京太郎「ですよね…ハギヨシさんは命の恩人です」 ハギヨシ「大袈裟な…しかし君が無事でなによりです」ニコッ 京太郎「本当にありがとうございました!」ペッコリン ハギヨシ「どういたしまして。では、私はこれで」 京太郎「……」 ハギヨシ「」スタスタ 京太郎「…ま、待ってください!」 ハギヨシ「…どうかしました?」 京太郎「あの…お時間ありますか?」 ハギヨシ「休憩時間ならまだあと少し…」 京太郎「だ、だったらあの!」 ハギヨシ「…?」 京太郎「なにか奢らせてください!命の恩人に!」 ハギヨシ「…そのことならお気になさらなくて結構ですよ」ニコッ 京太郎「い、いや…そのそれだけじゃないって言うか…」 ハギヨシ「…?」 京太郎「もっとお話がしたいっていうか…」 ハギヨシ「はぁ…」 京太郎「とにかく!俺の気が済まないんです!」 ハギヨシ「…しうですか。ならお言葉に甘えて」 京太郎「や、やった!なにがいいですか?俺なんでも奢っちゃいますよ!」 ハギヨシ「そうですね…」 チャリンチャリン ラッシャイ!! 京太郎「本当に…こんなとこでいいんですか…?」 ハギヨシ「はい。仕事の休憩中ですから、あまりのんびりできませんし」 京太郎「あ…そ、そうですよね。すみません無理やり誘っちゃって」 ハギヨシ「いえ、その気持ちが嬉しいですよ」 京太郎「よ、よかった…」 ハギヨシ「…それに、実は私、大のラーメン好きで」 京太郎「え!そうなんですか?」 ハギヨシ「しかし、こんな格好ではなかなか一人では入れず、困っていたんです」 京太郎「そうだったんですか…」 ハギヨシ「だから今、とってもワクワクしてますよ」 京太郎「ワクワク!ハギヨシさんが!」 ハギヨシ「はい!」 京太郎「よかったぁ…」 ハギヨシ「」ワクワク 京太郎「で、でもハギヨシさんがラーメン好きなんて意外だなぁ…」 ハギヨシ「…そうですか?」 京太郎「はい。だってラーメン好きってもっとくたびれたおっさんみたいな…」 ハギヨシ「ははは。私も京太郎君から見たらおっさんですよ」 京太郎「そんなことないです!」 ハギヨシ「!?」 京太郎「す、すみません大声出しちゃって…」 ハギヨシ「い、いえ」 京太郎「だってハギヨシさん、スリムだし、なんでもできるし、優しいし…」 ハギヨシ「は、はぁ…」 京太郎「全然おっさんなんかじゃないですよ!」 ハギヨシ「…ありがとうございます」 京太郎「それどころか憧れちゃいますって」 ハギヨシ「…憧れ?」 京太郎「は、はい!憧れです!」 ハギヨシ「驚きました…京太郎君がそんな風に思っていたなんて…」 京太郎「あはは…そうですよね…俺頭悪いし、なんもできないし…ハギヨシさんとは真反対の人間ですもんね…」 ハギヨシ「…いいえ」 京太郎「?」 ハギヨシ「京太郎君みたいな素敵な子に、まさか憧れられていたなんて、と驚いたんです」 京太郎「!?」 京太郎(え…今素敵って言った…?俺のことを…?) ハギヨシ「そんな風に自分を卑下しないでください」 京太郎「え…」 ハギヨシ「京太郎君はハンサムで優しい、素敵な高校生ですよ」 京太郎「そ、そんなお世辞…」 ハギヨシ「…なにより、清澄の麻雀部のためにいつも頑張っているじゃないですか。そういうところ、みんな見てくれてますよ」 京太郎「ハギヨシさん…」 ハギヨシ「…ふふ、このラーメン美味しいですね」 京太郎「…はい」 ハギヨシ「京太郎君と食べるからでしょうか…」ボソッ 京太郎「!?」 ハギヨシ「……」ズズズッ 京太郎(まさか…なにかの聞き間違いだよな…?) 京太郎(で、でも!) 京太郎「ハギヨシさん!」 ハギヨシ「…どうしました?」 京太郎「あ、あのハギヨシさんって今、恋人とかいるんですか…?」 ハギヨシ「……」 京太郎「あっ!嫌なら答えなくていいんですけど」 ハギヨシ「…いませんよ」 京太郎「!!」 ハギヨシ「…なかなか、そのような時間がなくて」 京太郎「で、ですよね!」 ハギヨシ「どうして嬉しそうなんですか…」 京太郎「え、いえ、それはその…」 ハギヨシ「…?」 京太郎「実は俺…」 ピピピッピピピッ ハギヨシ「…おっと、仕事に戻らなくては」 京太郎「…あ」 ハギヨシ「ご馳走様でした。とっても美味しかったですよ」 京太郎「は、はい…」 ハギヨシ「…では」シュバッ 京太郎「行っちゃった…」 京太郎(いやいやいや何残念がってんだよ俺!) 京太郎(…もし、あそこでハギヨシさんが行かなかったら) 京太郎(俺はなんて言うつもりだったんだ…?) シャープシューター「おかえり、京太郎」 京太郎「あぁ、ただいま…っておい!?」 シャープシューター「…?」 京太郎「どうしたんだ!?その胸は!?」 シャープシューター「」ペタンコー 京太郎(おっと、説明し忘れてた。彼女はシャープシューターさん。え?白糸台の弘世菫に似てるって?) 京太郎(俺も最初はそう思ったよ。でも、そのことを聞くと「…過去は捨てた」の一点ばり) 京太郎(どうやら弓の修行をするために、はるばる長野にきたらしい) 京太郎(長野に有名な弓技道場があるなんて、俺はこの人がくるまで知らなかったんだけど) 京太郎(でも、どうやらお金がないみたいで家に下宿してるんだ) 京太郎(謎も多いけど、真面目でいい人だってことはみんな分かってる) 京太郎「なんでペッタンコなんだよ!?」 シャープシューター「…取った」 京太郎「はぁ!?」 シャープシューター「…最近、どうも弓の狙いが悪くてな」 京太郎「はぁ…」 シャープシューター「そこで考えたんだ、なにか体の鍛え方が悪かったんじゃないかと」 京太郎「そうですか…」 シャープシューター「しかし見てみろ、筋肉は完璧だ」ヌギッ 京太郎「……」 シャープシューター「…だが、気づいた、余分な脂肪がついていることに」 京太郎「あ…」 シャープシューター「だから、取ってしまったんだ」 京太郎「それは賢い(棒)」 シャープシューター「おかげでほら!体が軽いぞー」クルクル 京太郎「よかったですね(棒)」 シャープシューター「…しかし、まだなにか体が重い」 京太郎「はぁ…」 シャープシューター「!!分かったぞ!」 京太郎「!?」 シャープシューター「善は急げ。行ってくる!」 バタン 京太郎「……」 京太郎(なんだったんだ…今のは…) 京太郎(…でも、シャープシューターさんの体、締まってたな…) 京太郎(ハギヨシさんなら、もっと…) ハギヨシ「人前で脱ぐのは、なんだか恥ずかしいですね…」 京太郎「そんな…ハギヨシさんの体…綺麗です」 ハギヨシ「っ!!///」 京太郎「あの…触っても…いいですか?」 ハギヨシ「……」 京太郎「ご、ごめんなさい!その、変な意味じゃ…」 ハギヨシ「…いいですよ」 京太郎「…へ?」 ハギヨシ「京太郎君になら…」 京太郎「うわぁあああああ!!!!」 京太郎「な、なに考えてたんだ?俺!」 京太郎「そ、そんな男同士で…」 京太郎「で、でも全然嫌じゃなかった…」 京太郎「…あ」 京太郎「ちょっと、勃ってる…」 シャープシューター「ブツブツ五月蝿いぞ京太郎!」 京太郎「!?い、いつの間に!?」 シャープシューター「今帰った」 京太郎「な、なんだ…ってその頭!!??」 シャープシューター「」ツルーン 京太郎「どうして丸坊主なんだよ!?」 シャープシューター「重たかったからな」 京太郎「…は?」 シャープシューター「見ろ!体が羽のように軽い」クルクルクルー 京太郎「…はぁ」 シャープシューター「しかしまだ、細かい髪が付いてるからな。悪いが先に風呂に入らせてもらう」 京太郎「は、はぁ…どうぞ」 シャープシューター「失礼」 ワシャワシャ シャープシューター「お?これは…!」 シャープシューター「シャンプーがいつもの半分…いや10分の1以下で済むぞ…!」 シャープシューター「なんて環境に優しいんだ!」 シャープシューター「今まで坊主にしなかったことが悔やまれる…」 シャープシューター「…まぁいいさ。人生は長い」 シャープシューター「これからはずっと坊主にしよう!」 シャープシューター「ー♪」 こうして、シャープシューターはいつもより少し浮かれて、眠りにつくのでした。 めでたしめでたし カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5674.html
7 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/22(日) 23 27 23.85 ID GHP5eZFYO コンマ……次第やね(ニッコリ) 京太郎「!」 逆らえる気がしない、この人の一言一言が俺の脳髄を刺激する。 蕩ける感覚、壊れる間隔に脅されるーー 洋榎「憩の所……おしえてぇな」 京太郎「はい」 いやだ。 --- 荒川病院 病室444号室 憩「京太郎~」ギュッ 京太郎「憩……逃げて……」 洋榎「荒川憩、久しぶりやな」 憩「あ、洋榎さん~久しぶり~」 京太郎「あ、あ、あ」 0~50 正気に戻る 51~99 京太郎は、うちの物やで? 13 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/22(日) 23 33 38.79 ID dcDjxF6CO 京太郎「はっ……!」 洋榎「……なんや、つまらんな」 憩「洋榎さんはどうして京太郎と?」 京太郎「無理矢理……!」 洋榎「京太郎を譲ってもらいにきたんや」 憩「え……?」 洋榎「ええやろ?」 憩「頭打ったん?怒るよ?」 京太郎「憩……」 洋榎「うちの方が、京太郎の事沢山知っとるで?」 0~50 憩「これから知ることにします~」 51~99 洋榎「提案があるんや」 17 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/22(日) 23 37 04.41 ID 13mKIdu8O [1/4] 憩「これから知ることにするから帰ってください」ギューッ 洋榎「しゃあないなぁ……」 洋榎「……」テクテク 洋榎「京太郎」フゥッ 京太郎「~~っ!」ビクビク 耳に吐息をかけられただけで身体はこんなに感じる物なのか……!? 洋榎「な、京太郎の身体はうちを望んどるで?」 0~61 憩「帰ってください」 61~99 洋榎「提案があるんやけど?」 23 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/22(日) 23 40 41.93 ID 13mKIdu8O [2/4] 憩「帰ってください」 洋榎「分かった。自分……半信半疑やろ?」 憩「なっ……!」 洋榎「これから京太郎は自分の物になるか」 洋榎「毅然と振舞ってはいるけど、いつうちに取られるか心配でしょうがないって顔や」 洋榎「そりゃあそうやな、目の前でこんな京太郎を見せられたらなぁ」ピトッ 京太郎「……」ビクッ 0~70 帰る 71~99 洋榎「提案があるんや」 28 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/22(日) 23 43 40.04 ID 13mKIdu8O [3/4] ゾロ目ボーナス! 0~30 憩ちゃん、病む 31~60 憩ちゃんと幸せに 61~99 なんや、結局うちの事が忘れられないんか ゾロ目は強制的に31~60 にカウント 安価下13 多数決 54 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/22(日) 23 58 08.98 ID J6w+ZINwO 一週間後 憩「あーんっ」 京太郎「あーん」パクッ 憩「美味しい~?」 京太郎「最高!」 憩「良かったー♡」 京太郎「これからも、一緒だな」 憩「当たり前やろ~?」 京太郎「えへへ~」 憩と一緒に居るだけで満たされる。 俺は憩の事が大好きだ。 憩「大好きやで~京太郎」 京太郎「うへへ」 何があっても健康で、健やかに。 楽しく毎日を過ごすーー 京太郎「それが俺の望みだ」 雅枝「部外者は帰れやぁぁぁぁぁ!」ガオオ 59 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 00 03 41.37 ID SrUeN6/1O [1/2] セーラ「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」 浩子「もう嫌や……」 憩「んー」 京太郎「え?」 マジで? 憩「んー♡」 京太郎「はいはい」 チュッ 雅枝「荒川表出ろやワレエエェ!!!」 憩「じゃあまたな~京太郎」 京太郎「はーい!」 憩「ばいばーい」 この時までは幸せだった。 そう……この時までは確実に。 67 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 00 38 44.66 ID 9nCduH2uO [1/4] 憩「……」 憩「ごめんなぁ」 憩「やっぱり洋榎さんの言葉……気になっちゃった」 京太郎「憩……どうしてだ……俺の事……信用出来ないのか?」 憩「んーん、ちゃうよ……私が自分の事……信じられなかったん」 444号室……あの時と同じ病室。 なるほど……憩さんはあの時から俺を…… 憩「ずーっと一緒やで♡」 京太郎「俺は求めてないよ……そんなの」 憩「……」ニコニコ 憩「なんてな、冗談や」 京太郎「おわっ!」ビクッ 憩「監禁なんてするわけないやろ」チュッ 京太郎「憩……」 憩「京太郎……」 心が寄り添うーー 洋榎「ラブラブやなー自分達」 68 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 00 47 00.30 ID 9nCduH2uO [2/4] 京太郎「洋榎さん……?」 洋榎「いやぁ何もせぇへんよ」 洋榎「ほな……また」ガチャ 憩「何しに来たんやろ?」 京太郎「さぁ……」 憩「洋榎さんはよう分からんなぁ~」 京太郎「だな」 71 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 01 01 16.24 ID 9nCduH2uO [3/4] エピローグ 憩「お父さん~?」 憩「お母さんー?」 憩「え……?」 プラーン 憩「嘘……やろ?」 --- 京太郎「ん?」 京太郎「荒川病院……執刀ミス」 京太郎「患者をミスにより殺害……」 昨日だけで10件……!? 京太郎「前々から隠蔽していたものを含めると約100件にも登る……」 京太郎「先日明るみになったと同時に院長夫妻は自殺」 憩「残された多額の借金はうちが背負うらしいな~」 京太郎「憩……」 憩「京太郎」ニコッ 常に笑顔でいろと言われた。 お父さんとお母さんの大事な教え。 72 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 01 02 11.77 ID 9nCduH2uO [4/4] 憩「ーーお別れ……言いに来たで」ニコッ 73 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 01 13 07.45 ID P0CkL/rJO [1/10] 京太郎「……」 その後、憩が何処に行ったのかは分からない。 ただ確かに言えるのは……憩はこの世には居ないと言う事だ。 --- 憩「今度は……助けてな」 憩「京太郎ーー」 プラーン --- 洋榎「病院って意外と脆いんやな、笑えるわ」 洋榎「うちは次の京太郎は粛々と待つことにするわ」 カンッ 84 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 01 29 52.32 ID P0CkL/rJO [8/10] 憩ルートは洋榎ルートと共に封印されました 穏乃ルートは悪魔共々封印されました 次回穏乃ルート選択時は(土方を使うまでも無く回避してたので)土方使用可能。 そろそろ 1はこのスレを終わらせます。先にこっちを終わらせる 現在解放されているのが ゆみルート 一ルート ネキ 憩 穏乃 一 衣 照 淡 怜は封印中 (ピンチになったらハギヨシ登場を使う機会もない程に怜と穏乃はコンマを全回避しました。次回怜か穏乃ルートのピンチ時に使用できます) 記憶引き継ぎに関しては とある一定のコンマを引いたヤンデレのみ引き継ぎと考えています(高校が同じキャラの場合)ので、安心して前回選んだ高校も選んでください。 (永水を選ぶ時は一応確認をしますが復讐編かどうかを明記してください) 前回ヤンデレだったあの子も……ヒロインだったあの子も……! 鶴賀(ゆみ)か龍門渕(一)のどっちかを多数決で選んでください(他の高校は不可) プロローグ 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 鶴賀or龍門渕 安価下10 112 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 17 56 33.16 ID r3t6Q8IEO 純 87 智紀 78 一 276 透華 82 衣 70 やったね!ハーレムだよ!(意味無) 今回は大会を終えた頃の休息期間を描いた龍門渕のお話です(三回目) 夏休みです。 通学路 京太郎「入学してから結構経ったなぁ」 京太郎「皆、本当凄かったなぁ」 まぁ、俺も負けないように頑張りますよっと。 京太郎「あ、あれは」 0~20 純 21~40 智紀 41~60 一 61~80 透華 81~99 衣 116 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/23(月) 23 51 37.92 ID SrUeN6/1O [2/2] 純「おーっす」 京太郎「おお!純!」 純「元気してっか?」 京太郎「おう!」 純「透華が買って来て欲しい物があるんだってよ」 京太郎「分かったわ、じゃあ先に行ってるぞ」 純「おう、悪いな」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 118 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/24(火) 00 04 51.15 ID HKoqwnuqO [1/2] 純 117 麻雀部 京太郎「頼まれた物買ってきたぞー!」ガララッ 智紀「ありがとう、助かった」 京太郎「気にすんなって、ほら」スッ 透華「助かりましたわ、京太郎」 京太郎「おうよ」 衣「京太郎っ!」 衣「選ばれし至上の遊戯を……」 京太郎「おうっ!後でな」 衣「よろしい」 純(肩車だな) 智紀(肩車……) 透華(肩車ですわね) 好感度上昇安価 安価下 智紀 安価下2 透華 安価下3 衣 123 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/24(火) 00 36 55.35 ID HKoqwnuqO [2/2] 智紀 108 透華 102 ゾロ目ボーナス! 衣 120 ガララッ 京太郎「」ビクッ 純「おでましだせ」ケラケラ 透華「……」 衣「む、むぅ……悍ましき感覺」 智紀「凄い……」 一「京太郎!」ダキッ 京太郎「うわっ!」 一「だいじょーぶ?怪我はない?」 一「具合悪い所はない?」スリスリ 一「困った事があったら言ってね……すぐに駆けつけるから!」 一「京太郎が言うなら……久しぶりに……」デレデレ 一「身体と身体を……」カァァァ 京太郎「……」 一 依存度低下安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 125 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/24(火) 03 57 45.23 ID 3qphzKhRO 一 246 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 130 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/24(火) 09 13 09.66 ID BPztJqnkO [1/3] 京太郎「LINEするか」 前週キャラあり、自由安価 安価下3 134 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/24(火) 09 36 57.14 ID BPztJqnkO [2/3] 京太郎 誰ですか? エイスリン hi エイスリン I LOVE YOU 京太郎 ふざけてますか? エイスリン いまどこですか? エイスリン どこにいますか? エイスリン すぐにむかえにいきます 京太郎「なんだ……ふざけているのか?」 0~50 場所を教える 51~99 ブロック 136 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/24(火) 09 39 27.91 ID BPztJqnkO [3/3] 京太郎「はい、ブロック。さよなら」 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 156 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/24(火) 12 58 15.47 ID 3b96FJWqO [2/2] 一 196 京太郎「あ……」 一「京太郎~♡」ダキッ 京太郎「やっぱり~!」 一「京太郎っ京太郎っ京太郎♪」スリスリスリ 京太郎「スリスリするなー!」 一「ねぇねぇ!キスしてよキス!」 京太郎「嫌だ!」 一「どうしてさ」ブスー 一「こんなに愛し合っていたのを忘れたの!?」 京太郎「知らねーよ!」ガーンッ 一「しょうがないな……麻雀教えてあげる」 京太郎「おうっ」 一「……」チョコンッ 京太郎「尻を押し付けるなよ……グリグリと……」 一「充電!」 一好感度低下安価下 透華好感度上昇安価下2 0~30 小・大 31~60 中・特大 61~99 大・超大 161 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/24(火) 17 50 05.53 ID 6LYdSF7nO 一 166 透華 132 京太郎「誰かに電話するか」 前週キャラあり 自由安価 安価下4 166 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 00 39 29.46 ID 8bVaI/H7O 一 156 一「京太郎!」 京太郎「おわっ」 一「どうしたの!?どうしたの!?」 京太郎「いや、なんとなく電話しただけだよ」 一「そうなんだ……」シュンッ 京太郎「おう、またな」 一「うんっ」 --- 京太郎「誰かに電話するか」 前週キャラあり 自由安価 安価下4 172 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 01 28 03.88 ID kOo3bOLjO [1/4] 一 146 京太郎「……」 京太郎「一」 手が自然と動く。 携帯を手に取って最愛の人間に電話をかける。 本当の意味で今回初めての電話。 prrr 一「もしもし……どうしたの?」 間を置かずにたった一度のコールで一が応答する。 京太郎「一……」 一「ごめん京太郎、僕おかしかったみたいなんだ……恥ずかしい事ばっかり……///」 京太郎「久しぶり」 一「えっ……?」 京太郎「嫌……全部思い出したよ」 京太郎「今度こそずっと一緒だぜ?」 175 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 01 43 13.95 ID kOo3bOLjO [2/4] あの時 一「京太郎……」 京太郎「一……」 私を守ってくれた貴方。 一「もう……寝ちゃうの?」 京太郎「ごめんな、ほんの短い間で」 自分の身を呈してでも守ってくれた。 一「おやすみなさい……ボクはずっと京太郎が好きだからね」 その最期を淑やかに見届けた。 京太郎「おや……すみ」 一「京太郎……?京太郎……?」 一「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」ポロポロ 絶対泣かないって決めてたのになぁ…… 176 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 01 44 14.79 ID kOo3bOLjO [3/4] 一日が終わりました 京太郎の記憶が戻りました またもう一人記憶が戻りかけている子に気を付けながらハッピーを目指してください 177 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 01 45 43.42 ID kOo3bOLjO [4/4] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 181 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 01 55 52.46 ID +1gaklDsO 京太郎「学校行くか」 0~20 純 21~40 智紀 41~60 一 61~80 透華 81~99 衣 183 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 02 11 36.79 ID SIrxzI/TO [1/8] 一「あ、京太郎……」 京太郎「よっ」 一「久しぶりだね」 京太郎「久しぶりだな」 一「……」スッ 京太郎「これも、久しぶりか」ギュッ 久しぶりに一と手を繋いだ。 その感触は今も昔も変わらない、慣れ親しんだものだった。 一「懐かしいね」 一(おかしくなっていた時に夜な夜な京太郎の部屋に侵入して、手を握っていたなんて言えないけどね) 京太郎「?」 184 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 02 17 46.56 ID SIrxzI/TO [2/8] 夏休み中だから登校じゃなくて、部活に行くでした 麻雀部 京太郎「ちーっす」ガララッ 0~20 純 21~40 智紀 41~80 透華 81~99 衣 186 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 02 48 42.91 ID SIrxzI/TO [3/8] 智紀「京太郎…….」 京太郎「おっ智紀、どうした」 智紀「この牌譜見て」 京太郎「これは……」 智紀「京太郎の今までの牌譜をまとめて良くないところを指摘した物になってる」 京太郎「ありがとな!」 智紀「うん……」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 188 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 03 07 08.05 ID SIrxzI/TO [4/8] 智紀 118 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 193 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 03 21 58.51 ID SIrxzI/TO [5/8] 安価下3 自由安価 前週キャラあり 197 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 03 32 45.02 ID SIrxzI/TO [6/8] 憧「もしもーし」 京太郎「ん?誰だ」 京太郎「どちらさまでしょうか?」 憧「ま、覚えてないわよね」 憧「とりあえず家を教えなさいよ」 京太郎「え……?」 憧「そうしたら幸せになれる……♡」 0~50 県を教える 51~80 通報 81~99 電話を切る 199 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 03 36 39.68 ID SIrxzI/TO [7/8] 京太郎「長野県……だけど?」 憧「へぇ……面白い」 憧「家……は?」 0~30 家を教える 31~90 電話を切る 91~99 通報 203 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 03 39 09.26 ID SIrxzI/TO [8/8] プツッ ツーツー 憧「へぇ……」ペロッ 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 208 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 04 30 02.65 ID 4FK4N6eAO 1.執事雑用 2.土方 安価下2 214 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/26(木) 13 33 03.26 ID 398FkfayO 土方「しっかりやれよ」 京太郎「は、はい!」 --- 土方「ほれ、給料」 京太郎「ありがとうございます」 --- prrrr 京太郎「ん?電話だ」 安価下2 自由安価 223 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 00 23 25.67 ID cFq8gm0LO [1/6] 一「もしもし?」 京太郎「ん?どうした」 一「透華には気を付けてね」ヒソッ 京太郎「……」 一「もしかしたら……覚えているかもね、もしかしたら」 京太郎「冗談だろ?」 一「分からないけど様子がおかしいのは確かだよ」 京太郎「透華……がね」 一「うん……それは間違いないよ」 一日が終わりました 224 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 00 32 14.06 ID cFq8gm0LO [2/6] 同時刻 龍門渕高校 校庭 透華「須賀……京太郎」 透華「京太郎……京太郎」 憧「へぇ……」 透華「!?」 透華「こんな時間にどうしましたの?」 憧「ねぇ……今」 憧「京太郎って言ったよね?」 透華「確かに言いましたわ」 憧「好きなんだ」クスッ 透華「ち……ち……違いますわ///」 憧「図星だね」 透華「~っ!」 憧「匂い……正しかった」ボソッ 透華「?」 憧「ねぇ……」チロッ 225 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 00 33 44.10 ID cFq8gm0LO [3/6] 「ーー私の好きな人を教えてあげるよ」 226 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 00 34 16.42 ID cFq8gm0LO [4/6] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 235 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 01 56 51.73 ID ZO1EIAO0O [1/10] ぞろ目ボーナス 一「もしもし」 京太郎「一、一緒に今後の相談を……」 一「今は無理だよ」 京太郎「え?」 一「京太郎……もう別れよう」 京太郎「え……え?」 一「逃げて」ボソッ 京太郎「!」 プツッ 京太郎「一の身が危ない……!」 0~80 龍門渕家へ 81~99 憧「は~い♡」 237 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 02 01 51.46 ID ZO1EIAO0O [2/10] 龍門渕家 門 京太郎「……ここ通してくれよ」 SP「断る」 京太郎「一人の人間の命がかかっているんだぞ?」 SP「帰れ」 京太郎「……」 SP「……」 京太郎「……」ググッ 0~80 SP気絶 81~99 別ルートを探す 239 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 02 06 49.75 ID ZO1EIAO0O [3/10] バキッ SP「……」ピクッピクッ 京太郎「意外と隙だらけだったな」 --- 京太郎「はじめっ!!」 一「京太郎……どうして来るのさ……馬鹿」 京太郎「助けるに決まってるだろ」 京太郎「大好きだからな」 憧「ふ~ん……今回はこの子なんだ」 京太郎「!」 憧「いっつも貧乳で小動物みたいな人を好きになるわね、京太郎は」 一「逃げて……京太郎……透華が……」 0~80 一の拘束を解く 81~99 オーッホッホッホッ 242 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 02 34 34.87 ID ZO1EIAO0O [4/10] 憧「へぇ……早いね」 京太郎「鍛えてるからな」 憧「前より……力付いてるね」 憧「でも手を下すのは私じゃない……それが大事」 憧「京太郎は私の元へ帰ってくればいいの」 憧「やり直しなんか絶対させない」 0~80 龍門渕家を脱出 81~99 オーッホッホッホッ 244 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 02 47 58.04 ID ZO1EIAO0O [5/10] 京太郎「はぁはぁ……!」 一「やっと逃げ出せたね」 京太郎「警察……動いてくれるか心配だな」 一「大丈夫」チュッ 京太郎「……」 一「きっと大丈夫」 --- 0~80 土方「おう、乗れ」 81~99 オーッホッホッホッ 246 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 03 09 41.73 ID ZO1EIAO0O [6/10] 京太郎「土方の人に乗せて貰ったな」 一「うん…….」 一(ハギヨシは一体……なんで) --- 自由安価下3 何県に行く? 252 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 03 21 05.92 ID ZO1EIAO0O [7/10] 岩手ってシロ以外全部地雷やで…… 京太郎「着いたな」 一「うん、良かった」 京太郎「よし、どこ行くか」 0~50 トシ 51~80 シロ 81~85 てんし 86~90 こらっ! 91~95 ふさぐ 96~99 ぽぽぽ 257 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 03 35 50.22 ID ZO1EIAO0O [8/10] 256 さん付けは必須でしたね、失礼しました 「ん……」 一「ホテルどうする?」 京太郎「どうするか」 一「無計画!?」ガーンッ 京太郎「仕方ないだろ!」 一「もう……ばか」 「……泊まる?」 京太郎「え?」 「そう、大好きだから助けてあげる」 「ダルくないし、嬉しい」ニコッ 「もう、大丈夫」 「辛かったね」 一「……はい」 272 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 13 18 39.03 ID AgAwSVrEO [1/2] 翌日 prrrr 京太郎「もしもし?」 ハギヨシ「もしもし京太郎君」 京太郎「ハギヨシさん」 ハギヨシ「透華お嬢様は龍門渕家で厳重な監視、唆した女は逮捕です」 京太郎「……!」 ハギヨシ「お疲れ様でした。長野へ戻って来てください」 京太郎「はい」 一「どうしたの?」 京太郎「戻るぞはじめ」 273 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 13 27 50.22 ID AgAwSVrEO [2/2] 龍門渕家 ハギヨシ「お待ちしていました」 京太郎「透華はやっぱり……」 ハギヨシ「ええ、貴方方を[ピーーー]つもりでした」 一「……」 ハギヨシ「発見が早くて助かりました」 京太郎「……」 バンッッッ ハギヨシ「!」 京太郎「!」 一「!」 透華「……」カチャ 透華の手には悍ましい凶器、前回よりも確実に連射性が優れているのは間違いない。 その照準は…… 一「っ!」 京太郎「はじめっ!!!」 ハギヨシ「ッッッ!」 275 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/27(金) 17 51 58.82 ID C8ioGuJgO ダダダダダダッッッダダダダダダッッッダダダダダダッッッダダダダダダッッッ 280 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/28(土) 14 46 58.85 ID d3MS2NMoO [1/5] ハギヨシ「……」 ハギヨシ「大変申し訳ありません……透華お嬢様」ツー ダラダラ ポタッポタッ 一「嘘……」ポロポロ 透華「あ……あ……」 京太郎「っっ~!」 俺は錯乱状態の透華からマシンガンと思われる銃を取り上げた。 けど……もう。 ハギヨシ「私はこれにて失礼させていただきます」ニコッ 一を助けたのはハギヨシさんだった。 背中で大量の銃弾を全て受け止めた。 何よりも驚くべき事は所々で腕も使い銃弾を受け止めた事だ。 透華「そんな……そんなつもりじゃ……」 京太郎「ハギヨシさん!!!」 一「ハギヨシさん!!!」 ハギヨシ「……」 ハギヨシ(国広さん……) ハギヨシ(嫌ーーはじめ) 281 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/28(土) 14 48 21.96 ID d3MS2NMoO [2/5] カンッ 283 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/28(土) 15 04 26.58 ID d3MS2NMoO [4/5] 憩ルートは洋榎ルートと共に封印されました 穏乃ルートは悪魔共々封印されました 次回穏乃ルート怜ルート選択時は(土方を使うまでも無く回避してたので)土方使用可能。 そろそろ 1はこのスレを終わらせます。先にこっちを終わらせる 現在解放されているのが ゆみルート 怜ルート ネキ 憩 穏乃 衣 照 淡 怜は封印中 (ピンチになったらハギヨシ登場を使う機会もない程に怜と穏乃はコンマを全回避しました。次回怜か穏乃ルートのピンチ時に使用できます) 一エピローグは衣編クリア時に解放 記憶引き継ぎに関しては とある一定のコンマを引いたヤンデレのみ引き継ぎと考えています(高校が同じキャラの場合)ので、安心して前回選んだ高校も選んでください。 (永水を選ぶ時は一応確認をしますが復讐編かどうかを明記してください) 前回ヤンデレだったあの子も……ヒロインだったあの子も……! 鶴賀(ゆみ)か千里山(怜)のどっちかを多数決で選んでください(他の高校は不可) プロローグ 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 鶴賀or龍門渕 安価下10 312 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/28(土) 23 02 16.03 ID 14zD0C3cO [1/3] 怜 31 泉 84 セーラ 85 浩子 16 竜華 4 雅枝 76 京太郎「白糸台の入学式」 京太郎「うーん、道に迷ってしまった」 京太郎「さて……どうするか」 大阪はまだ慣れないからな、仕方ないな。 「ーー」 0~50 怜 51~60 泉 61~70 セーラ 71~80 浩子 81~99 竜華 322 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 07 54 25.44 ID 8bBwYb4hO [1/4] ゾロ目ボーナス! 怜81 怜「どうしたん?」 京太郎「あ……先輩ですよね」 怜「見た感じ君は迷子やろ?」 京太郎「はい……」 怜「しゃあない、学校までの道を教えたる」 京太郎「ありがとうございます!」 怜「ほれ、おんぶ」 京太郎「え?」 323 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 08 31 08.00 ID 8bBwYb4hO [2/4] 放課後 京太郎「怜さんに誘われたし……行ってみるか」 泉「ん?君も新入生なん?」 京太郎「はい、えっと……」 泉「私も新入生やで、一応特待やよろしゅうな」 京太郎「はい!よろしくお願いします!」 泉「タメ口でええよ、京太郎君」クスッ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 325 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 08 36 30.73 ID 8bBwYb4hO [3/4] あなたと過ごした日々が~♪ 泉 134 泉「……」クスッ --- 京太郎「新入部員の須賀京太郎です!」 浩子「話は聞いとるで~よろしゅうな」 京太郎「はい!」 浩子「ほな、どんな打ち筋か見させてもらうわ」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 327 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 08 43 59.23 ID 8bBwYb4hO [4/4] 浩子 26 セーラ「お前が新入生かぁ~」 セーラ「俺程では無いな」 京太郎「あはは……」 セーラ「頑張って進歩しぃや」 セーラ「すぐ置いていかれるで?」 京太郎「は……はい!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 331 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 20 09 47.76 ID XPpyss/jO [1/6] セーラ 105 竜華「ん?新入生やな」 竜華「どれほどの腕か見してぇや」 京太郎「はい!」 --- 竜華「……」 京太郎「……」 竜華「普通……やな」 京太郎「はい」 竜華「ま、これからも教えたるさかい」 京太郎「ありがとうございます!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 333 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 20 31 52.24 ID XPpyss/jO [2/6] 竜華 14 雅枝「練習出来とるか?」 雅枝「お、新入生やな」 雅枝「これからはビシバシ行くで」 京太郎「はい!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 335 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 20 50 31.48 ID XPpyss/jO [3/6] 雅枝 106 怜「なぁなぁ」 京太郎「あ、先輩」 怜「怜でええよ」 京太郎「は、はい」 怜「どうや?部活は」 京太郎「そうですね、結構慣れました」 怜「そうかぁ……なら良かったわ」ニコッ 京太郎「はい」クスッ 京太郎「先輩、お身体はお大事に無理をしないでください」 怜「なんや?唐突やな」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 338 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 21 21 54.74 ID XPpyss/jO [4/6] 怜 111 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 343 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 21 29 57.90 ID XPpyss/jO [5/6] カーンカーンカーンカーン 土方「ほれ、頑張れよ」 京太郎「はい!」 カーンカーンカーンカーン --- 土方「はい給料」 京太郎「ありがとうございます!」 --- 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 348 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 21 39 17.02 ID XPpyss/jO [6/6] 京太郎「街をうろうろするか」 0~50 アラフォー 51~99 トキィッ 352 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 23 40 14.13 ID rgPBoWbEO [1/2] 「……」 「見つけた」 京太郎「ーーえ?」 「久しぶり、だね」 健夜「京太郎君」ニコッ ,. .. . ´ . . . . . . . . . .. `丶 / . . . . . . . .. . . .. . .. . . . . . . \ / . ./ . . . . .ィ . . . . . .ヽ . . . . . . . . .ヽ. / ./ ./ . ./| . | l | . | .l. i. . . . . . . . . . . . i . {ハ{从{. ヽ{八|\{人| . . . . . | . . . . .i | . |-─  ̄` ー-| . . . . . | . . . . .| | . l -‐  ̄` | . . . . . | . . . . .| | . | f芋ミ 笊芋ミメ、 . . . .| } . . . | |. . . ∨ソ 弋 ソ | . . . . lノ . . | | . .ハxx xxx | . . . . | . . . . .| | . . 人 _ _, ! . . . | . . . . .| | . . . . . .ゝ . イ . . . . リ . .i . .l | .i. | . | . . . . >ーr } . . /i . | . .| | .i. | . ト、 . | . .| . . } 厶ィ´、l . 八 | {ハ八 {. ヽ{-‐ ' ___, 厂/`丶. ,. ´}} | ' /// `丶 i }} | _____ /// i | }ノ 人 / { { } | | / ヽ / ./Y ′ |./ \ / ∨ / l{ 丶 Y ∨ / 京太郎「ーーっ!」 喉が灼ける。 声が出ない……身動きも取れない。 京太郎「あ……あ」ゾクゾクッ 健夜「お話、しよっか」ニコニコ 0~30 逃げ切れる 31~60 怜と遭遇 61~99 お話する 355 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/29(日) 23 58 23.94 ID rgPBoWbEO [2/2] 京太郎「はぁ……!」 京太郎「はぁ……!」 ダダダダッ --- 京太郎の部屋 京太郎「良かった……」 京太郎「助かった……!」 prrrr 京太郎「ん?電話だ」 自由安価 安価下3 前週キャラあり 362 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 00 11 59.49 ID RQeQQt85O [1/20] ゾロ目ボーナス! 京太郎「はい、もしもし」 健夜「へぇ、ここなんだ」 京太郎「え?」 健夜「またね」 プツッ 一日が終わりました 363 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 00 15 55.03 ID RQeQQt85O [2/20] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 369 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 00 25 09.35 ID RQeQQt85O [3/20] 京太郎「サボるか、そうしよう」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 374 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 00 32 17.43 ID RQeQQt85O [4/20] 京太郎「街をうろうろしますか」 0~50 トキィ 51~99 アラフォー 377 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 00 36 38.09 ID RQeQQt85O [5/20] 京太郎「あ、あ……」 健夜「知ってた?」 健夜「私からは逃げられないって」 0~30 逃げ切れる 31~60 怜遭遇 61~99 お話する 381 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 00 41 40.03 ID RQeQQt85O [6/20] 京太郎「なんなんだよあのストーカー……」 行動フェイズ夕方 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 386 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 00 49 34.60 ID RQeQQt85O [7/20] ゾロ目ボーナス! 好きなキャラをえらんでね! 重要な安価です 安価下6 396 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 01 01 40.98 ID RQeQQt85O [8/20] 怜「……」 京太郎「……」 沈黙ーー 互いに何かを悟った表情……それには、慈しみ、愛しさも含んでいた。 京太郎「怜」 怜「京太郎」 京太郎「久しぶり」 怜「やな」 京太郎「思い出した……よ」 怜「そか、なら……今度こそは健やかにさせてくれるん?」 京太郎「ああ……絶対に」 怜「なら良かったわ」ニコッ ′ / // /j / l l. ′ / / ′| / ,' / | } ′ /,斗-++! / ' /─--.+ !_ l / | i .|j .| / ./ / | l .} | ! |l { .| l .|l l / ./ / .j / | ∧ .| { l | l |--+-弋 / .// _'_ j / | ′ l ∨≧=≠≦ミ、/ ノ' ,升=≠≦ミ〈 | . l l /´ _ )o い _ )o 刈 ヽV ′ 代. トiv li! ,刈 トiv li! rf;} }.| ′ |. ∨ っ ∨ っ /.| ./ ト ゝzz r,ノ ゝ zz ツ | |.} .| | l. 〃〃〃 , 〃〃〃 .| | } .| ` l | l ノ´ 、 ── ' イ > ,< > < .| > 、 <. | __ } |r ⌒j _ 斗'´ ! .| //j / r ' j /// ' ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / | / // / / 397 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 01 02 47.67 ID RQeQQt85O [9/20] 京太郎「記憶が最初からあったら健夜さんと接触しなかったのに……」 行動フェイズ夜 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 403 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 01 22 53.57 ID RQeQQt85O [10/20] 怜の家 怜「今後の相談か?」 京太郎「健夜さんと遭遇してしまった……」 怜「それはアカン」 京太郎「健夜さんをどうしようか……」 怜「うち……あの人のせいで早死にした気がするんや」 京太郎「俺もそんな気がする」 怜「今度こそ守ってな」ピトッ 京太郎「分かってるよ」 怜「うちが死んだ後……どうしてたん?」 怜「恋人作ったん?」 京太郎「生涯独身だったよ……」 怜「……アホ」 京太郎(それに……すぐ死んじゃったからなぁ) 404 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 01 25 40.75 ID RQeQQt85O [11/20] 京太郎「電話だ」 怜「あんたに来る電話はロクな事にならんわ」 自由安価 前週キャラなし 安価下4 411 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 01 30 09.88 ID RQeQQt85O [12/20] セーラ 115 セーラ「元気か?」 京太郎「はい」 セーラ「あんまり学校サボりすぎるなよ」 京太郎「分かってます」 セーラ「ん」 プツッ --- 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 420 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 01 44 20.78 ID RQeQQt85O [14/20] ゾロ目ボーナス! 京太郎「サボるかー」 怜「どうしてなん?」 ピンポーン 京太郎「ほら」 怜「また旅行なん?楽しみや」 0~30 ガチャ 31~60 裏口から逃走 61~99 様子見 422 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 01 48 03.42 ID RQeQQt85O [15/20] 怜「……」ゴクリッ 京太郎「……」 怜「準備……出来たで」 京太郎「これでいざという時も安心だな」 怜「ほな、そろそろ」 京太郎「せやな」 怜「へったくそな関西弁やな」 京太郎「ひどい……」 0~30 裏口から逃走 31~60 ガチャ 61~99 警察も呼んどくか 424 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 01 52 37.18 ID RQeQQt85O [16/20] 京太郎「警察も呼んどいた」 怜「うちらが悪者みたいやな」 京太郎「そうか?」 怜「そうやで」ギュッ 京太郎「さてそろそろ……」 0~30 裏口から逃走 31~60 ガチャ 61~99 一巡先見といたる 427 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 02 00 37.90 ID RQeQQt85O [17/20] ガチャ 怜「ちょっ!うちの家に何勝手に入ってるんや!?」 怜「不法侵入やで!」 京太郎「まてまてまてまて、まずいまずいまずいまずい」 京太郎「逃げるぞ!」 怜「はよそうしぃや!」 0~50 窓から脱出 51~80 「ここかな?」 81~99 一巡先見るわ! 431 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 02 06 21.82 ID RQeQQt85O [18/20] 京太郎「よし、掴まれよ」ガシッ 怜「え?」ギュゥゥゥ 京太郎「よっ」ガララッ ヒュッ ヒュウウウ ドンッ 京太郎「よしっ!」 怜「よしっ!ちゃうわアホ!!!二階やぞ!」ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ 怜「怖かったわぁ……」グスッ 京太郎「あはは、ごめんごめん」 0~50 大阪駅 51~99 窓から飛び降りるなんて凄いね 433 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 02 07 21.10 ID RQeQQt85O [19/20] 京太郎「よし、どこに行くか」 怜「次はどこ行くか楽しみやなぁ」 自由安価 何県に行く? 安価下5 440 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 02 20 54.39 ID zlIoKp0CO [1/11] 0~20 俺たちのドラロー 21~40 あったか~い 41~60 アコチャー 61~80 アラタソ 81~99 俺たちの悪魔 446 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 02 27 31.43 ID zlIoKp0CO [3/11] ゾロ目ボーナス! 「ん?」 「んんん?」 「京太郎!?」 京太郎「え?」 怜「知り合いなん?」 京太郎「いや、知らないです」 「あ、そっか……分からないんだ」 「じゃあ二人とも私の家に泊まりなよ」 怜「ええの?」 「うん、彼には恩があるから」 「幸せになってもらいたいんだ」 京太郎「名前は……?」 「たかがも……」 「たかがもしずの!」 468 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 03 07 37.07 ID zlIoKp0CO [7/11] 一ヶ月後 千里山 京太郎「ん、出来た」 怜「何してるん?」 京太郎「待てって」 怜「もう……はよしてな」 京太郎「ほら」 怜「麻雀牌?」 京太郎「手作りでお守り代わりだ」 怜「ありがとな、おおきに」 京太郎「おう、大切に扱ってくれ」 怜「なぁ……うち今日親居ないんやけど」 京太郎「……」ピクッ 怜「……」クスクス 京太郎「ずっと一緒だ」 怜「分かっとるで」 / ヽ , ' . . . . 、 / / / ; . . . .ヽ ヽ ,' /. / / ;ィ ,'.| | . ! .゙. 'ヽ' /-!-',' ; イ,'__| _ ! ! . .| .! | !> |/ |'|'-l /; / l /!ヽ ! . |<! j ´| /リ | / / !x、| /| ' ! .| ,' ハ l〈 ,ァ=ミ´ ,..‐==ミ / / ! .| / l ヽ !′ ` `〃 ,' ! / ! {.! ,, ,, , ,'| ! l. / . | `l " " ,'_j ! 、 / | 、,r===~ ノ ,' l . ヽ ヽ .' ハ | '/≧ ... _ ,.._ < / / . . |ヽ! | ' l .! '/ λ! ´ _,,レヽ / ,' /L. -─、! i! |' | ,r=、 、 '/ _ ノ 、 r ´ 7イ /;' /- 、 i! / ` `ヽ.、 ノ、 `ヾ 、 // ' ;' ハヽ li! / \=X=K=、ニ_Y ! ,' ! | /二ニゝ //「| トヽ、7/ | .,'l | r'´-‐ 、\ ,.チ/|| | | \'./| |.,' | | 471 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 03 19 29.34 ID zlIoKp0CO [8/11] 更に月日が経ち 全国大会 準決勝 怜「行かせてもらうでチャンピオン……」 怜(トリプル……!) '" `\ / 、 \ ../ . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ \ -'" . . . . . ヽ \ ./- "´.. /\ \ ヽ ヽ ~ 、 ./´" / / \ ` ヽ 、 ヽ ヽ " l /{ // \ .l`、i ヽ、 、 ヽ { / ./ .メ、∠、 _ -‐  ̄ l ヽ`ヽ .、 l' / ヽ,、一、 ─‐‐ヽ、 { } ヽ } / ./ i ( { 。 . i 。 ヽ/ `l 、ヽ } ./ / l ゝ-' ゝ '' ′ .ヽ }ヽ、 1 } {./ .l ′ / i } }/ l{.{ 、 i{ l ` 、_/ λ } 〈 l{ .{ lλ ヽ t ュ /lλi '"}/ .}/ V N 〈{.\. ゝ _ _ < {"`' " ヽ ` `' ` ` "_.} ゝ‐"ヽ、__ -' ' " ` ヽ、 -‐ _ - '"./ 〉 〃/ー _ \ { {{ ../ ./ /' / ヽ .{ .{{ ./-ー '"/ /' /'~ 'ヽ l {{ / ''" / /' / / ヽ l.{{ / / /-'"{ / \ 決勝へ進む学校は? 安価下8 多数決 0~30 白糸台 31~70 千里山 71~90 阿知賀 91~99 新道寺 487 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 03 53 06.91 ID zlIoKp0CO [10/11] 決勝戦 怜「……」 怜(倒れた時は京太郎がすぐに抱き留めてくれたなぁ……) 怜(その前にうちを抱き留めてのはチャンピオンやったけどな)クスッ 怜「頑張らせてもらうで……!」 怜「本気や!」 怜(トリプル……!) 優勝する学校は? 0~60 千里山 61~80 白糸台 81~90 清澄 91~99 臨海 安価下8 多数決 503 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 17 40 38.02 ID M3SP2RsfO [1/5] 怜「……」 照「……!」 智葉「っ!」 優希「なっ……」 怜「これでうちがトップや」 怜「ツモ!」 .\. \ \\ \ / _ - `ー.、\ 丶、ヽ `" \ _ ...イ / / ヽ__ヽ.._`" `ヽ、 ィチ ./ ' , ' // ゙─- .._ \ r..、 ,イ/ /' ./ / , ' / / / ! `ーァ‐- ...__,.- `ー- ...____ ,r‐≧、{! | /|/ / / /, ' , / / / , / l , | / `゙ヽ、_/ ヽヽ、ヾ | ,' ,' // ./ / / / / ./ ,ィ ./; /, l ヽ-──- 、 `ー-. .ヽ `ヾ | l/ ,' / / ハ7' / _/x._ _' / / / `ー--─-- 、 ヽ ! \ヾ、! | /〃 У /リ' ,ィチ圷/_彡ィイ \ l}.| ヽヾ、' 从/ / `"´ ´´ 〈㌦ ! ` 、 . . / ハ ヽ.!|! |Y / ハ ,ィ' ,' ! |ニ三三iニニt-、...__ ./ / \ ||! !|'| . ト 、 tァ.イ /,' ,' |三三ニ|ニニゝ、ヽ ノ'ノ ∧! | ∨ィ´| λー 彡' /从/ l三三ニlニニニヾヽ'' / ゙ 、 !ー ´,ィ! //!  ̄ー ' ´ |三ニ ,'ニニニ/>ヽ─ '' ∨ l-‐' ∧ /λ |三ニ|ニニニ / .' ∨ ! ハ ハ., /} |三ニ!ニニ/ ,' ∨ !. ,' / / |三ニ !ニニ' ' __ |∨!/ /_.ァ ´ |三ニ|ニニ ' ' r'" ` ー-ゝYチ ヽ |三ニ!ニニ| ,' ヽ _ >-''7ハ ヽヽ ` 、 |ニニ !ニニ/ヽ /| ノ \ ヽ、..───────────────┴--!--' /...________/_´___`_、.__\_ ____________________________________ ___ │ 二 │ 三 │ 四 │ 二 │ 三 │ 四 │ 二 │ 三 │ 四 │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ 伍 │| 伍 | │ 萬 │ 萬 │ 萬 │ 萬 │ 萬 │ 萬 │ 萬 │ 萬 │ 萬 │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ 萬 │| 萬 | 504 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 17 46 28.42 ID M3SP2RsfO [2/5] 恒子「優勝は名門千里山ーーーー!!!」 咏「千里山の先鋒……ありゃ凄くなるよ」 咏「知らねーけど」 恒子「○○○プロの再来……とか?」 咏「そうだねぃ、彼女の場合はーー」 /. / / / \ / / / / /}/ / \ / / / / / / / / . / / / / / / // / /| | . / / / / 7´~~//-/ // / ! ! l . ∨ l /l/ /´___/ /、,/ / ! ! l | / /|l /xァ≠=-ミ l / /__彡 へ | | | | / i 八/{ /三三 ハ| //  ̄ ̄、 \ 从 l | | |. . --./ l ′rうく三/ }/´ ____ // l | | | / / l ′ `う ⌒7三≧x // / 从 / ; / / l ′/// /三三三ハ/ / )イ ; / . / / ′ / てうぅ三ジ 厶イ / . / . / / / { し `う゚ ´ / / { / . / / / / .| /// /イ l l .. / | / / / .| / .、 乂_) / l l . / l/ l / |l ∧ .、 U / l l l l .. / l/ 八{ ∧ | \ / l l l |\{\{.. /----=ニ二. \从 l≧=--------‐┬=≦>-/ l l l | ニ=- 二/ /二二二二二ニ===ニ二ニ==\/ / / l l |)ノ \/ニ/ /二二二二二二二ニ二二二二′ / / l l / / ̄| lニ/ /二二二二二二ニニニ二/ / / / l l / / . | 怜「竜華ぁ……疲れた」グター 竜華「はいはい、お疲れさん」ニコニコ 咏「見ててワクワクするよ、これからが楽しみだねぃ……知らねーけど」ニコッ 咏(そこが小鍛冶健夜との違いかな) 505 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 17 48 27.12 ID M3SP2RsfO [3/5] HAPPY ENDING 506 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 17 48 59.12 ID M3SP2RsfO [4/5] ーーepilogue その先も、これからも 507 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 17 55 27.67 ID M3SP2RsfO [5/5] 一ヶ月後 怜「引退してもうた」ボケー 京太郎「はぁ」 怜「もう存在価値無いわ」 京太郎「いやいや、プロからめっちゃスカウト来てるし」 怜「プロなんか行ったら身体もたんわ」 京太郎「今回は単純に運動不足なだけだろ」 怜「それ言うたらおしまいやろ」 京太郎「運動なら付き合うよ」 怜「これからもよろしく頼むで」 京太郎「こちらこそ」ニッ 509 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/30(月) 23 54 24.26 ID RQeQQt85O [20/20] 卒業式 竜華「怜……結局学校来なくなったなぁ」 京太郎「はい……」 竜華「どこ行ったんやろ」 セーラ「頭可笑しいわあいつ」 泉「彼氏放っておいてどっか行くなんて」 浩子「何考えてんやろ」 京太郎「怜……」グスッ セーラ・竜華「お前が泣くなや」 京太郎「あ、はい」 浩子・泉(鍛えられとるわ、主にボケ) 京太郎「怜……」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6150.html
京ちゃん弁当 咲「いただきまーす」 和「あれ?」 和「いつもと咲さんのお弁当とは違いますね」 和「週1回でそうなっているような気がしますけど……」 優希「タコさんウィンターはもらった!」ヒョイ 和「ゆーき?」ニコッ 優希「」ガタガタブルブル 咲「あはは……別に大丈夫だよ?」 優希「咲ちゃんは天使じぇ!」モグモグ 和「もう……ゆーきったら……」 咲「んー……相変わらず美味しいなぁ」モグモグ 和「…………」ウズウズ 咲「……食べる?」 和「いえ、そんな……」フリフリ 咲「…………はい、あーん」 和「失礼します……///」アーン 咲「どう?」 和「……とっても美味しいです」 咲「そっか」ニコニコ 和「それで……このお弁当は誰が?」 咲「えっとね……」ガラガラッ 京太郎「おーいさきー?」 咲「どうしたの、京ちゃん?」 京太郎「俺、ちょっと用事出来たから先に帰って弁当洗っといてくれ」 咲「はーい」 京太郎「和も優希もまた明日な」ガラガラピシャ 優希「嵐の様に帰っていったじぇ……」 咲「ほんと、京ちゃんって自分勝手なんだから」プンスカ 咲「一緒に帰って、今日のおかずはどうだったとか」 咲「あれは好きだから入ってるといいとか」 咲「これは嫌いだから抜いて欲しいとか」 咲「でも京ちゃんは好き嫌いしないで食べろよ、とか言って」 咲「私も仕方ないから食べてあげるとか」 咲「色々言いたいことあったのに、もう!」 和「」チーン 咲「あれ? 和ちゃん?」 優希「色々と余計なこと考えてショートしたっぽい……?」 久「ねぇ、コーヒーってあったかしら?」 久「とびっきり濃いやつ」 まこ「奇遇じゃね、わしもそう思っとったところじゃ」 久「ねぇ」 まこ「ん?」 久「私も頼めば作ってもらえるかしら?」 まこ「そげなことしたら戦争になる」 久「デスヨネー」ハァ 京ちゃん弁当 白糸台編 照「ごはんっごはんっ」 菫「なぁ…なんでお昼の時間だけそんなにテンションが高いんだ…?」 照「?」 照「私はいつもこうだけど?」 菫(まるで好物を目の前に出された子供みたいな目をされてもな……) 誠子「まるで好物を目の前に出された子供みたいな目してますよ?」 照「む……そんなことない」 淡「玉子焼きもーらいっ!」ヒョイ 照「ダメ」ササッ 淡「えーいいじゃんー減るもんじゃないし」ブーブー 菫「いや減るだろ」 淡「細かいことはきにしなーい」 尭深「幸せそうに食べてますね……」 菫「ああ、確かに」 照「…………そんなに見られると食べにくい」ジトー 淡「私も照のお弁当食べーたーいー」ジタバタ 淡「チョココロネあげるからちょっとちょうだいっ」 照「…………んー」 淡「じゃあメロンパンもつける!」 淡「これでどう?」 照「…………1個だけなら」 淡「やったーっ!」 菫「まさか本当にあの照が淡にあげるとは……」 尭深「明日は雪ですね」ズズッ 誠子「あはは……まさか……ね?」 淡「じゃあこのハンバーグっ」ヒョイ 照「ちょっとまっ」ガタッ 淡「んーっおいしーっ!」モグモグ 照「」 菫「ちょっと保健室行ってくる」ガラッ 尭深「私も少し」ガラッ 誠子「お、おいてかないでっ」ガラッ 淡「美味しかったぁ……」マンゾクマンゾク 照「」 淡「テルーありがとねー」ガラッ 照「」 照「」 照「」 照「京ちゃん特製ハンバーグ……」シクシク 照「……モグモグ」シクシク 照「あ、これも美味しい」 照「モグモグ」ニコニコ 照「京太郎はきっといいお嫁さんになる」 照「モグモグ」 後日、お弁当のハンバーグを増やしてもらうポンコツ文学系少女(姉)の姿がみられますがまた別の話 京ちゃん弁当 風越編 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「なんだ?」 咲「そのお弁当……どうしたの?」 京太郎「ん、これか?」 京太郎「話すとちょっと長くなるからはしょるけど」 京太郎「カクカクシカジカ」 京太郎「シカクイムーブってわけよ」 咲「えっと……部の、要は優希ちゃんのタコス作りのために料理を勉強しようと思って、福路さんに相談したところ、料理の作り方を教えてもらったけど、お礼もしないのは申し訳なくなり、京ちゃんがお弁当をつくって、それを福路さんに食べてもらおうと思って渡したら、福路さんも自分のお弁当を持ってきていて、二つは食べれないだろうと思って京ちゃんはお弁当を渡すのをやめようとしたところ、じゃあこっちは京ちゃんが食べてって福路さんのお弁当を渡されたってこと?」 京太郎「さっすが咲!」 咲「私じゃなかったら絶対にわからなかったからね!?」 咲「あんな説明の仕方するの京ちゃんくらいだよ!」 京太郎「よせやい」 咲「誉めてないから!」 池田「あれキャプテン?」 美穂子「?」 池田「いつもとお弁当が違うし」 美穂子「これのこと?」 池田「」コクコク 美穂子「ふふ、今日のはちょっと、ね?」 美穂子「さて、お手並み拝見といきしょうか」パカッ 美穂子「」 美穂子「」ソットジ 池田「どうしたんだし?」 美穂子「い、いえ……ちょっと……」 美穂子「お腹痛くなっちゃったから……」 美穂子(…………my angel mihokoって…………もう……京太郎くんのバカ……////) この後、自宅にてしっかり完食するキャプの姿がみられますが別の話です。 京ちゃん弁当 宮守編 シロ「モグモグ」 豊音「」 塞「」 胡桃「」 エイスリン「」 (*1)) シロ「……なに?」ジト 塞「いえ、なんだか当たり前のことなんだけど……なんか……ねぇ?」 豊音「」コクコク 胡桃「いつも誰かに食べさせてもらっていたから……ねぇ?」 エイスリン「」コクコク シロ「…………………………」 シロ「モグモグ」 塞「よく噛んで食べてる……」 シロ「…………モグモグ」 豊音「それにしてもシロが食べてるお弁当、ちょー美味しそうだよ」 エイスリン『空前絶後』バンッ 塞「どこで覚えたの……そんな言葉……」 胡桃「シロが自分で作るわけないし……誰のお弁当? それ」 シロ「………………」 シロ「……未来の旦那さんの」 ガタッガタッガタッガタッ! シロ「………………めんど……」 ダレナノヨソノミライノダンナサンッテ!? シロニコンヤクシャガイタナンテチョースゴイコトダヨ! ワタシノジュウデンセキガ…… フィアンセ!? シロスゴイ! シロ「………………あー……」 シロ(ごめん、京太郎) シロ(でも嘘じゃないから) シロ(待ってて) トシ「今日も賑やかだねぇ」 カンッ 京ちゃん弁当 プロ編 咏「お疲れぃ」 健夜「はぁ…………またロケ弁かぁ……」 はやり「……」ニッコリ 健夜「申し訳ございません」ペコペコ はやり「でも、女の子に優しい野菜とかのお弁当の方がよかったかも☆」 健夜「あれ? お弁当2つしかないけど……咏ちゃんの分は?」 咏「あたしのはいらないって前々から言ってあるし、知らんけど」 健夜「じゃあ、お昼どうするの?」 咏「もちろん抜かりなく持ってきてる」ガサゴソ 咏「じゃじゃーん、咏さん特製弁当」 健夜(え、もしかして自炊? 私お米炊いたこともないのに……あれ?もしかして負けてる?) はやり(冷凍食品使えば私だってお弁当くらい作れるぞ☆) 咏「相変わらずうまそうだなぁ」 健夜「……自分で作ってないの?」 咏「うん、弟子が私のために作ってくれたよ、知らんけど」 ピシピシッ 健夜「もーやだーやだー人生不公平すぎー」ジタバタ 健夜「咏ちゃんばっかりずーるーい私も男の子から手作りの物もらいたいー」ジタバタ 健夜「それでお前は俺のものだから、とかいーわーれーたーいー」ジタバタ はやり「ええわかってるわよ2(バキューン)歳になってまだこんなことして男の影すらなくてフラ◯デーにも一度も載ったことすらなくてでもきっと誰か麻雀が強い人が私を貰ってくれる人がいるって信じてここまでやってきたけど年を重ねるごとに周りの男性はみわないなくなって気づいたらいつのまにか私の知り合いは皆結婚してて子供もいて幸せな家庭を築いているってのに私っていったいなにやってきたんだろうね実家に帰る度にお母さんからお見合いの話とかされるけどどう考えても私の収入狙いの男とか人間やり直した方がいいんじゃないのあなたみたいな男もいたしそりゃアラサーババアを貰ってくれるひとなんているわけないけどやっぱりある程度は妥協できない部分もあるしまぁこんなこと言ってるから結婚出来ないんだろうねわかってるわかってるわよそんなのバカなの死ぬの出来ることなら学生時代に戻ってやり直したい」ブツブツ 咏「お……おう……」ドンビキ こんな状態になっても午後の仕事はしっかりこなすアラフォーの姿がみられますがこの別の話。 カンッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3467.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 小銭を取り出し自販機に硬貨を投入、商品を選択してボタンを押す。 足音。 音した方に顔を向けると阿知賀の中堅がいた。 京太郎「よう、憧」 憧「やっほ」 一考。 京太郎「お前なに飲む?」 憧「ん……ん~じゃあ、りんごジュース」 京太郎「あいよ」 同じ動作を反復し取り出し口から缶ジュースをもう一本取り出す。 京太郎「ほら」ヒョイッ 憧「わっとと……お、まとも。京太郎の事だからおしるとか渡してくるかと思った」 京太郎「そのネタはもうやった」 憧「誰に、とは聞かないでおくわ」 京太郎「ありがとよ」 憧「ってかなに? 120円であたしとコミュニケーションでも取ろうって? 安く見られたものね」 京太郎「これでも高く見積もったつもりだけどな。しっかり受け取ってるし」 憧「貰えるものは貰うわよ」 京太郎「ちゃっかりしてるね」 憧「それがあたしの良いところ♪」 京太郎「はは、言ってろ」 憧「そうだ、あんたどうせ暇でしょう? ちょっと付き合ってよ」 そう言って憧は右手に掲げた缶の縁を指先で叩いて鳴らす。 これは一杯付き合えって事なんだろうな。 連れ立ってサロンにやってきた。 サロンと言ってもただの応接室でもなくれっきとした麻雀の練習室でもある。 中央には自動麻雀卓が4つあり、周りにはテーブルや長椅子、観葉植物が置かれており部屋の隅には給湯用のコンロなんかもある。 幸い、と言うわけでもないが人はおらず俺達は揃ってソファーに腰を下ろす。 憧「それで、クラブのちび達が『私達も行く~!!』って聞かなくてさ」ケラケラ 京太郎「そりゃ災難だったな。ところで、阿知賀のこども麻雀クラブって無くなったんじゃなかったのか?」 憧「ん? ああ、ハルエが戻ってきたからね。インハイ終わって時間も出来たし、ちょっとずつまた集まりだしたのよ」 京太郎「ふぅん。楽しそうだな、憧」 憧「まぁそれなりにね。…………ふぁ」 可愛らしく欠伸をかみ殺す憧。 京太郎「眠いのか?」 憧「ん、少し」クシクシ 京太郎「移動で疲れたんだろ。もう部屋戻るか?」 憧「もう、少……し……」 トン。 肩に軽い重みと温かな温もり、それ混じって微かに甘いような女の子特有の香りがして僅かに動悸が早まる。 京太郎「ああ、だから言わんこっちゃないのに……」 しゃーない。面倒、ではないが……いや誰かに見付かって誤解されるのは面倒だが部屋まで運んでやるとするか。 そう思いつつも、少しだけ可愛らしく寝息を立てている少女の顔を観察する。 憧「Zzzz……ん……」 小さく身動ぎする憧。前髪が一房目元に掛かる。 途端、寝苦しそうに僅かに顔をしかめる。俺は空いている方の指先で、乱れた前髪を払ってやるとまた元の穏やかな寝顔に戻る。 京太郎「まぁ、もうちょっとだけこのままでもいいか」 缶の底に残った飲み差しのコーヒーを一気に仰ぐ。 京太郎「冷めちゃったな……」 ガチャ 京太郎「ん?」 久「あ……」 テーンテンテーン!、テーンテンテーン! テッテッテッテ、テッテッテッテ…… 憧「…………」スースー 京太郎「あの、か、こ、これ勘、勘違いしちゃダメですよ?」 久「ふ~ん。もうそんな事するとこまで進んでるんだ? 意外と手が早いのね」ニヤニヤ 久「むしろ意外でもなんでもないのかしら?」 京太郎「いやだから、これはあのだから」 回らない舌と頭で必死に言い訳を捻り出していると、 部長は近くにあったテーブルの椅子を引き寄せ俺と隣で寝息を立てている憧の前に陣取る。 京太郎「なんでしょうや?」 久「いや、続きが気になるから」 京太郎「何もしませんよ!?」 久「うそん。こんな女の子が無防備な状態で近くにいるのに何もしないなんて……はっ!?」 その瞬間、我が清澄高校麻雀部部長竹井久先輩今日も緩く結んだおさげが決まっている。その額に閃光が駆け抜ける。 まるで世界の真理を見出した賢人の様に重々しく頷き、 久「実はホモ?」 京太郎「違います」 そうのたまいやがった。 そんな事実あってたまるか火サスとかそんなレベルじゃないぞ。 京太郎「これはあの、あくまで善意から偶発的に自然発生した状況であってこれ以降はなんら進展性を保持していませんよ?」 久「つまんなーい」 俺はあなたを楽しませるために生きてるんじゃありませんよ? 久「まぁいいわ。新子さんに悪いし馬に蹴られる前に退散しましょうっと」 ガタ 京太郎「良いんですか? なんか用事とかあったんじゃ」 久「良いのいいの。ブラブラしてただけだから」 久「須賀君もあんまりフラフラして、周りをやきもきさせるのはダメよ?」 京太郎「? ……はぁ」 久「じゃあね」フリフリ そういって手を一振りし言うだけ言って部長は去っていった。 なんだったんだろうな。 ワイワイ! ガヤガヤ! 照「……」モッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュ 菫「おい照、そんな一気に頬張ると……」 誠子「この紅茶美味しい」 和「それはアールグレイのウンタラカンタラ」 尭深「紅茶も悪くない……」コクコク 灼「ハルちゃんお酌するよ」 晴絵「お、悪いな灼」 久「私も一杯いいかしら?」 優希「こういう時こそタコスだじぇ!」 宥「辛いけどあったかいね」ニコニコ まこ「お好み焼きっちゅんわな、こうして……よっと!」 穏乃「おー!!」パチパチ 淡「上手ー!!」パチパチ 咲「カレー出来ました!」ガチャ 玄「食べる人は挙手してください!」 「「「「「「「「「「「「「「「はーい!!」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「って、ちょっと待てい!! なんでみん、」 「「「「「「「「「「「「「「「しーーーーー……」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「っ……!?」 憧「…………」スースー 穏乃「ダメだよ、京太郎。そんな大声出したら、憧が起きちゃう」ヒソヒソ お前が、いや……お前らが言うな。 京太郎「ちくしょう、ああうん。えーみなさんなんでここに集まってるんですか?」ボソ 晴絵「それは私が説明しよう」 教師出陣。 晴絵「須賀君は衆人監視の密室って知ってる? つまりそういうことよ」 京太郎「は?」 晴絵「よし! 宴会再開!」 ワー!ワー! ガヤガヤ こいつらただ騒ぎたいだけと違うか? 久「言っとくけど私じゃないわよ」 なにもゆーとらんがや。 咲「京ちゃん、スルメ食べる?」 京太郎「ありがとう。けど煙いから屋内で七輪はやめて」 咲「ねぇ京ちゃん」ヒソヒソ 京太郎「んあ?」モキュモキュ 咲「もし隣にいたのが私でも、同じようにしてくれた?」 京太郎「それは、まぁ」 咲「そっか」ニコ タタタッ 京太郎「なんだ?」 優希「タコスもあるじぇ!」 京太郎「ありがとう。俺の作り置きだけど……」 優希「なにおう!? 犬のくせにこのゆーき様のタコスが食えんというのか!?」 京太郎「もらうっつってんだろ。あ、やめろ鼻に押し付けるな! 痛い!? スパイスが鼻に痛い!! やめろぉ!!!」 宥「大丈夫? 寒くない? タオルケット持ってきたから」パサ 京太郎「すみません。わざわざ」 宥「~♪」 京太郎「あの、なにか?」 宥「ううん。暖かそうだなって」ニコニコ 淡「む~」プク 京太郎「今度はお前か」 淡「アコばっかりズルい!」 京太郎「ズルいってなぁ」 淡「おでこにマジックで魚肉って書いてやる」 京太郎「やめなさい。ってかなんで魚肉」 淡「そんでアコが起きたらキョータローがやったって言っちゃうもん」 京太郎「おいそれやったらお前あの、あれだからな?」 京太郎「今晩寝てるお前の部屋侵入して顔と言う顔に牛タン貼り付けて油でギトギトにするからな?」 淡「じゃあ私には腕枕して」 京太郎「何故そうなる」 淡「良いもん! 私が逆に京太郎の部屋に侵入してやるもん」タタタッ 京太郎「あ、おい…………なんなんだあいつは」 玄「あはは、みんなすごいね」 京太郎「玄さん」 玄「お腹空いてない? カレー持ってきたけど」 京太郎「ありがとうございます。…………なんですか、この珍妙なものは」 玄「えっと、これが照さんがくれたマフィン、優希ちゃんのタコス、こっちが咲ちゃんのスルメでしょ?」 玄「この部分が染谷さんの広島焼きで、それと亦野さんがくれたマグロの目玉とウツボの肝かな」 ふざけたトッピングしやがって。盛れば良いってもんじゃない事を物理的に教えて差し上げたい。 玄「そのままじゃ食べにくくないかな?」 京太郎「え? まぁ片手が少し」 玄「その、ね? よかったらわわわ私が! その、た、食べさせてあげたりとかしようか?」 玄「なんて言っちゃったりなんかしてみたりして!///」テレテレ 京太郎「あ、マジですか?」 平静を装いつつ内心で盛大にガッツポーズを決める。おいおいどんだけ天使やねん。 憧「…………」 心なしか憧からかかる重みが増した気がするがそれはきっと俺の心境の変化的なそれだろう。つまり気のせい。 玄「そ、それじゃあ失礼します///」カチャ 京太郎「は、はい。お願いします」ドギマギ 晴絵「玄ー! おつまみ足りなーい!」 玄「」 京太郎「」 玄「あ、あはははは。それじゃあ先生も呼んでるし私行ってきますのだ!///」ワタワタ 京太郎「はい。ど、どうぞ……」 タタタッ 京太郎「……」 空気読めよレジェンゴォォォォォォ!!!! 穏乃「よし、1番! 高鴨穏乃、歌います!」 淡「なにおう! なら歌で勝負だ高鴨穏乃!」 穏乃「お!? デュエットだね? 受けて立とうじゃないですか!」 淡「選曲は?」 穏乃「もちろん!」 淡穏「「ルミナス!」」 穏乃「呼んだ希望辿って止めた世界を超えた」 淡「諦めない想いいつしか心繋げた」 穏乃「泣いていたって笑って」 淡「明日迎えに行こう」 淡「決めた誓い辛くて倒れても」 穏乃「君のココロを守るため」 穏淡「君の側にいよう」 シーン…… ワー! ワー! パチパチパチパチ イイゾー! フタリトモカワイイー! 最早、収拾不可能なほどのどんちゃん騒ぎに発展していた。 3人寄れば姦しいとは言うがその3倍近い人数が集まるとこれ程の騒ぎになるのか。恐るべきパワーだ。 憧「Zzzz……ん、…………」スースー と言うかこいつもこの状況でよく寝ていられるな。実は起きてるんじゃないのか? 憧「ん、んん……」 そう思った矢先、先程まで大人しく寝息を立てていた憧がモゾモゾと身動ぎしだす。 憧「ん、ふわぁぁ~~…………あれ、あたし? なにして?」ゴシゴシ 憧「うん?」キョトン 京太郎「おはようございます」 メインシステムパイロットデータの認証を開始します。 憧「お、おはよう……」 メインシステム通常モードを起動しました。これより作戦行動を再開、あなたの帰還を歓迎します。なんつって。 憧「ん……?」ゴソゴソ ここで状況を整理しよう。俺と憧は今ほぼ一分の隙もないほど密着している。それはもうお互いのまつ毛の本数が数えられるほどだ。 なにかで見た恋人の距離が10cm、あれ5cmだったっけな? まぁとにかくそんなものを超越した至近距離である。しかも仲良く同じタオルケットに包まっている。 憧「…………!?!??!?!!?!?!////////////」プシュー!! 見てわかるほどに憧の顔が急沸騰。あ、なんか嫌な予感。 憧「きゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドゴォッ!! 右腕のミサイルが俺の鼻っ柱に突き刺さった。 そこは普通に女の子らしくビンタとかじゃないんですか? 憧「ごめん! ほんっとごめん!」ペコペコ さっきからこの調子で謝りっぱなしの憧。 京太郎「いや、いいよ。大丈夫だから」 憧「でも……」 京太郎「いや、お前はいい。いったん置いとくいったんな? だからいい」クルッ 京太郎「…………………………君達だよ」 「「「「「「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「なんか、俺が憧の鉄拳を受けた瞬間『これが見たかった!!』みたいな顔しやがって」 久「あはは、いやーしかしなかなかいいのが決まったわね」 部長が顎先を撫でながら俺の鼻の頭をまじまじと見つめる。 菫「ふむ、これ程のヘヴィパンチャーはそうはいないな」 弘世先輩がうんうんと関心している。くそ、あなたはこっち側だと思ってたのに!! 晴絵「まぁあれね、予定調和って奴?」ケラケラ この人本当に教師か? 教員免許偽造とかじゃないだろうな? 穏乃「憧は男の子に免疫無いからね~。まぁ仕方ないっちゃ仕方ないよね」 穏乃「けど、京太郎には結構心許してるみたいだよ?」ヒソヒソ 耳元で小さく耳打ちする穏乃。 京太郎「ほっほぉ~~~~~う」ニヤニヤ 憧「うっわ、嫌な笑い」 咲「……」 淡「むぅ……」 玄「あうあう……」ソワソワ 久「さーて、見るもの見たし片付けしてみんなお風呂にでも行きましょうか」 最早、大晦日の年越しの感覚か? 「年明けたし寝よう」みたいな。 京太郎「あ~あ~、まったくこんなに散らかして……」 これが合宿の間ずっと続くのか…… まったくもって前途多難だ。 咲「だからね? えっとここでカンすると、次で嶺上開花を和了れるから……」 京太郎「……」 優希「タコスだじぇ。タコスを食べれば配牌もツモも良くなるんだじぇ」 京太郎「……」 久「須賀君も悪待ちやってみたら? あなた幸薄そうだし逆を突いてみるのもいいかもね」ケラケラ 京太郎「……」 照「京ちゃん京ちゃん。明日のおやつはホットケーキがいいな」 京太郎「……」 淡「だから、こう……フッ!って力を入れると配牌でテンパッてるから初手ダブリーぶっぱで後はカンして和了だけ。ね、簡単でしょ?」 京太郎「……」 尭深「各局の第一打がオーラスの配牌として戻ってくるからそれを意識して打つといいよ」 京太郎「……」 誠子「とにかく鳴くんだ。鳴けばいい」 京太郎「……」 穏乃「目の前の山を踏破すれば良いんだよ!」 京太郎「……」 玄「ドラです。ドラを集めるのです」 京太郎「……」 宥「あったかい牌がね、いっぱい集まると手がとってもあったかいんだよ?」 京太郎「……」 灼「ボウリングの技法を取り入れて筒子多面張で」 京太郎「……」 晴絵「須賀君って10回に1回くらいの確率で不要牌ツモるよね。あはははは」 京太郎「……」 京太郎「お前らみんなアホッ! 死ねばいい!」ダッ 菫「逃げたぞ、者共! ひっ捕らえろ!」 和「須賀君! 気持ちはわかりますがここで逃げてはダメです」ガシッ まこ「あれらは例外じゃ。もっと普通に、普通にやれば良いんじゃ」ガシッ 憧「本質的にダメね。この男」 久「軽いコントも終わったところでお風呂でも行きましょうか」 まこ「相変わらず切り替えが早いな。お前さんは」 久「喜びなさい。なんとこの旅館、温泉があるのよ」 京太郎「お! 良いッスね温泉」 女性陣「……」シラー なんか酷い誤解を招いてる気がするが。 京太郎「あの、一応言っときますけど別にそんな皆さんが思ってるような下心とか無いですからね」 ってか温泉に反応したのにあの目。普段からそういう思われてんのかな俺って。 和「須賀君は温泉好きなんですか?」 京太郎「温泉ね。まぁ人並か、より上くらいには好きよ」 咲「気持ちいいよね。温泉」 京太郎「そうそう。『日本人たる者、心の郷愁を覚えずにはいられないな!』って宮守のエイスリン先輩も言ってたしな」 久「あの娘確かニュージーランド出身よね?」 憧「一応釘刺しておくけど、お風呂覗こうなんて考えたら……わかってるわね?」ジト 京太郎「ああ? この俺が? 覗き?」 京太郎「随分と低く見られたもんですな?」 っていうか、人の肩で好き放題寝息立てといてよう言うわ。 京太郎「俺がそんなさもしい真似をするとでも思ってるんですか?」 憧「言い切ったわね。信用していいの?」 京太郎「おう、覗きなんて卑怯な手段は使わない」 京太郎「正面から堂々と一緒に入る!」バーン!! ――――― ――― ― 京太郎「ちくしょう! 冗談なのに! 解けちくしょう!」 ビッタンバッタン!! 憧のヤロー両手両足を縄で縛った上にその上からさらに布団でグルグル巻きの簀巻きにしやがった。 仮にそこは大譲歩するとして廊下に放置するのやめてもらえませんかね? 玄「ふぇぇぇぇ」ビエーン 京太郎「玄さん、俺のために泣いてくれるんですか?」 玄「ごめんね。京太郎君、私に力が無いばっかりにこんなことに」グスン そう言いながら玄さんは無造作に放り出されていた俺の頭部を自らの膝に乗せてくれた。 後頭部に感じるこの柔らかさと温かさ。 そしてこのアングルから見える双丘のなんとすばらなことか。 京太郎「玄さん、行ってください」 玄「ふぇ?」 京太郎「俺はここまでみたいです。しかし同じ志を持つ者として玄さんには先に進んでもらいたいんです」 玄「で、でも……」 京太郎「泣いても、後悔しても、それでも前に進めってあんたはあの準決勝でそう決めたなんじゃなかったのか!?」 玄「それは……」 京太郎「じゃあ行けよ! 行って思いを遂げろ! 俺の心はいつでも一緒にいるから」ニコ 玄「っ……」ゴシゴシ 玄「わかりましたのだ!」ガバ 決意を宿した瞳を湛え、玄さんは勢いよく立ち上がる。同時に俺の頭部が廊下の床に激突、鈍い音を上げる。 いって…… 玄「松実玄、行ってまいります!」ビシッ 京太郎「あの、でももしどうしてもって言うならここで俺の話し相手になってくれてもいいですよ?」 京太郎「俺なんも出来ないですけど、しりとりくらいなら、」 玄「待っててね! おもちパラダーイス!!」ドヒューン! 京太郎「出来ま………………はえぇ……」 しばし一考。 京太郎「縄解いてもらえばよかったな」ビタンビタン 温泉 淡「それワシャワシャ!」アワアワ 優希「あはははくすぐったいじぇ淡ちゃん!」ワシャワシャ 晴絵「ああ~五臓六腑に染み渡るわ~」 憧「ハルエ年寄りくさぁ」 晴絵「はっ、あんたらもね二十を過ぎればこうなんのよ。せいぜい覚悟しておくことね」 憧「うわ、嫌だな」 晴絵「若い若い若さ漲るパワー最高っ」 和「気持ちいですね」バイーン 照「」テルーン 尭深「はい」バイーン 照「あの、お願いだから2人とも私を挟んで座らないで」ザバザバ 和「行ってしまいましたね。どうしたんでしょか」 尭深「さぁ?」ハテナ まこ「京太郎には悪いことしたかもな。なにもあそこまでせんでも」 久「うーん…………面白いから許す!」 まこ「相変わらず辛辣じゃな」 みんなが風呂に行ってからそれなりに時間が経った。 京太郎「うーん……」ゴロゴロ 身動き出来ないのはいいが退屈なのは簡便してもらいたいな。 京太郎「うーん……」ゴロゴロゴロ プ~ン…… 京太郎「この音は……」 蚊「やぁ」 ちくしょう! なんか来やがった! やめろ、やめて来ないで! プス あ…… 眉間を刺された。 どうする! どうする!? 京太郎「だぁー!」ドゴッ 手が使えない俺は咄嗟に壁にヘッドバットを叩き込んだ。 プ~ン 蚊は血を吸うだけ吸うと、何事も無かったかのように去って行った。後には痒みと痛みと簀巻き俺だけが取り残された。 このやり様の無い、言葉では言い表せない虚しさと悲しさ。 そしてなにより眉間が痛い痒い痛い痒い。 今、この両手が自由なら眉間を掻き毟ってしまいたい。 だが出来ない!! 目の前にあるのは床と壁。 ふと、その壁がとても魅力的見えた。 この痒みを抱えた額を擦り付ければどれだけ気持ちいいだろうか。 いかんとてもいい案に思えてきた。 けどそうれはどうだ? 人としてのなには大事な尊厳的なものが瓦解するんではなかろうか。 しかし背に腹はかえられない。俺は人間を捨てる! ゴリゴリ、ズリズリ ああ、俺、今すごく気持ちいい。 ちょっと気持ちよがり過ぎな気もしなくも無いが。 カラーン 京太郎「え?」 咲「京、ちゃん……」 京太郎「咲?」 乾いた音が響き、そちらに目を向けるとそこには風呂上りの咲が立っていた。 音源はどうやら手に持っていた風呂桶を落っことしたためらしい。え? 普通備え付けのがあるだろ。まさか自前? 咲「京ちゃん!」ダッ 咲「ごめん、ごめんね。辛かったんだね? 苦しかったんだね?」 なに言ってんだこいつ。 咲は一生懸命、俺に巻かれたプーロ……違う。ロープを解いてくれる。 京太郎「え、なに? …………ああ」 なるほど、客観的に見て今俺は簀巻きのままデコを壁に押し付けててなにはやっている状態だったのか。 …………………我ながら頭おかしい。 咲「大丈夫? 頭」 言葉だけ聞くと心配されてるのかバカにされてるのか判断に困るな。 なぜかまったく意図していなかった幼馴染の同情を買うことに成功してしまった。 今思い出しても恥ずかしい。死にたい。 俺と咲はマブだ。 ここに集まってるメンバーの中でもっとも付き合いが長い古馴染みだ。 お互いの結構恥ずかしい失敗談なんかももちろ知ってる。 だからこそ逆に見られた無かった。 これからしばらくの間、あの雨に濡れた捨てられた仔犬を見るような憐憫の眼差しで見つめられるのかと思うと、 悔しさと悲しさで枕を濡らさずにはいられなかった。 京太郎「う~ん……」ゴロゴロ 京太郎「う~ん…………」ゴロゴロ なんとなく寝付けずに自室(仮)を右往左往。 右往左往っていうか狭い上に寝転がっているので言うほど動けないんですがね。 興奮して眠れないとか、しかも前日でもなく当日とは。小学生とも言えない謎の感性。 コンコン 京太郎「ん?」 小さく響いたノックの音。こんな時間に? トイレに立った咲が道に迷ってたまたま通りかかったから泣き付きに来たか? 俺はのそのそ起き上がりずれた寝巻きを正しつつ戸を開ける。 京太郎「はいはいどちら様?」 和「こんばんわ♪ 須賀君」 そこにいたのはチームメイトの和だった。 意外な人物に思わず目を丸くする。 京太郎「和? どうしたんだこんな時間に」 和「ふふふ」トン 京太郎「え?」 俺の疑問に答えず、軽く胸を押される。 それほど強い力でも無いのに抗えない何かに気圧されるように、俺は一歩、自室(仮)に後退る。 一歩引いた事でその分、和が一歩踏み込む。 踏み込んだ勢いのまま和はゆるゆると俺の身体に両腕をまわしてきた。 京太郎「の、和……?」 行き成りの事で事態が飲み込めない。 それと抱き締められる事で押し付けられるあれこれが、なんというか、その……すごく柔らかいです。 和「やっと、やっと……この時が来ました」ギュゥ 京太郎「は? いや、あの……」 和「須賀君、いえ京太郎さん……」 下の名前で言い直しながら潤んだ瞳で見上げてくる。 ゴク 正直、堪りません。 和「ずっとこうしたかったんです」ギュウ そういっていっそう身体を強く押し付けてくる和。 おいおいおい、これってもしかしてそういうことなんですかね? 京太郎「それってその……和は俺のこと?」 和「はい。ずっとお慕いしてました」 遂に来ちゃったかぁ~俺の時代が。 京太郎「あの、いやでもほら。ここ合宿場で他にみんなとかいるし」 和「京太郎さんは、私のこと嫌いですか?」 京太郎「もちろん好きだよ。好きか嫌いかって言われりゃもちろん好きだけど、でもたぶん和の言う好きとはたぶん違うって言うか」 たぶん俺の好きは麻雀に、そしてそれ以外にも真剣に向き合う憧れ的なもので。 それに俺には咲が…………あれ? 俺なんで咲に義理立てしてるんだっけ? よく考えりゃ咲とか別にどっちでもよかった。俺は「ちょっと!?」っとむくれる幼馴染の顔を遠投で遠くに追いやる。 和「…………ん」 これは…… 目を閉じ、そっと唇を上に向けている。つまりそういう事で良いんですよな? ってか、今更だけど憧れてた女の子が夜自分の部屋に逆夜這いをかけに来るなんて、 こんな男心をくすぐる様な俺好みな展開は強引過ぎるって言うかまるで夢見たいな……え? 夢!? 和「ピピピピピピピピピ……」 あ、夢だこれ。 ――――― ――― ― pipipipipipipi ムクリ ゆっくりと上体を起こし、鳴り止まぬ目覚まし、っというかケータイのアラームに手を伸ばす。 頭を掻きながらあたりを見回すと、まぁ当然だが自室(仮)の布団の上だった。 カーテン越しに差し込む薄白んだ明かりからするともう朝らしい。いつの間にか寝てたようだ。 立ち上げってカーテンを開き、窓を開け放つ。 京太郎「夢ならもっといろいろサービスしてくれよぉぉぉぉぉ!!!!!!」 京太郎「っていう夢を見たんですけど、どう思います?」 菫「そのいかがわしい夢の話を何故私にする?」 京太郎「誰でもいいからブチ撒けたかったんです!」 菫「バカか君は」 一刀のもとに斬って捨てられた。 確かに自分でもちょっと頭悪いかなって思わなくもないけど。 淡「むぅ……」グデーン それとさっきから俺の背中に乗っかってくるのが1人。 京太郎「なんなのさっきからあなたは?」 淡「な~んで私じゃなくてノドカが夢に出てくるの!? 私の夢を見ろ!」 京太郎「はぁ? お前、俺が夢を自在にコントロール出来る系の能力者かなにかと勘違いしてないか?」 京太郎「もしそうならもっとこう、……さぁ」チラ ついつい視線がおも、渋谷先輩の方へと引き寄せられてしまう。 尭深「ポッ(棒)」 淡「なんか見詰め合ってるー! タカミーも満更じゃない感じだしてるー!」アワーン! 尭深「お茶美味しい」ズズ 淡「とにかくキョータローは今晩は私の夢を見ること!」 京太郎「前から思ってたけどお前なんでそんな偉そうなの? どこの立場の人間だお前は」 淡「そうだ! 枕の下に写真入れるとその人の夢が見れるっていうよね」 京太郎「ああ、まぁ言うな。思いっきり眉唾だけど」 淡「写真、写真を撮ろう!」 京太郎「言うけどカメラなんて無いぞ?」 淡「んーと、んーと……そだ! ケータイで撮ろっと」グイグイ 京太郎「……」 ノータッチ。 淡「さっさと屈め! このジャイアントバーバリアン一族!」グイグイ どこの部族だ。 腕に抱きついて引っ張ってくる淡に急かされ、俺は頭の位置がちょうど同じくらいの高さになるように腰を屈める。 淡「イェイ~ ピースピース♪」 京太郎「はいはいピース」 ピロリン 淡「やったー!ツーショット! 待ち受けにしよーっと。見て見てテルー!」タタタ 枕云々の話はいいんだろうか? 敢えて突っ込もうとは思わないが。 京太郎「淡はバカだなぁ」 まぁそういうとこ嫌いじゃないけどね。 照「京ちゃん京ちゃん」ツンツン 突然背中を突かれる。 京太郎「? 照さん?」 照「私も、写真」フリフリ どうやら淡のツーショットが羨ましいらしく、自分も自分もと言った具合にケータイを振ってみせる。羨ましいか? 京太郎「ん、わかりました。使い方わかりますか?」 照「む、京ちゃんは失礼。お姉ちゃんはけーたいでんわくらい使えます」 照さんは昔からこのお姉ちゃんアピールを俺に対してよくしてくる。 照「えっと、えっと……」アセアセ 京太郎「やりましょうか?」 照「う、うん……///」 ケータイの操作がわからなくて四苦八苦してる照さん萌。 違うそうじゃない、照さんからケータイを受け取り慣れた手付きで操作する。 今時ガラケーかよと思わなくも無いが照さんらしいといえばらしいのでなんとなく微笑ましい。 照「ごめんね。私こういうのぜんぜんダメで……」シュン 京太郎「……」ナデナデ 照「き、京ちゃん!?」 京太郎「はっ!? すいませんつい」 しょげてる照さんがなんと言うか庇護欲を誘うのでつい反射的に頭を撫でてしまった。 咲とか穏乃とかにもついやってしまうのだが、憧なんか言わせれば気安くそういうことをするのダメらしい。よくわからん。 照「もっと撫でていいよ……」 京太郎「え?」 照「頭……」 京太郎「あ、ああ! 頭ね」 ナデナデ 照「///」テルテル 京太郎「……」 うむ、なんともすばらな手触り。 しかし、この先端の……なんだこれ? この鋭い部分はなんなんだろうな。 咲にもあるんだよな、宮永の血統なのだろうか? そういえば以前、薬局に寄ったとき咲が『超強靭ワックス!!戦闘民族専用』とかいうのを買っているところを目撃してしまった。 結果の程は推して知るべし。 照「京ちゃん、そろそろ」 京太郎「おっとそうでした」 脱線してしまった。当初の目的を思い出し照さんと肩を並べる形で身を寄せる。 なんだろう。なんか照れる。 京太郎「いいですか? 撮りますよ」 照「う、うん///」 ピロリン 京太郎「淡みたいに待ち受けにしますか?」 照「うん。お願い」 京太郎「了解ッス」カチカチ 京太郎「はい、これでオッケー」 ケータイを照さんに返し出来栄えを確認してもらう。 照「ありがとう。京ちゃん」 柔らかくはにかむ照さん。可愛い。 京太郎「どういたしまして、お姉ちゃん」 急須に茶葉を入れる。ケトルから湯のみにお湯を注ぎ冷めるのを待つ。 その間に、鶴口ポットで沸騰させておいたお湯を、ネルドリップでむらしを行いながら外から円を描くようにサーバーに注ぐ。 注湯の茶色の濃さを見つつ、適度なところで手を止める。コーヒーはこれで良し。 冷ましておいた湯を急須に注ぎ、再び湯のみへ絞るように注ぎきる。 マグカップを5つに湯のみを1つ、ミルクの容器、砂糖の容器、それからもう一つをお盆に載せお嬢様方が待つ席へ向かう。 まずは、 京太郎「どうぞ、渋谷先輩。今日は深蒸し煎茶にしてみました」 尭深「ありがとう。須賀君」ニコ 白糸台屈指のお茶マイスターである渋谷先輩に本人愛用の湯のみを目の前に置く。 唯一のお茶なので最初に渡しただけで、ゆっときますけど俺の好みとかは関係ないですからね? 京太郎「亦野先輩はブラックでしたよね」 誠子「ありがとう。うん、良い香りだ」 亦野先輩はコーヒーをブラックで飲む。この年代の女子学生にはなかなか珍しい好みだと思うが、 本人によると「夜釣りなんかのときに眠気覚ましに飲んでたらブラックじゃないと飲めなくなった」らしい。 相変わらずワイルドな人だ。 照「京ちゃん京ちゃん」 淡「キョータローキョータロー」 京太郎「はいはい、今行きますよ」 二大甘党の前にそれぞれマグカップを置く。 京太郎「照さん、砂糖の数は?」 照「3つ!」テルテル 京太郎「はいはい」 苦笑しつつ、角砂糖を3つ投入しミルクをたっぷり注ぐ。 京太郎「どうぞ」コトッ 照「ありがと、京ちゃん」 京太郎「淡は……」 淡「苦……!?」 聞く前からすでに飲んでいた。そんでもって苦さに顔をしかめていた。 京太郎「お前は……ホント、バカだなぁ」 淡のカップに砂糖とミルクを足しつつ用意しておいた茶菓子を前においてやる。 淡「あむあむ、あんでコーヒーってこんな苦いの?」ポリポリ 京太郎「だから紅茶にするか? って聞いたんだろうが……ほら」スッ 淡「ん……ズズ ……あわーい」ニパァ 京太郎「はいはい、甘い甘い」 最後に弘世先輩の前にカップを持っていく。 京太郎「お待たせしました。先輩」 菫「いや、ありがとう。いつもすまないな」 京太郎「いいですよぉ。好きでやってんですから」 京太郎「先輩はミルクと砂糖は?」 菫「そうだな……」チラ 僅かに亦野先輩の方に視線を送る。 実は弘世先輩も照さん達程ではないがなかなかの甘党である。だが、後輩がブラックで飲んでる手前あまりそれを見せたくないらしい。 もうみんな知ってますよ? とは言ってはいけない雰囲気。一見クールに見えて結構可愛い人だよね。 京太郎「じゃあこれはどうですか?」 俺はお盆に残されていた最後の一つを弘世先輩の前に差し出す。 菫「なんだこれは?」 京太郎「塩です」 菫「なんだって?」 塩。塩化ナトリウム。NaCl。舐めるとしょっぱい。白い粒。 菫「なぜ塩なんだ?」 京太郎「それはコーヒーに入れるためですよ」 淡「塩ってコーヒーに入れるものなの?」 横から淡が口を挟んでくる。 言葉にはしないが他の3人も興味深げにこちらも伺っている。 京太郎「弘世先輩はコーヒーに塩を入れて飲んだことはありますか?」 菫「いや無いが」 淡「コーヒーに塩なんて、ただでさえ苦いのにその上しょっぱくなっちゃったらますます美味しくないと思うな」 照「……」コクコク 京太郎「そうかな? 世界にはコーヒーに塩を入れて飲む地域だってある」 京太郎「そこに住み人たちにはコーヒーは塩で飲むのが常識で、逆に砂糖やミルクを入れる方が非常識ってことになる」 俺が今言ったセリフとまったく同じことを昔ある人に言われたことがある。 ― ――― ――――― 京太郎「コーヒー入りましたよ、部長。インスタントですけど」コト 久「ありがと」 短くお礼を言いつつ、部長は俺の手からマグカップを受け取る。 久「ん……」ズズ 久「これはブラック?」 京太郎「はいそうですけど。部長ってブラック派じゃありませんでしたっけ?」 以前にふと見かけた飲み差しのカップはそうだったと思うのだが。 久「ふふ、私は塩派よ」 京太郎「は? 塩?」 なに言ってんだこの人? 前々から変な人だとは思ってたけどまさかここまで極まってたとは…… 久「意外かしら? けど世界にはコーヒーに塩を入れて飲む地域だってあるわ」 久「そこに住み人たちにはコーヒーは塩で飲むのが常識で、逆に砂糖やミルクを入れる方が非常識ってことになるわね」 京太郎「まぁ……」 そうでしょうけども。 久「ところでコーヒーにミルクを入れるとコーヒー牛乳になるけど、紅茶にミルクを入れると紅茶牛乳じゃなくてミルクティーになるわよね」 久「このミルクティーを作るとき紅茶とミルク、どちらを先に入れるかというここ何百年もの間、未解決な命題があるの」 久「これについて須賀君はどう思う?」 京太郎「いや、どうって言われても……っていうかまたテレビかなんかの雑学ですか?」 久「話のネタにはいいでしょう?」 ~数日後~ 京太郎「部員集まりませんね」 久「まぁそんな簡単に集まったら苦労しないわね」 京太郎「2年の先輩の、えぇっとなんて人でしたっけ? その人を連れ戻すって話は……」 久「染谷まこ、ね。そうねぇ須賀君もやっとルールを覚えてきた頃だしそろそろ突撃しようかしら」 京太郎「は? 突撃?」 久「まこの実家の麻雀喫茶にね」 京太郎「その先輩のご実家喫茶店なんですか?」 久「そそ、それもあって部活離れしてたってとこかな」 京太郎「はぁ……」ポカーン 久「よし! じゃあ行きましょうか」 京太郎「え? もしや今から?」 久「もちろん! 思い立ったら吉日って言うでしょ?」 京太郎「この場合は行き当たりばったりの方が合ってるような」 久「いいから来る!」 京太郎「わかりました! わっかりましたよもう!」 久「っと、その前に……」ズズ、コクン 久「ん、良い塩加減。やっぱり須賀君の入れるコーヒーが1番美味しいわね♪」ニコ ――――― ――― ― 京太郎「っと、つまりゆで卵に塩をかけて食べるように、コーヒーに塩を入れて飲んだら意外と美味しいかも」 京太郎「って俺はそう言いたい訳ですよ」 俺の話をふんふむと聞いていた一同。 俺が話し終えると、そこで口火を切るのも白糸台チーム虎姫賑やかし担当の淡・大星。 淡「ん~、けど私、ゆで卵にはマヨネーズなんだけど」 しばし一考。 京太郎「なるほどマヨネーズか……」 マヨネーズ、コーヒーにマヨネーズか。 マヨネーズinコーヒーを想像しながら自分の分に口をつけるとなんと言えない味が広がる。 どうしようか迷った末、苦々しい表情をしながらなんとか飲み込む。 菫「塩のコーヒーか……」 呟きながら、塩の小瓶から一匙掬い自分のコーヒーへ。 俺の長話の所為で少し温くなったコーヒーをかき混ぜ、一口啜る。 菫「ふむ……」 京太郎「どうですか?」 菫「あまり美味しくないな」 部長、どうやらここでは塩は非常識に分類されるようです。 京太郎「……」ペラッ 午後の昼下り。俺は1人でソファーに腰を沈めながら読書に耽る。 こう見えても俺はそこそこ本を読む。っというのもまぁ単純に身近に重度の読書家がいてそいつがあれこれと熱心に勧めてくるので、 いつの間にかそういう習慣が身についただけで、別に瀟洒を気取ってるとか知的さを振り撒いて女の子にモテたいとかそういうことじゃ…… いや、すんません。ちょっとだけ期待してました。 京太郎「…………」ペラッ ガチャ 淡「……」キョロキョロ 淡「あ! キョ、っ……」 扉が開き顔を覗かせたのは、ここではもう見慣れたメンバーの1人。 一瞬だけ顔を輝かせ俺の名前を呼び掛けるが、こちらが本を読んでいたことに気付くと慌てて口を噤む。 淡「……」タタタ ボフ 俺が座っていたソファー、その右横に勢いよく腰を下ろす淡。 俺は特に無い言及せず読書を続ける。 ちなみの俺は学校の授業や、こういった読書の時に俺はメガネをかけている。 オススメというだけありつい内容に引き込まれて夜中に暗がりで熱中して読みふけっていたら 最近少し視力が下がってきてしまったからだ。 晴れてメガネデビューを果たした俺がそれについて部内でからかわれた事もあったのだがそれについては今は割愛。 淡「キョータローってメガネ掛けてたっけ?」 京太郎「ああ、ちょい前くらいから」 知っての通り普段は掛けてないから未だにこうやって驚かれたりすることもままある。 京太郎「頭良さそうだろ?」 淡「うん! 知性があるように見える」 京太郎「……」 お前もっと言葉を選べよ…… 内心で呆れつつ再び本に視線を戻す。 淡もそれ以上なにも言わず、裸足のつま先にスリッパを引っ掛け楽しそうに脚をパタつかせているだけだった。 淡「~♪」 淡は特になにかをするでもなにかを話すでもなくただ俺の隣に座っているだけ。 それにしてはいやに機嫌が良さそうだ。 俺が読んでいる本は文庫本サイズ。 それを左手で持ち替え、空いた右手でメガネのフレームを押し上げつつ隣に座る淡の頭に手を伸ばす。 京太郎「……」ナデナデ 淡「! にゅふふ~♪」 頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細めながら、満足気に声を漏らす。 淡「ねぇねぇ、それなに読んでるの?」 けどやっぱりというか堪え性が無いため質問を投げかけてくる。 京太郎「官能小説」 ズサササ! 思いっきり距離を取られた。 京太郎「いや、あの冗談ですよ?」 さすがにながらでいられないので落としていた視線を上げ淡に顔を向ける。 淡「な、なんだ冗談か~」 淡「もうもう! キョータローのジョーダンは質が悪いよ!」プンスコプン 京太郎「そうむくれるなよ。大体お前こそなんだその反応。いつもならここからもう一言二言遊ぶだろ?」 淡「それはまぁ……そうだけど」 まだ少し警戒の色を残しながらおずおずと元の位置に戻ってくる。 淡「それでなに読んでたの?」 京太郎「フランス書院」 淡「なにそれ?」 京太郎「いややっぱ今の無し。普通のミステリー小説だよ、ほれ」 ページを閉じてしまわないように気を配りながら淡の方に向ける。 淡「ふ~ん、あ! これ知ってるこないだテルーが読んでた奴だ」 京太郎「へぇ照さんがね」 ってことは照さんから咲に、そんで俺にといった感じだろうか? 読み切ったら是非語り合いたいな。 淡「なんか実は、真犯人の共犯者が主人公の弟だったとかって驚いてた!」 京太郎「え……」 淡「それで、えっとえっとなんだっけ……キョータロー?」 京太郎「まだ、そこまで読んでない……」 淡「え、あ!? あわわわわわわ……ごご、ごめん!」 京太郎「いや、いいけど……」 俺は本を閉じ、ソファーの肘掛けにぐったりとうな垂れる。栞を差し込む気力も無い。 京太郎「冷水ぶっ掛けられた……」ガックシ 淡「もーごめんって! キョータローってばー!」アワアワ! 京太郎「うえぇ、さっぶ……」ガタガタ 湿った肩を自分で抱きながら、全身に纏わりつく寒さをなんとか誤魔化そうとする。 京太郎「ちくしょうついてな、ふぁ……っくしゅん!!」 あー、ついてない。まさか外の水道が老朽化していて捻った瞬間爆発しようなどと誰が予測出来ようか。 濡れた前髪が顔面に張り付いてなんとも不愉快だ。 着替えを片手に暖簾を潜り、浴場へ続く脱衣所への戸を開ける。 ガラララ 穏乃「うん?」 京太郎「…………え?」 そこにいたのは生まれたままの姿の高鴨穏乃だった。 京太郎「す、スッポンポンのポンポコポーン……」 穏乃「おっす京太郎。京太郎もお風呂?」タタタ 京太郎「前を隠せぇぇぇぇーーーっ!!」 俺は絶叫しながら手から着替えの袋が落ちるのも気にせず、両手で顔を覆いながら穏乃に背を向ける。 京太郎「すすすす、すまん! すぐ出るから」 穏乃「えー京太郎お風呂入りに来たんじゃないの? なら一緒に入ろうよ」 出来るかボケェ!! 穏乃「ねー聞いてる?」グイグイ 京太郎「ちょ、おおい!? なに引っ付いてきてるの!?」 穏乃「って、京太郎ビショビショじゃん! 早く温まらないと風邪引くよ!」 そういって入り口付近で二の足を踏んでいた俺をズルズル引き摺っていく。 なにこのパワー!? 京太郎「ちょ! やめて、俺今あの、あれ! すごい、極限状態だから!」 穏乃「なにゴチャゴチャいってるの! ほら早く!」 京太郎「大体、穏乃! お前俺に一瞬とは言え裸見られてんのにそれについてはなんかないの!?」 穏乃「ん~?」 穏乃の視線が自分を見下ろし、それからゆっくりと正面に戻ってくる。 穏乃「わああああああああああああああああ!?!?!??!!!////////////」 パタパタパタパタ 突然の足音。 シズ~ドウカシタノ~ 戸口の向こうから聞こえたこの声は、……憧!? やばい、この状況。バレればあの、えぇっと……とにかくとんでもないことになるよ!? 穏乃「な、なんでもな~い! ちょっと滑って驚いただけー!」 京太郎「!?」 キヲツケナサイヨ~ 穏乃「わかった~!」 パタパタパタ…… 足音が遠ざかっていく。 シーン…… 残ったのは静謐。 京太郎「じゃ、じゃあ俺出直すからまた後で……」 穏乃「ダメだよ! 風邪引くって」 京太郎「だけどお前なぁ」 穏乃「私は大丈夫、平気……だから///」 京太郎「はぁ……わかったよ」ポン 俺はなるべく穏乃の裸体を見ないようにしつつ頭に手を載せる。 穏乃「あ……」 京太郎「そんかわり、お前は先浴室いっとけぶっちゃけ今の穏乃のが風邪引きそうだ」 穏乃「あ、うん!」パァァ 勢いよく頷くと穏乃は勢いよく駆けていく。 途中でホントに足を滑らせかけ「どえぇぇぇ!?」などと女の子が口にするにはいささか奇特な声を漏らしながら、 浴場へ繋がる戸口へ消えていった。 京太郎「あいつ、俺がこのままバッくれるとか考えないのかな?」 カポーン 鹿脅しに似た幻聴が聞こえる。 京太郎「…………」ボケェー 穏乃「…………///」ポー 俺と穏乃は近すぎずさりとて遠すぎず、微妙な距離を保って肩を並べて湯船に浸かっていた。 あのまま逃走も考えたがそれはそれで後からなに言われるかわからないので大人しく穏乃の意向に従うことにした。 京太郎「…………悪かったな」 穏乃「なにが?」 京太郎「不可抗力とは言えその、なんだ……裸見ちゃって」ポリポリ 穏乃「あ、ああ! うんまぁ、私も悪かったし。別に」 京太郎「そうか? そう言ってくれると助かる」 穏乃「うん。それに恥ずかしかったけど、京太郎になら別に嫌じゃないって言うかブクブクブク……」 京太郎「は?」 穏乃「なんでもない! なんでも///」 京太郎「いや、今……」 穏乃「私逆上せたみたい! 先に上がるね? それじゃ!」 バシャ、タタタタ 京太郎「ちょ、おおい。だから走るなって! ……聞いちゃいねぇ」 一人残された俺は、何の気なしに天を仰ぐ。 京太郎「あー……」 両手で湯船を掬い顔に思いっきり叩きつける。 去っていく穏乃の顔が赤く見えてのは果たして本当に逆上せたからだったのか。 そして俺自身のこの顔の熱さも。 俺の疑問はその答えを得る事無く、熱い水面に落ちて溶けた。 玄「京太郎くん」 京太郎「玄さん?」 玄関で上履きから外履きに履き替えているところへ後ろから声をかけられた。 振り返ると白いワンピースにつば広の帽子を被った玄さんが立っていた。 玄「お出かけ?」 京太郎「はい、少し。玄さんもですか?」 玄「うん。少しお散歩」 京太郎「あ、じゃあそこまで一緒に行きますか?」 玄「お邪魔じゃないかな?」 京太郎「まさか。こちらこそ、お供させていただいてよろしいですか?」 玄「ふふ。うん、よろしくお願いします」 京太郎「あれ? 玄さん、髪……」 後ろに立たれていたときには気付かなかったけど並んで立つことでその事に気付いた。 玄「あ、うん。今日は熱かったから結んでみたんだ。へ、変じゃないかな?」 無茶苦茶可愛いです。この滾る感情を打ち明けたかったがまぁここは紳士・須賀としてね。その名に恥じぬ振る舞いをしようか。 京太郎「無茶苦茶可愛いです!! うなじがチラチラ見えてすごく興奮します!」 あ…… 玄「かわっ!?」 川? 玄「そ、そっかぁ~えへへ、そっか///」テレテレ よし! よし!! なんかわからないけど上手く誤魔化せた。 京太郎「そういえば聞くの忘れてたんですけどいいですか?」 玄「なにかな?」 並んで歩いていた玄さんにスッと一歩歩み寄る。 京太郎「おもちの方はいかがでしたか?」ヒソ 玄「! ふふふさすが我が同志。やはり気になしますか?」ヒソ 京太郎「そりゃあ」 玄「それで誰のおもちが聞きたいのですかな?」 どこか得意気な玄さん。 京太郎「ふむ。いろいろ聞きたいですがじゃあここは渋谷先輩で」 玄「ふんふむ。渋谷さんですか、大きさではやや和ちゃんに負けるけど張り、艶、そして柔らかさも申し分なく」 京太郎「柔らかさ!? 玄さん、あなたまさか……」 玄「触らせていただきました///」ポッ 京太郎「なん……だと……」 玄「ご本人に似てなんともやんごとなき手触りで」 京太郎「羨ましい!?」グギギ 玄(血涙……) 玄「やっぱり触ってみたいのかな? 男の子だし」 京太郎「そりゃ、いや……でも俺、学者タイプだし」 今度こそ紳士・須賀でいきたい。そう願って今を生きる。 京太郎「というわけで、宇宙飛行士タイプの玄さん。その辺りのいろいろはすべてお任せします!」ペッコリン 玄「おまかせあれ!」 そういって胸を張る玄さん。 京太郎「……」 うむ。すばら。 京太郎「それでじゃあ和は……」 玄「和ちゃんは、ガードが固くて……」 京太郎「ダメだったんですね」 玄「うん。タオルできっちり巻いてて、湯船に浸かるときもそれはもう神業の如く脱着も一瞬で」 京太郎「そうですか……」グヌヌ さすが和としか言いようがない。 京太郎「あ、じゃあ弘世先輩は……」 玄「弘世さん、か……」 玄さんが憂いを秘めた遠い眼をしてる。 玄「レギュレーション変更とはかくも恐ろしい」 京太郎「?」 それはまるで要領を得ない説明だった。 京太郎「しかし宥さんも含めてすばらなおもともちな方々揃ってなんともすばらですね! 玄さん」 後、玄さんも。とは口が裂けても言えない。 玄「ん、うん。そうだね」 玄(京太郎くんとおもちの話をするのはすごく楽しいけど、なんだろうおもちの辺りがもちもちする)モヤモヤ 京太郎「どかしました?」 玄「ううん。……京太郎くんはこの後どうするの?」 京太郎「俺ですか? そうですね、このまま街の方まで行ってついでに夕飯の買出しでもしようかなって」 玄「じゃあ荷物持ちとかいた方が良いよね! 私も一緒に行くよ!」 京太郎「そうですか? じゃあお願いします」ペッコリン 玄「こういうのもデートって言うのかな?」ボソ 京太郎「ふぁい? なんか言いました?」 玄「んーん。なんにも」 玄(もしそうなら) ギュウ 京太郎「ちょ!? くくく玄さん!?」 いきなり玄さんが俺の腕に自身腕を絡めてきた。そしてこの肘に当たる柔らかいものは…… 紳士が……! 俺の紳士が……!! 京太郎「な、なんでもないです……」 玄「ふふ、そっか」 玄(久し振りに会えたんだもん。ちょっとくらい大胆になっても良いよね?) 【おまけ】 ドドドドドドドド、バーン!! 京太郎「え? なに? なに事!?」 凄まじいラッシュの後、盛大に戸が開け放たれる。 穏乃「やっほー! 京太郎! 遊びに行こう!」 京太郎「は!? し、穏乃!?」 まるでパパスの様に現れたのは阿知賀女子の大将、高鴨穏乃。ぬおおおお。 突然だが状況を整理しよう。 現在ここは俺の自室(仮)、時間は早朝。そして今さっき起きたばかりの俺はまさに着替えの真っ最中。 しかも今日に限って自分でもなぜかわからないが下から脱ぎだしたので、 上は寝巻き用のTシャツで下は現在パンツ一枚という最悪の絵面でお送りしております。 京太郎「きゃあああああああああああああ!! いやあああああああああああああ!!」 穏乃「あ、ごめん。着替え中だった? って、うわ……京太郎の部屋狭いね」 あれ!? 意外と冷静…… 穏乃「じゃあ終わるまで待ってるね」 京太郎「あの、ちょっと……」 穏乃「ん?」 京太郎「お前、俺の渾身のボケをスルーするのやめてもらえません?」 穏乃「とりあえずズボンはいたら?」 京太郎「大体なんださっきのノック……ノック?」 京太郎「ゴエモンインパクトの殴りこみかと思ったぞ」 穏乃「だってこんないい天気なんだよ! 元気よくいかないと勿体無いよ!」 ガラッ 俺の横を通り過ぎ、閉められていた窓ガラスを盛大に開け放つ。 穏乃「」 ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー……………カキーン どこかで七色石が割れる音がした。 穏乃「え!? なにやだっ、怖いっ!?」ゴフ 穏乃「え? 京太郎こんな極限状態みたいな部屋に泊まってるの?」 京太郎「ああ、まぁうん。とりあえず窓から離れとけ」 ガラララ 穏乃「う、うん……後そろそろズボンはいた方がいいよ?」 京太郎「しかしお前、さっきのは無いんじゃないの?」 穏乃「なにが?」 京太郎「仮にも女の子が同年代の男子の着替えをうっかり覗いてしまった」 京太郎「ともすれば恥じらいの一つも見せて然るべきでは無かろうか?」 穏乃「ふ~ん……」 京太郎「こいつ、もしや自分ちに全裸の男とかいても『ふ~ん』で済ますタイプか……?」 穏乃「そんなこと無いよ。誰でもじゃなくて、京太郎だしまぁいっかなって」 京太郎「お、ふっふ~ん。そんな意味深なこといわれるとお兄さんちょっと穿った捉え方をしちゃいますよ」 穏乃「ん? よくわかんないけどズボンはかないの?」 京太郎「だいたいお前さぁ見ろよこの状況。このシャツの丈がもうちょっと長かったらアレだよ?お前とペアルックみたいになっちゃうよ?」 穏乃「ホントだ! 京太郎ジャージとか持ってないの? ペアルックで闊歩しようよ!」 京太郎「バカかお前は! 穏乃でもかなりギリギリのラインなのに俺がそんな格好してたら通行人腰抜かすわ! そんで補導されるわ!」 穏乃「じゃあズボンはけよ!」 京太郎「はいはい。今はきますよ、ちぇっ」 穏乃「なんでなんか私が悪いみたいな空気出してるの?」 京太郎「いやお前は悪いだろ。穏やかなこの朝のこの、……そういえばお前の名前にも「穏」って字が入ってるな」 それでこの性格か。穏やかさの欠片もないな。 京太郎「遊びに行くのはいいが、とりあえず朝飯食ってからな。お前なに食いたいよ?」 穏乃「う~ん……目玉焼き!」 京太郎「おう! 準備してくるから穏乃はみんなを起こしてきてくれ」 穏乃「わかった」タタタタ 元気よく返事をするとそのまま部屋をとび出していった。今のあいつは朝飯のことで頭がいっぱいなのだろう。 京太郎「扱いやすいのは良い事だ」 今日も騒がしい1日になりそうな予感はするが。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3473.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 京太郎「花火やるべー!」 穏乃「花火やるべー!」 優希「花火やるじぇー!」 淡「花火やるべー!」 ワーワー キャーキャー まこ「さっきの今で元気な奴じゃな」 久「まぁ、寝込むよりは良いんじゃないかしら?」 京太郎「先生、花火持ってくるなんてやりますね!」 晴絵「でしょう? もっと褒めていいわよ」 灼「煩わし……」 和「少々古めかしい花火ですね。パッケージの厚紙がだいぶくたびれてますけど」 晴絵「ああ、それ貰い物だから。1年寝かせたビンテージものなんだって」 穏乃「んー! んー!」グイグイ 玄「どうしたの? 穏乃ちゃん?」 穏乃「これ、口のビニールが固まってて開かない……」 憧「これ絶対1年じゃないでしょ!?」 シュゴォォォ 淡「あはは、見て見てキョータロー! すごいキレー」 京太郎「わかったからこっちに向けるんじゃねぇ!」 尭深「終わった花火はこっちにもらうね」 京太郎「あ、すみません渋谷先輩」 尭深「……」コクッ ジュッ シュー ワー ワー 尭深「……」 ジュッ シュー 憧「渋谷さん。これも」 尭深「あ、はい」コクッ ジュッ シュー 尭深「……」 誠子「尭深。それ、楽しい?」 尭深「割と」ニコ 玄「花火とは火薬に金属の粉末を混ぜ込んだもので、火を付けたときの燃焼、破裂時の音や火花の色を鑑賞して楽しむものです」 玄「それぞれ色が異なるのは混ぜ合わせた金属の種類による炎色反応を利用しているからですのだ」 和「詳しいですね。玄さん」 パシュ ジュゥ ゴー ボボボボボ 宥「あったか~い」 玄「ただし、うちのおねーちゃんのばやい、色や音や形ではなく火の勢いや発熱量のが重視されます」 京太郎「え? ちょ、え……そういう価値基準なの?」 憧「宥姉も普通に噴射花火で暖をとろうとしないで」 まこ「これは……」 咲「ロケット花火ですね」 まこ「ふ~ん……」 久「どうしたの? 不思議そうな顔して」 まこ「いや、わし。今までこれやったことないなと思ってな」 優希「お! じゃあやってみるか?」 咲「けどロケット花火やったことないって珍しいですね」 まこ「咲はあるんか?」 咲「私じゃないですけど、京ちゃんが」 久「須賀君?」 咲「はい。中学の頃に、クラスの男の子たちと鉄パイプの先端に挿して撃ち合いしてるのを他のクラスの子たちと見てまして」 まこ「どこまでバカなんじゃあやつは」 照「どうして染谷さんはロケット花火をやったことがないの?」 まこ「ん? いや、実はうちのおじいがなんかやったら街中大騒ぎになるとか言っとっての」 まこ「なぜかは知らんのじゃが」 菫「久。確か染谷さんのお爺様は……」ヒソヒソ 久「ええ、そういえば広島の……」ヒソヒソ 優希「仁義なき戦いだじぇ……」 咲「まぁ近くに民家もあまりないですし。一本くらいなら」 まこ「すまんの」 優希「手頃なものがないから空き缶でいいか?」 咲「うん」 シュッ ジジジ まこ「ん? なんでみんな耳を塞いどるんじゃ?」 パシュッ ヒュー パン! まこ「なっ、ええ!?」 まこ「げ、迎撃されたんか!?」 菫「いや、ああいうものなんだよ」 久「はっ!? みんな、まこの貴重なボケよ。全力で拾いなさい!」 咲「え? え!?」 照「私達はどうすれば……」 菫「とりあえず見てるか」 ザッ 京太郎「呼びましたか!?」 ザザッ 穏乃「なんかわからないけどセンターは任せてください!」 ザザザッ 淡「守りにもそこそこ自信があるよ!」 まこ「いや、お前さんらのボケのが切れっ切れじゃぞ? 普段通り」 穏乃「みんなで護ってみんながセンター!」 京太郎「いや、みんなセンターだと偏りが酷いだろ」 穏乃「じゃあどうするの?」 京太郎「穏乃は反射神経と瞬発力があるからショートとかいいんじゃないか?」 穏乃「おーショート。じゃあじゃあ玄さんは?」 京太郎「玄さんか……」ウーム 玄「……」ドキドキ 京太郎「シューティングガードとか?」 玄「シューティングガード?」 穏乃「おーシューティングガード」 まこ「なんの会話をしとるんじゃ」 久「まぁいつものことよね」 穏乃「最後はみんなで線香花火しよう!」 淡「なら100本勝負だ! 高鴨穏乃!」 穏乃「おお! 望むところですよ!」 憧「いや、そんなに量ないから……」 ワーワー ギャーギャー <アー! センタンモギトッテイクナー!? <コレガ、センコウハナビズモウ…! 咲「京ちゃん。一緒にやろう」 京太郎「おう。いいぜ」 パチパチパチ 咲「綺麗だね」 京太郎「そうだな」 咲「今年は……一緒に花火出来てよかったね」 京太郎「お前、まだ去年のこと根に持ってんのか?」 咲「そうじゃないけど……あ」 ポト 京太郎「落ちちまったな」 咲「うん……」 咲「私、線香花火ってなんだか苦手」 京太郎「へぇ、そうなのか? 初めて聞いたな」 咲「うん。なんだか寂しい気持ちになるから」 京太郎「………………まぁな」 京太郎「歓楽極まりて哀情多し……いや、夏草や兵どもが夢の跡って感じか?」 咲「松尾芭蕉? 京ちゃんのくせに生意気ー」 京太郎「うっせやい」 京太郎「まぁ、あれだ。来年ももまた、こうやってみんなで騒げたらいいよな」ポンポン 咲「うん。えへへ……そうだね」 咲「ねぇ、京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「約束だよ?」 京太郎「ははっ。ああ、約束だ」 <サキー、キョータロー 京太郎「行こうぜ」 咲「うん」 ワーワー、キャーキャー <アーオチチャッター <ワタシモー 灼「……」パチパチパチ 優希「おお! ボウリングのお姉さんすごいじぇ!」 玄「ホントだー灼ちゃんすごいねー」 灼「そ、そんなことないと思……」テレテレ スタスタ 京太郎「おお、ホントだ! すげぇ」 灼「///」テレ パチパチパチパチ… 京太郎「あの、そろそろ手ぇ放した方が……」 灼「あ、うん。そうだね」 優希「手に持つ部分まで昇ってきてるの初めて見たじぇ」 京太郎「規格外過ぎる」 玄「私たちももう一本やろっか」 優希「望むところだじぇ!」 京太郎「あ、ありがとうございます」 玄「はい、咲ちゃんも」 咲「ありがとうございます」 優希「じゃあ、私たちも誰が一番長くもつか勝負だじぇ」 京太郎「お、いいぜ。ジュースでも賭けるか?」 咲「もう、またそういうの」 玄「あはは」 灼「じゃあ私も」 優京咲玄「「「「いえ、あなたは不動のチャンピオンですので!」」」」 灼「」 ダダダダッ 穏乃「勝負なら私も混ぜて!」 淡「横綱、横綱!」 京太郎「うおっ!? なんだその火の塊!?」 穏乃「8連勝中!」 京太郎「危ねぇ!! こっちに持って来るんじゃねぇ!」 晴絵「おーし、そろそろ帰るぞー! ゴミ片付けろー」 全員「はーい!!」 ガヤガヤ、ゾロゾロ 咲「今度こそ本当に終わりだね」 京太郎「ああ……」 咲「さっきの約束。忘れちゃだめだからね?」 京太郎「忘れねぇよ」 咲「絶対?」 京太郎「ああ、絶対だ」 照「……」ボケー ガチャ 憧「あ……」 照「新子さん……」 憧「えっと、おはようございます。チャンピオン」 照「……おはよう」 照「その、チャンピオンっていうの……」 憧「はい?」 照「私はチャンピオンって名前じゃないし、もうチャンピオンでもない」 憧「あ、ご、ごめんなさい……」 憧「えと、じゃあ宮永さん?」 照「……」ウーン 照「新子さんは、ご兄弟は?」 憧「え~、姉が1人」 照「そう……」 憧(とっつき辛い!) 照「お姉さんのことはなんて?」 憧「普通にお姉ちゃんですけど」 照「そう……」 照「じゃあ私のこともお姉ちゃんって呼んでもいいよ?」 憧「え?」 照「さぁ」 憧「ええ~っと…………お姉ちゃん?」 照「なぁに? 憧ちゃん」テルーン 後日 照「……」ボケー ガチャ 京太郎「あ、おはようございます。照さん」 照「京ちゃん。おはよう」 京太郎「今から朝飯の準備しますけど、なにかリクエストありますか?」 照「卵焼き。甘いの」 京太郎「はいはい」クス ガチャ 憧「おはよー」 京太郎「おう憧か。おはよう」 憧「おはよ、早いじゃない」クス 京太郎「お前もな」ニカ 憧「あ、照姉もおっはー」 照「おはよう。憧ちゃん」 京太郎「え? なに君ら、いつからそんな仲良くなったの?」 憧「ん、ないしょー」ネー 照「……」コクコク ジャー カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「……ンジャンジャンジャーン、ジャンジャジャンジャジャンジャジャーン!」 カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「ジャンジャジャーンジャジャジャジャンンンジャジャジャジャーン!」 カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「ジャジャジャッジャジャンジャントゥルータタタタタターン!」 京太郎「トゥルトゥチャチャチャ、ジャンジャンジャ、タタカ! タカダ!」 京太郎「ランランルー! ルンルランラランラルー! ランラランララトゥルラララー!」 ガチャ 灼「京太郎。残りの食器も持ってきた」 京太郎「」 灼「京太郎?」 京太郎「は! あ、はい。そこ置いておいてください」 灼「ん」 カチャ 灼「なにか手伝うことは?」 京太郎「いえ、もう後これだけなんで大丈夫ですよ」 灼「そう?」 京太郎「はい。お茶でも淹れるんで食堂で座って待っててください」 灼「わかった」コク ガチャ、バタン 京太郎「あー、心臓止まるかと思った」 ガチャ 灼「やっぱり、情熱大陸は今時ないと思……」 京太郎「い、言わなくていいですよ!///」 灼「あと、所々音外れて」 京太郎「だかた言わなくていいですってば!」 食堂 京太郎「ニコ兄のパニッシャーやチャペルの銃はそこそこ有名なのになんでファンゴラムのセンターヘッドって認知度低いんですかね?」 誠子「それはたぶんゲーム自体の知名度が低いからだよ」 京太郎「けどガングレイヴはアニメ化もしてそこそこ知名度あると思うんですよ」 誠子「アニメはともかくゲームは良くも悪くも中堅って感じだからなぁ」 ワイノワイノ ナンチャラカンチャラ 久「須賀君ってさ……」 京太郎「はい?」 久「意外とモテるわよね?」 シーン… 京太郎「…………はぁ?」 咲「ぶ、ぶぶぶ部長!? なに言ってるんですか?」 優希「そうだじぇ! そんなこと言ったらまたこの犬が調子に乗り出すじぇ!!」 黙殺! 京太郎「はぁ……」 久「なにそのため息」 京太郎「部長。なにを、なにをゆっとるんですか貴女は?」 京太郎「モテる? 俺が? じゃあ俺のこの、彼女居ない歴=年齢っていうこの、この事実はどう扱われていくんですかね?」 京太郎「厳然たる事実がそこには横たわっていますよ?」 久「あ、変なスイッチ入った。やめればよかったわこの話題」 久「また須賀君が変な絡み方をしてくるわね」 京太郎「っていうかなに? まったそういう話?」 京太郎「最近色恋沙汰の話が多くてイライラするんですけど」 久「けどあなた、普段の部活にしてもそうだけど今のこの状況」 久「女子複数に対して男一人というこの状況でなにか思うところはないの?」 京太郎「……」ウーン 京太郎「なるほど」 京太郎「まぁそんな俺ですが。実は中学の時にラブレターを渡されたことがあります」 シーン…… 優希「どどどどどどういうことだじぇ!?」 咲「聞いてない!? 京ちゃん、それ私聞いてないよ!!」 玄「おもちは!? おもちはどうっだったんでうのだ!?」 淡「ま、まさかそれで付き合ったりとか……」アワワワワ 照「京ちゃん、その娘なんて名前なの? その、あれ、あの頭パーンってさせてくるから」ギュルルルル 京太郎「え、なに君ら? いきなりどうしちゃったの?」 京太郎「ちなみに玄さん。おもちは可もなく不可もなくって感じでした」 玄「ほっっほぉ~~う」 京太郎「思い返せば、あれは中学2年の夏頃……」 女性陣「……」 京太郎「え、なにこの俺が話を語って聞かせるタイムみたいな空気?」 京太郎「皆さんこんな与太話に付き合わずにもっと各々好きにしてくれていいんですよ」 憧「いいから早く続き。話なさいよ」 京太郎「お、おう……」 京太郎「季節は移り、長袖から半袖に衣替え済ませ、初夏の陽射しが降り注ぐ頃」 京太郎「俺は学び舎の屋上に呼び出された」 京太郎「待っていたのは別のクラスの女の子。肩口までの黒髪に、タレ目がちの柔和な笑顔を湛えた優しそうな娘だった」 京太郎「夏場にも白さを失わない頬を微かに朱に染め、差し出される恋文の封書」 京太郎「秘めた想いを文章に託し、勇気を振り絞ってこう言った」 京太郎「『これ、同じクラスの中村君に渡してほしいの』」 女性陣「あ~、あるある」 京太郎「だあああああああああああ!!」ボルッテクバチコーン!! 淡「な~んだ。そんなことかー」ニコニコ 優希「まぁ京太郎なんてそんなもんだじぇ」ウンウン 宥「あったかいね」 菫「まぁ、その、なんだ。ドンマイ」 咲「ほっ……」 京太郎「冷静に考えると女の子が嫌がらせ以外の理由で、言い寄ってくる魅力が俺にあるとは思えないしなぁ」 まこ「恐ろしく後ろ向きな自己認識じゃな……」 憧「あながち間違ってないけど」 京太郎「だいたいなぁっ!!」 京太郎「クソッ、どいつもこいつも猫も杓子も愛だの恋だの!」 京太郎「そんなもんよりねぇ世の中もっと大事な事ややるべき事はたくさんあるんですよ」 灼「たとえば?」 京太郎「ちくしょう、代替案など……」ガクッ 久「まぁそう落ち込まないの」 京太郎「部長?」 久「須賀君だって惑星の直列とか、気象の変化とか、地磁気の影響で人の好かれたりもするわよ」 久「男には人生で3回モテ期があるらしいものね。人に好かれることが重なり、時には周囲からまとめて嫌われることもあるわよ」ウンウン 京太郎「なるほど。…………なんかその、俺のモテるモテないの話と天変地異を同列に扱うのやめてもらえません?」 久「言葉の綾よ」 京太郎「言葉の綾ねぇ。ところでなんで人生で3回なんですかね?」 久「え? さぁ? でも3回っていうじゃない?」 京太郎「世界には3人自分とのそっくりさんがいるって言いますよね」 久「中学、高校は3年制だし」 京太郎「そういえば、千里山の船久保先輩がインターハイになると3年生が強くなるとか言う」 京太郎「わけのわからない意味不明な仮説を立ててました」 久「将棋なら後一回昇段したらプロ入りよね」 京久「「3って不思議な数字(です)ね」」 まこ「お前さんらのその会話の拡張性みたいなのが一番不思議じゃ」 京太郎「っていうか、」 京太郎「部長が俺を誘いさえしなければ、俺は他に適当な運動部にでも入って」 京太郎「可愛い彼女でも作ってひと夏の思い出を謳歌していただろうに」 京太郎「なにが悲しくてこんなところで皿なんか洗ってんでしょうね」 久「いやあなた、後半の妄言は置いておくとして、私が部に誘った時点で他の部の誘い全部断ってたじゃない」 京太郎「そでしたっけ?」 穏乃「ねーねー京太郎」 京太郎「あん?」 穏乃「京太郎は、なんで麻雀部に入ったの?」 京太郎「え?」 淡「キョータローのことだからどうせ、ノドカのおっぱいに釣られたんでしょ」プププ 和「いえ、須賀君が入部したのは私が入部するより前ですよ?」 女性陣「え?」 ざわ…… ざわ…… 照「あの、おっぱい県民の京ちゃんが?」 尭深「私や弘世先輩や松実さんたちの胸をチラチラ盗み見している須賀君が?」 玄「京太郎くん! おもちに興味が無くなってしまったのですか!?」 玄「死ぬまでに一度は和ちゃんのおもちを触ってみたいって言ってたではないですか!」 京太郎「なんで今ここでそれを言うんですか!?」 和「須賀君……」ササッ 京太郎「違、あの違うんです。言い訳をさせてください」 照「京ちゃん……」ギュルルル 京太郎「ピーンチ。殺さないで、俺まだやりたいことある」 淡「ノドカのおっぱい触るまで死ねないってこと?」 京太郎「俺の人生をそこに集約するんじゃねぇ!!」 咲「……」 京太郎「さ、咲~? 咲さ~ん? 無言はやめてー」 ざわ…… ざわ…… 京太郎「ちょっと君ら黙ってくれる? 俺にもしゃべらてくれ。慎んで拝聴しろ」 久「私、自身疑問だったんだけど。ねぇなんであの時、誘いに応じたの?」 京太郎「それは……」 久「それは?」 京太郎「麻雀って人気のある競技じゃないですか?」 京太郎「もしこれで活躍とかしちゃったらさぁ、いやモテちゃうでしょ? 常識的に考えて」 京太郎「だから、俺の隠された才能が覚醒して大活躍とかしちゃう少年漫画的展開を期待してたんですよ」 女性陣「……」シラ~ 京太郎「うっわ、みんななにその微妙な顔」 久「それ本当?」 京太郎「あ、すんません。嘘つきました」 京太郎「本当はただ麻雀経験者なら進路選択の時に有利かなって」 京太郎「一昔前なら政治家に剣道経験者が多かったし今なら麻雀かなって、あ、いやすんません。これも嘘です」 誠子「このタイミングで嘘をつく意味がわからない」 京太郎「ホントは部長が」 久「私?」 京太郎「部長が、俺を誘ってきた時なんて言ったか覚えてますか?」 久「? いえ、ぜんぜん」 京太郎「『部員一人の部だけど、全国大会目指してるから一緒にどう?』ですよ?」 京太郎「もうね。アホかと。あんた3年だろさっさと帰って勉強しろと。そう思ったんですよ」 久「あっそう。いい度胸ね」ボキボキボキボキ 京太郎「ちょ、最後まで聞いてくださいよ!」 京太郎「けど、部長の目が」 久「目?」 京太郎「部長の目が、すげー真っ直ぐで本気でやる気なんだってそう感じた」 京太郎「だから見てみたくなったんですよ」 京太郎「この人が何処までやれるのか。その結果を」 久「須賀君……」 京太郎「逆に部長はなんで俺を誘ったんですか?」 京太郎「団体戦に出るなら、どうしたって俺は戦力にはなれません」 京太郎「どうして俺だったんですか?」 久「ん~、しいて言うなら一目惚れってとこかしら」 京太郎「は?」 久「今ちょっと期待した?」 京太郎「チッ、うぜぇ~」 久「まぁ半分冗談で半分本当かしら。須賀君を見た瞬間感じたのよ」 久「この子をは使える! ってね」 京太郎「おい」 久「あの時の須賀君。すごくつまらなそうな顔してた」 京太郎「え?」 久「だからね、見せてあげたくなったの。この世界はまだまだ面白いことで溢れてるんだってね」 久「まっ、背は高いし、顔は割と整ってるし、真面目そうだし世話を焼いてあげたくなったのよ」 京太郎「部長……」 久「実は私、変っ……て言うものが好きなの」キリッ 京太郎「ちょっと待って。今し方俺を褒めちぎっておいてのその発言はなに?」 【中途あらすじ】 淡「あーわーいーだーYOッ!」 淡「ジャンジャジャ~ン! 今明かされる衝撃の真実ー」 淡「なんと私こと淡ちゃんと、キョータローは小さい頃に生き別れた双子の姉弟なのでしたー!」 玄「ええっ!? そうだったの?」 咲「なんだか、すごい込み入った話。そんな事が……」 京太郎「あれ、ねぇちょっと幼馴染だと思ってたの俺だけ!? 小学校から一緒でしょ」 和「そんな過去があったなんて……」 照「ぜんぜん知らなかった」 京太郎「信じちゃってるよ!?」 京太郎「大丈夫かこの人たち。将来、壷とか買わされたりしないだろうな」 京太郎「今思い出すとねぇ。俺、前回の合宿のとき一人だけ置いてけぼり食らってずっと家にいたんですけど」 京太郎「あの、期間誰とも会話しなかったからな」 京太郎「両親は、新婚かよってテンションで旅行に出かけるし」 京太郎「クラスの奴には合宿に行くって言ってたから当然連絡なんて来ないし」 京太郎「俺のこの漲るやる気をどうしてくれるんだって感じで」 京太郎「ペットのカピーやネトマのPCに向かって一人でブツブツなんかしゃべってて」 京太郎「ちょっとあれは、今思い出しても自分でもドン引きするくらい気持ち悪かったな。うん」 シーン… 照「京ちゃん、お菓子食べる?」 優希「タコス! タコスを分けてやるじぇ!」 尭深「お茶、飲む?」 宥「え~っと、え~っと……手、握ってあげるね?」ポヤーン 京太郎「あれ? みんなが急に優しい」 久「やめて! 私を、私を悪者にするのはやめて!」 まこ「弁解したいが、こればっかりは出来ん」 和「思えば、雑用から何から任せっぱなしで」 咲「うう、ごめんね。京ちゃん」 灼「部の事はみんなで分担した方がいいと思……」 憧「まぁ、任せっきりはよくないわね」 京太郎「まぁまぁ、そう言わないであげてください。良いんですよ俺はそれくらいしか役に立てませんし」 京太郎「迷子の捜索に、タコス作りに、ぬいぐるみの縫合。寝起きのムーミンにコーヒー淹れたり、喫茶店手伝ったり」 京太郎「デスクトップPCとか自動雀卓担いで移動したり」 京太郎「清澄の雑用は皆さんこれ、特殊な訓練を受けてないと出来ませんのでね。オススメはしません」 京太郎「用法用量は計画的に」 菫「なにを言ってるんだ君は」 久「あの、これ前から言いたかったんだけど私、そんなに言うほど須賀君に雑用押し付けてないわよね?」 久「そりゃ、もちろんないとは言わないけど。けどそんな酷い扱いもしてないわよね?」 久「まぁ平行世界じゃどうだか知らないけど」 京太郎「またそういう……そういうねぇメタな発言してるとまた世論からパッシングを受けますよ」 京太郎「まぁ、でも? この世界にではいい先輩ですよ?」 京太郎「いい上司、竹井先輩。経理部長」 まこ「役職変わっとるぞ」 京太郎「むしろ、逆に部内の雑用全部先取りして『それもう終わってますけどぉ?』みたいな、ドヤ顔をしてやろうかなって」 菫「従順なのか反抗的なのかよくわからない奴だな……」 久「ちょいちょいあるわよね須賀君、突如として私に反旗を翻してくるときが」 京太郎「部長忘れたんですか? 俺が部に入ってすぐのときの第一回清澄麻雀部大議会を」 咲「なに、清澄大議会って?」 京太郎「おう。部長のその日の気分が俺の自由意志のすべてを超越するという独裁性議会だ」 京太郎「あの日の約定により俺は雑用大臣に任命された」 京太郎「ちなみに世襲制な」 久『じゃあ、私は麻雀担当。須賀君はその他の担当』 久『私は和了るのが担当。須賀君は点棒を差し出すのが担当』 久『私は勝利担当。須賀君は画面の端で失神して泡吹きながら解説する担当ね』 ――――――― ――――― ――― 京太郎「なにもかも皆懐かしい」 女性陣「……」ジー 久「視線が痛い!?」 まこ「お前さんらは最初の頃からそんなアホな事やっとたんか」 和「そういえば、染谷先輩はその頃は部にはいなかったんでしたっけ?」 まこ「ん? ああ、そうじゃな。あん頃は部員もおらんから、なんとなくわしも流れで部活離れしとってな」 まこ「自分のうちで客相手に打っとる事のが多かったな」 淡「ねーねー! マコのうちって喫茶店なんだよね?」 まこ「ん? おお、麻雀喫茶じゃな」 淡「へー、なんか楽しそう。行ってみたい!」 穏乃「あ、私も私も!」 照「お菓子ある?」 まこ「お菓子なぁ~」チラッ 京太郎「……」ダラダラ まこ「まぁ、運が良けりゃ出会える裏メニューってとこじゃな」ニヤ 優希「染谷先輩はどんな経緯で部に復帰したんだじぇ?」 まこ「どんな、か。そうじゃな……」 ――――――― ――――― ――― カランカラン まこ「いらっしゃ、」 バーン 久「まこ!」 まこ「ん、おお。久か。珍しいの」 久「ええ、久し振りね。ってそんなことはいいのよ」 久「まこ。今日はあなたを連れ戻しにきたわ!」 まこ「ほう。っということは新入部員でも入ったんか?」 久「紹介するわ。須賀君」 カランカラン 京太郎「どうもはじめまして。突如として現れたサテライトの流れ星。須賀京太郎です」 まこ「男子か。まぁええじゃろ。わしは染谷まこ、2年じゃ」 久「早速だけどまこ。一人とは言え部員も入った事だし、本格的に部活を再開するわ」 まこ「ほうか。ほんなら明日からにで、」 久「いやわかってるの! まこにもお店の手伝いがあるというのは」 まこ「は? いや、人の話を」 久「そこでこういうのはどう? 私たちと麻雀を打って私たちが勝ったらまこは部に戻る」 まこ(相変わらず人の話を聞かん奴じゃな) まこ「わしが勝ったら?」 久「須賀君を一週間、無料で貸し出すわ」 京太郎「え」 まこ「乗った」 京太郎「ちょ」 久「ただ働いてもらうだけじゃつまらないからメイド服でも着てもらいましょうかしら」 京太郎「何故レートを上げるのか」 まこ「ちなみにお前さん麻雀の腕の程は?」 京太郎「将棋で言ったら羽生名人クラスで、」 久「最近ようやく全体の流れを覚えたくらいよ」 京太郎「あ、はい……そうです。はい……」 まこ「ほうか。まぁええが、3麻でもいいんか?」 京太郎「3麻って?」 久「書いて字の如く3人でする麻雀よ」 京太郎「へぇ」 久「まぁ今回は気にしなくていいわ。私ががんばるから須賀君は気楽に楽しんでくれればいいから」 まこ「それじゃ、はじめるとするか」 京太郎「え、っと。これ、かな……」ビクビク、トン… 久「あ、須賀君それまたロン」 京太郎「」 京太郎「はっ!? だからなんで部長が俺から和了るんですか!?」 久「いやー、須賀君ってば面白いくらい振り込んでくれるから和了り甲斐があるわー」 まこ(アホかこいつら) 久「まぁまぁ、そう熱くならないで。気楽にね気楽に」 京太郎「部長、残念ですけど遊びの時間はとっくに終わっています」 京太郎「ここはすでに地獄の賭博場。交わされるのは言葉の銃弾。振るわれるのは悪意の刃」 京太郎「掛け替えのない己の魂の尊厳を賭け金(ベッド)にして紅(ルージュ)か玄(ノワール)か!」 久「なにこのやる気」 まこ「お前さんが焚きつけたんじゃろが」 まこ:なんやかんやあって1位 久:終盤に京太郎のビギナーズラック的役満親っかぶりで2位転落 京太郎:安定のラス 京久「「ああああああああああああああああっ!?」」ガクッ まこ「なにしに来たんじゃお前ら」 久「ふ、ふふふ……こんなことで私が諦めると思ったら大間違いよ。いかなる手段を使ってもまこを部に引き入れるわ」 京太郎(悪役みたいなセリフだな) まこ「わしは部に戻らんなど、一言も言っとらんが」 京久「「えっ?」」 まこ「最初からそう言おうとしとるのにお前さんらがどんどん話を進めていくからじゃろうが」 京太郎「なんだじゃあまた、まった部長が一人で騒いでただけじゃないッスか!」 久「須賀君だって凄まじいやる気を発揮してたじゃない!」 まこ「最初から最後まで人の話を聞かん奴らじゃな」 京太郎「ち、ちなみに負けた時の話は……」 まこ「そっちが賭け金を吊り上げたんじゃからきっちり払ってもらおうかのう。身体で」ニヤニヤ 京太郎「ですよねー」トホホ ギャーギャー、ワーワー まこ「しかし、久よ。まだ全国出場の夢を諦めてなかったのか」 久「当たり前じゃない。後、訂正しとくと出場じゃないわ優勝よ」 まこ「須賀といったか? お前さんもようこんなのに付き合っとるな」 京太郎「ええ、まぁ、自分でもなんでかなって思うんですけどね」 京太郎「見てみたいんですよ、この人がどこまでやるのか。全国の景色って奴を」 久「高校最後の夏だもの。全国優勝の夢くらい見させてよ」 まこ「全国優秀の景色……か」 まこ「ふふ、はははは」 久「まこ?」 京太郎「染谷先輩?」 まこ「ええじゃろ。わしも見てみとうなったわ。全国の景色っちゅうんをな」 京久「「っ!!」」ビシバシグッグッ!! まこ「今日はもう遅いが、明日からはまた部室に顔を出すとするか」 京太郎「これでようやく2人」 久「3人でしょ? 須賀君も大事な部員なんだから」 京太郎「部長……」ジーン まこ「ふふ」 京太郎「じゃあ、染谷先輩!」 久「行きましょう。まこ」 京久「「我等と共に全国へ!!」」 京太郎「へぇ、この学校、学食のメニューにタコスなんてあったのか」 どういうチョイスだ? っと疑問に思うと同時に興味も沸いてきた。試しに買ってみるか。 この清澄高校の学食は食券制なので、券売機に硬貨を投入してボタンを押し、取り出し口から食券を取り出す。 顔を上げると、ボタンの下半分が赤く点灯。蛍光板が「売り切れ」の文字を点していた。 気にせず食券を持って厨房前のカウンターへ向かう。 ?「ぬおおおお!? タコスが売り切れてるじぇ!?」 ?「残念でしたね。ゆーき」ポン ゆーき?「だけどのどちゃん……私はタコスを食べないと」 のどちゃん?「食べないと?」 ゆーき?「私自身がタコスになってしまうんだじぇ!」バーン! いや、ドーン! のどちゃん?「なんですかそれは?」 まったくだ。 俺は自分の手の中に納まる食券を見下ろす。 まぁ、俺は今これを食べなくても死にはしないし。………………タコスになるわけてもないし。 京太郎「あのー」 「「はい?」」 京太郎「あの、これよかったら……」 そういって俺は手にしていたタコスの食券を2人に差し出した。 あれ? なんかこれ、俺今すげーギャルゲの主人公みたいじゃね? ゆーき?「うおおお!! それはタコスの食券!」 のどちゃん?「ち、ちょっとゆーき。あの、いいんですか? それはあなたが買ったものじゃ」 京太郎「いや、まぁうん。そうなんだけどね」チラ ゆーき?「……」ダバァー なんかすっごい涎垂れてるんだけど……。 たとえば平均体重の人間の血液総量は約6リットルとされ、約2リットルの血液が流れ出ると失血死となる。 もし2リットル以上唾液が流出したら人間はどうなるんだろう? 脱水症状で死にのかな? そう思うとこの高がタコスの食券といえど、この少女の命運を握っていると考えられ途端に重みが増したような気がする。 京太郎「まぁ、これもなんかの縁と思って受け取ってくれよ」 京太郎「なんかさっきの会話とか聞いてると、譲ってあげないとって思えてきたし」 和「それが、私たちと須賀君のファーストコンタクトでした」 みんな「へぇ~」 優希「京太郎、お前覚えてるか?」 京太郎「いや、ぜんぜん。優希、お前は?」 優希「いや、ぜんぜん」 京太郎「ってか、なんで和の回想なのに俺視点なんだ?」 和「それから、食堂で何度か会って話してみると須賀君は麻雀部だと言うではないですか」 京太郎「なんか、話したような話してないような……ほぼタコスに印象塗り潰されてあんまり覚えてないな」 照「京ちゃん、その歳で若年性健忘症なんだ……」 宥「可哀想……」ブルブル 京太郎「やめて、なんかその生暖かい同情の目はホントやめて。違うからほんとそんなんじゃないから」 京太郎「えっと、ほらあれだよ。なんだっけ? 当時はなんとか部を存続させようと必死だったからどうにか2人を巻き込めないかなと」 久「そういえば、八方いろいろ手を尽くしたわね」 京太郎「備品が足りねぇってんで夜中に校舎に侵入して使えるものかっぱらって来ようぜ!」 京太郎「みたいな、後に『冒険野郎事件』って呼ばれたあれ」 久「あー、やったやった」 まこ「お前さんらそんなことやっとたんか」アキレ 優希「その陰謀に巻き込まれたから、私たちの今この結果があるのか」 和「私の美しい思い出をよくも汚してくれましたね」 京久「「いや、あの……なんかすんませんでした。なにかの作用で一連の会話を記憶喪失してください」」ペッコリン 和「無理に決まってるじゃないですか!」 淡「それでノドカは麻雀部に入ったの?」 和「それで、と言いますか」 ――――――― ――――― ――― 優希「おー、京太郎だじぇ」 京太郎「ん、優希。…………和も一緒か」カチカチ 和「こんにちわ」 優希「そんなに一生懸命ケータイいじって何してるんだじぇ?」ヒョコ 和「優希、失礼ですよ」 京太郎「これか? 麻雀だよマージャン」 和「!」ピク 優希「ほう、お主も麻雀をやるのか」 京太郎「やるっていうか、俺、麻雀部なんだよ。っても、初心者だからこうやって空いた時間で練習してるんだ」 京太郎「っというか、『も』ってことは?」 優希「ふっ! なにを隠そう私達も元麻雀部だじぇ! そしてなんと~」 優希「こののどちゃんはインターミドルのチャンピオンだじぇ!」 和「ゆ、ゆーき!///」アセアセ 京太郎「インターミドル?」 和「えと、インターミドルっていうのは中学生のインターハイのようなもので」 京太郎「SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEッ!?」 京太郎「なんだよ! 和ってそんなすげー奴だったのか!?」 和「え? あ、いやその……それほどでも///」 京太郎「そうか、2人とも麻雀部だったのか。ん? でもじゃあなんで麻雀部に入らないんだ?」 優希「私は今のところ部活にはあんまり興味ないかなーって」 和「私は、その……麻雀は部活動でなくても出来ますし」 京太郎(優希はともかく和はなんかわけでもあんのかな?) 京太郎(でも、もし2人が入ってくれれば女子は4人。もう1人を見付ければ団体戦に出れる) 京太郎(なら俺のやることは一つ!) 京太郎「じゃあ、見学だけでもどうだ?」 和「見学、ですか」 優希「どうする? のどちゃん」 和「まぁそのくらいなら……」 京太郎「ありがとう! じゃあ行こう、さぁ行こう! すぐ行こう!」 和「あの、そんなに急がなくても」 優希「やれやれだじぇ」 部室 京太郎「こんちゃーっす! …………った、まだ誰も来てないのか」 和「部室ってここなんですか?」 京太郎「え? そうだけど」 和「ここって確か『クロックタワー事件』の……」 優希「クロックタワー?」 和「先週、この部室棟から学校中に聞こえるくらいの音量でたくさんの目覚まし時計の音が響いていたの覚えていませんか? ゆーき」 優希「おー、そういえば」 京太郎「ああ、あれそんな風に呼ばれてんだ」 和「心当たりがあるんですね」 京太郎「俺の買い置きのお菓子を勝手に食べちゃった部長に素敵な仕返しだテヘ!」 京太郎「みたいな感じでそこらじゅうからかき集めてきた目覚ましをこう、一斉に、ね?」 和(ここの部の人たちはなにやっているんでしょうか) 優希(ここ本当に麻雀部なのか?) 和「私たちしかいませんけど、どうしますか? ほかの部員の方を待ちますか?」 京太郎「ん、まぁ三麻でいいんじゃないか?」 和「その、失礼ですけど須賀君は初心者ということでしたが、大丈夫ですか? 三麻は少々ルールが複雑ですけど」 京太郎「大丈夫だ! 何故なら先日から先輩たちにボコボコにされてるからな!」グッ 和優「「なんて逞しい……」」 で、 1位:優希 2位:和 3位:京太郎 優希「さすが私、のどちゃん相手にもまったく引けを取らないじぇ!」フフン 和「逃げ切られてしまいましたか。もう少しだったんですが」 優和「「それにしても……」」 京太郎「」ボーゼン 優希「まさか、ここまで初心者だったとは」 和「まぁまぁ、ゆーき」 和(しかし、手付きもあまりなれているとは言い難かったですね) 京太郎「はっ!?」 優希「お、帰ってきた」 京太郎「っ~~~~~~~っはぁ! 2人ともすっげぇな!」 優希「んあ?」 和「はい?」 京太郎「ごめん! 実は俺さ、2人のこと団体戦の頭数になればってくらいにしか考えてなかったんだ」 京太郎「でも、和と優希と麻雀打ってすげー楽しかった。だから、もっともっと2人と楽しみたい」 京太郎「だから改めてお願いする。2人ともうちの部に入ってくれ! そんで俺にもっといろいろ麻雀のことを教えてくれ!」ペッコリン 優希「団体戦ってのはなんのことだじぇ?」 京太郎「ああ、うちのアホ部長がいい歳して全国大会優勝とか言う夢見がちなこと言っててさ、その、どうにか叶えてあげたいなぁって」 和「全国大会、ですか。でも長野には名門の風越や、昨年度県大会優勝の龍門渕もいますし」 和「正直、無名のうちが彼らに勝つのは難しいのでは?」 京太郎「大丈夫! なんてったってうちの部長は、性根の腐り切り具合なら負の人間国宝級だから」 京太郎「きっと俺なんかじゃ及びもつかないような、こそ浅ましいあらゆる権謀術数を用いてきっと全国へ連れて行ってくれる」 京太郎「それに、2人がいてくれたら心強い。だから一緒に全国を目指してみないか!?」 和「全国……」ポォ 優希「私は、のどちゃんが入るなら、いいじょ」 和「ゆーき?」 優希「のどちゃんは、東京の進学校や風越や龍なんとかって学校の誘いを断って私と一緒のこの清澄に来てくれたじぇ」 優希「だから今度は、私がのどちゃんについて行く番だじぇ!」 和「ゆーき……」 和「っ!」グッ 和「わかりました! 麻雀部、入部させていただきます」ニコ 京太郎「! やったー!」 優希「よろしく頼むじぇ! のどちゃん、京太郎!」 京太郎「おう! よろしくな、2人とも」 和「ふふ、よろしくお願いします」 ――― ――――― ――――――― 淡「そっかー、キョータローに誘われたからノドカは麻雀続けることにしたんだね」 和「ええ、でもそれだけではないんですよ?」 憧「どゆこと?」 和「その時の楽しそうに麻雀を打つ須賀君の姿が、記憶の中の友人と重なって」 穏乃「そ、それって」 和「はい。阿知賀にいたころの、穏乃と憧と玄さんと赤土先生とクラブのみんなとの思い出が私の背を押してくれて」 和「この人と麻雀を打てたらあの時のように、きっと楽しいだろうなって。だから」 晴絵「和……」 玄「和ちゃん。えへへ、なんか照れちゃうね」 京太郎「ちょ、部長待ってください。ね? 昔のことじゃないですか、お互いにさぁ許し合おう? 分かち合おう?」 久「うふふふふ。なにを許し合うのかしら? さ、2人だけでちょっと向こうに行きましょうねー? そんなに首を振ったってダメよ?」 久「大丈夫大丈夫。最初は痛いけど次第に気持ちよくなってくるから。自己啓発セミナー、悟りを開くみたいなものよ」ウフフフフ 咲「じゃあ、うちの部って実質京ちゃんがメンバー集めたってことですか?」 京久「「っ!?」」 久「そう、なるのかしら?」 まこ「まぁ、わしもお前さんらの熱意に中てられたわけじゃしな」 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「私を誘ってくれたのはなんで? それも、部のためとか、団体戦のメンバー集めだったから?」 京太郎「ん、ん~まぁ。それもあるけどさ」 京太郎「お前、俺が置いてくと泣くだろ?」 咲「な、泣かないもん!」 京太郎「いーや、泣く。絶対泣く」 咲「泣かないったら泣かないもん!」 京太郎「本当は?」 咲「ちょっと、泣くかも……」 京太郎「ほーらな」 咲「うう……」 京太郎「それにさ、やっぱ楽しいことは咲と一緒にやりたいなって思ってさ」 咲「京ちゃん……」ジーン 久(楽しい、か……) 久「ねぇ。須賀君」 京太郎「はい?」 久「今まで怖くて聞けなかったけど、うちの部に入ってどうだった?」 久「みんなが入部して、県大会で優勝して、全国を目指して……」 久「私たち2人で再建した部なのに、どんどんあなたのことを蔑ろにしてしまって」 久「正直、いつか退部されても、嫌われても仕方ないって思ってたけど。あなたはあの時と変わらずここにいる」 久「須賀君にとってこの半年間は、有意義だった?」 京太郎「……」 京太郎「部長。部長が俺のことそんな気にかけててくれたってのは正直意外でした。でもこれだけは言えます」 京太郎「この半年間は本当に楽しかった。ここにいる人たちも、ここにいないけど麻雀を通して出会った人たちも」 京太郎「俺にとっては出会ってから今日まで、夢中で見つめ続けた光そのものです」 京太郎「俺、なんの役にも立てなかったけど、それでもみんなの夢を叶える手助けになれたなら俺は嬉しい」 京太郎「なぁ、部長。あの時、あんたについて行ってよかった」 久「っ!? ……バカね」ボソッ 久「私の方こそ感謝してる。須賀君、あなたがいてくれてよかった」 翌日 京太郎「荷物はこれで全部ですか?」 晴絵「オッケー。悪いねぇ積み込むの手伝ってもらっちゃって」 京太郎「いいっすよぅ、これくらい」 憧「こっちも準備出来たわよ」 晴絵「おーう。忘れ物とかないかい?」 穏乃「ないでーす!」 玄「短い間だったけど楽しかったよ!」 京太郎「はい、俺もみんなに会えて楽しかったです」 宥「これから寒くなるから、暖かくしないとダメだよ?」 京太郎「あはは、宥さんもですよ」 灼「吉野にも、また遊びに来て」 京太郎「はい。その時は是非、先輩のところにも寄らせてもらいます」 憧「……」 京太郎「……」 京憧「「ははっ……」」 憧「元気でやんなさいよ」トン 京太郎「お前もな」 穏乃「京太郎、手ぇ出して」 京太郎「? ほい」 穏乃「ターッチ! また遊ぼうね京太郎!」 京太郎「おう!」 菫「短い間だが世話になったな」 京太郎「いえ、こちらこそお世話になりました」 菫「また東京に来ることがあれば呼んでくれ。そのときは喜んで照の世話を押し付けてあげよう」 京太郎「あはは、お手柔らかに」 尭深「またね」フリフリ 京太郎「はい。渋谷先輩もまた。今度、茶葉とお茶菓子もって訪ねますよ」 尭深「うん。待ってる」 誠子「また一緒に釣りに行こう。そうだな、冬場に静岡の田貫湖でワカサギ釣りなんてどうだい?」 京太郎「お、いいッスね!」 誠子「朝霧の中で富士山が見えるんだけど、朝日が昇ってくるとこう、凍りついた足場が一気にバキバキバキバキってひび割れてね」 京太郎「クレイジーッスね……」 照「京ちゃん。咲のこと見ててあげてね」 京太郎「任せてください」 照「冬休みには一度帰るから」 京太郎「待ってますね。咲もつれて久々に3人で初詣行きましょうか」 照「うん」 淡「……」 京太郎「どうしたよ」 淡「だって、またキョータローと会えなくなっちゃうもん」 京太郎「なんだ、そんなことかよ」 淡「そんなことって、長野と東京だよ! すっごく遠いんだよ!」 京太郎「距離も時間も関係ない。会いたくなったら会いに行けばいい、それだけだろ?」 淡「! うん、会いに行く! 今度は私から!」 京太郎「おう! いつでも来い」ポン 久「短い期間でしたが此度の合同合宿に参加していただきありがとうございました」 久「って、もうこんな堅苦しい挨拶はもういいわね」 咲「ねぇ、京ちゃん」ヒソ 京太郎「ん?」ヒソ 咲「合宿、楽しかった?」ヒソ 京太郎「へっ、わかってんだろ?」ニカ 咲「えへへ、一応聞いておきたくて」 京太郎「もちろん楽しかったに決まってんだろ!」 咲「うん。私も!」 久「では、これにて清澄・白糸台・阿知賀による三校合同合宿を終えたいと思います」 全員『お疲れ様でした!!』 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6914.html
~インハイ会場~ 優希「おー…ここがインハイ会場かー!」 和「長野のモノとはやはり規模が違いますね」 久「まぁ、日本中の高校生が集まる訳だしね」 まこ「高校生だけじゃなくてマスコミまでやってきとる訳じゃしのぅ」 咲「うぅ…なんだか緊張してきた…」ブル 京太郎「…先にトイレでも行っておくか?」 咲「こ、これは武者震いだよ!!」カァァ 京太郎「じゃあ、案内はいらない?」 咲「…………後でお願いします」メソラシ 優希「ホント、咲ちゃんはポンコツだじぇ」 咲「ぽ、ポンコツじゃないよ」 咲「ちょっと緊張するとトイレに行きたくなって、たまに方向が分からなくなるだけだから」 まこ「それが方向音痴と言うんじゃと思うがなぁ…」 久「さて、それじゃあ、派手に乗り込みましょうか」 優希「ヒャッハー!」 まこ「長野の品性が疑われるような真似だけはしてくれるなよ」 和「大丈夫ですよ…………多分」 咲「その多分に不信感がにじみ出てるよ、和ちゃん…」 優希「ま、今日の私は大人しくしてるじぇ」 優希「どの道、一回戦からは否応なく目立つ訳だからな!!」ドヤァ 京太郎「あぁ、あの赤マントでか」 優希「麻雀の腕で!だじぇ!!」 久「…そうね」 久「私達は地方予選からさらに強くなった」 久「今なら全国の強豪達にもそうそう負けたりしないはずよ」 久「だから…リラックスして目にもの見せてあげましょう」 咲「はい」 和「えぇ。頑張りましょう」 まこ「(…ふふ。自分がいっちゃん、緊張しちょる癖に)」 久「…で、京太郎君は…」 京太郎「あぁ。俺は適当に会場の中をぶらついてますよ」 京太郎「いざと言う時、迷子になった咲を見つけてやらないといけませんし」 咲「そ、そんなに簡単に迷子になったりしないよぉ」 和「…私が咲さんと知り合ってから今までの間に五回は迷子になってたと思うんですが」 咲「少ないよね?」キョトン 優希「…いや、普通は一回でも多い方だと思うじぇ」 咲「うぅぅぅ…何処もかしこも道が複雑なのが悪いんだよ…」 京太郎「幾ら複雑だからってバックヤードに紛れ込んだりしないと思うがなぁ…」 久「まぁ、京太郎君はそんな咲発見のエキスパートだからね」 京太郎「何を隠そう、俺は迷子探しの達人だ」キリッ 優希「キャー!」 久「最悪の事態は彼に任せて、私達は行きましょうか」 優希「京太郎、ステイ!ステイだじぇ!!」 京太郎「犬じゃねぇっての」 京太郎「…ま、開会式だから何かあるとは思わないけど…皆、気をつけてな」 咲「…京ちゃんの方もね」 京太郎「(…さーって…ではどうするかなぁ)」 京太郎「(一人だと色々と手持ち無沙汰だ)」 京太郎「(まぁ、スマホは持ってきたから時間潰すの事態は楽なんだけどさ)」 京太郎「(でも、折角、インハイ会場まで来てるのにスマホ使うのもなんか勿体無いし…)」 京太郎「(ここはやっぱり探検だな!!)」 京太郎「(まぁ、所詮、インターハイの会場だからそんなに見るものもないだろうけれど)」 京太郎「(でも、やっぱり新しい場所って言うのは冒険心が疼くもんだ)」 京太郎「(いざいかん神秘を求めて…なーんて)」 尭深「…あの」 京太郎「え?」クルッ 京太郎「(…こ、これは…なんて素敵なおっぱいなんだ…!)」 京太郎「(流石に和には負けるが…制服をここまで持ち上げるのは…!)」 京太郎「(おっぱいマイスターである俺としては是非B級おっぱいの称号を差し上げたい…!)」 尭深「…その、不躾で申し訳ありません」 尭深「私と同じ制服を着た金髪ロングの女の子を見ませんでしたか…?」 京太郎「え…いや、ごめんなさい。見てないです」 尭深「そうですか…もう。何処に行っちゃったんだろう…」 京太郎「…もしかして迷子ですか?」 尭深「はい。ここに来るまでは一緒にいたんですけれど…」 尭深「ちょっと目を離した隙にいなくなってしまって」 尭深「まぁ…方向音痴と言う訳ではないので何時か帰ってくるとは思うのですが…」 京太郎「あー…もうすぐ開会式ですもんね」 尭深「はい。流石にそろそろ帰ってきてくれないとまずいなと…」 京太郎「では、俺も手伝いましょうか?」 尭深「…良いんですか?」 京太郎「えぇ。丁度、俺も暇していますし」 京太郎「それに何を隠そう。俺は迷子探しの達人なので!」ドヤァ 尭深「……え?」 京太郎「…………すみません。滑っちゃいましたか」 尭深「あ、いえ…その、ごめんなさい」 尭深「ちょっとびっくりしちゃって反応が…」 尭深「…あの…達人さんなんですか?」 京太郎「…まぁ、達人と呼べるほど大したものじゃないですけど」 京太郎「でも、日常的に迷子になる幼馴染がいるんで、迷子探しには慣れてます」 尭深「…そっちもですか」 京太郎「そっちも?」 尭深「…はい。その…身内の恥を晒すようで恥ずかしいのですが」 尭深「こっちにも一人、迷子の常習犯がいまして…」 尭深「その人は何とか全員で監視して迷子にならずに済んだのですが…」 尭深「結果、もう一人の監視が薄くなってしまって」 京太郎「あぁ、なるほど」 京太郎「それで白糸台としてもそっちの監視が必要であんまり人員を裂けないって感じですか」 尭深「…ご存知だったんですか?」 京太郎「この会場にいる奴で、白糸台の制服を知らない奴はモグリですよ」 京太郎「ついでに貴女の事も知っていますよ」 京太郎「そのおっぱいは渋谷尭深さん…ですよね」キリ 尭深「…おっぱい?」 京太郎「(…は、しまった…!?)」 京太郎「(あ、あんまりにも素晴らしいおっぱいだったんだ口が!口が素直に!!)」 京太郎「…ごめんなさい。口を滑らせてしまいました」 尭深「…ふふ。ユニークな方なんですね」クス 尭深「よろしければ、貴方のお名前を聞かせてもらって良いですか?」 京太郎「あ、清澄一年の須賀京太郎です」 尭深「清澄…?」 尭深「(…照さんと同じ名字の子が大将で…特に気にしてたあの…)」 京太郎「まぁ、清澄なんて言われても分かんないですよね」ハッハッハ 尭深「ううん。知ってますよ」 京太郎「マジっすか」 京太郎「やっべぇ。初出場だからあんまりマークされてないと思ったのに…」 京太郎「流石ですね、渋谷さん…!」 尭深「まぁ、地方予選に出てくる学校の数なんて知れてますから」 尭深「それにあの魔境・長野を勝ち抜いてきた学校となれば当然、チェックもしてます」 京太郎「あ、やっぱ外でも魔境扱いなんですか」 尭深「うん。…と言うか、地方予選決勝、すごかったですよね」 尭深「去年より強くなってた龍門渕と言い、ダークホースの鶴賀と言い、名門の風越と言い…」 尭深「何処が勝ち上がってきてもおかしくなかったと思います」 京太郎「そう言って貰えると有り難いっす」 京太郎「清澄が勝ち上がったことで長野が弱くなった…なんて事言う人もいますし」フゥ 京太郎「あ、いや、まぁ…敵である白糸台さんには油断しててもらった方が嬉しいんですけど」ワタワタ 尭深「…ふふ」 尭深「やっぱり須賀くんって面白い人ですね」 尭深「ううん、ただ面白いだけじゃなくて、とても学校思いで良い人」クス 京太郎「あー…ぅ」カァァ 尭深「…もしかして照れてます?」 京太郎「そりゃ面と向かって言われたら照れますよ」 尭深「…可愛い」 京太郎「うーあー…!」カァァァ 京太郎「そ、それよりもアレっすよ、アレ!」 尭深「アレ?」 京太郎「俺の方が年下なんて敬語とかいらないっす」 京太郎「気軽に京ちゃんって読んでくれても良いんですよ?」 尭深「…うん。じゃあ、京ちゃん」ニコ 京太郎「ごふ」 尭深「ど、どうかしたの?」ビックリ 京太郎「…いや、何処ぞの貧乳幼馴染と違って、破壊力が凄いな、と」 尭深「…そんなにおっぱいが好きなの?」 京太郎「大好きです」キリリ 尭深「そうなんだ…変わってるね」 京太郎「…変わってますか?」 尭深「うん。男でおっぱい好きなんてあんまり聞いたことないよ」 尭深「まぁ…私自身、あんまり男の人と面識ないけど」 京太郎「あー…白糸台って女子校ですもんね」 尭深「うん。まぁ…麻雀は好きだから白糸台に進んだことは後悔してないけど…」 尭深「…たまーに自分の灰色の青春が気になる事も…」ズーン 京太郎「(…そうか。女子校って事は、俺の感覚で言えば、男子校みたいなもんだし…)」 京太郎「(周り皆が男の中、青春を終えるって思ったら、そりゃ凹むよな)」 京太郎「…でも、ほら、俺とこうして友達になれたじゃないですか」 尭深「…え?」 京太郎「あ、馴れ馴れしすぎました」 尭深「う、ううん。そんな事ないけど…良いの?」 京太郎「昔の偉い人も、一度会ったら友達で毎日会ったら兄弟だって言ってますしね」 尭深「…それNHKじゃなかった?」 京太郎「細かい事は良いんです。大事なのは自分が感銘を受けたかどうかって事ですし」キリ 京太郎「それにまぁ、おっぱい大きい渋谷さんとならこっちの方がお友達になってほしいくらいですし!」 尭深「…もう。そんなにおっぱい好きなんだ」クス 尭深「…………じゃあ、触ってみる?」 京太郎「え?」 尭深「あ、勿論、服の上からだよ?」 尭深「直接、触られるのは流石に恥ずかしいし」 京太郎「い、いや…ふ、服の上からって…)」 京太郎「(って、それでも十分ヤバイんですけど!?)」 京太郎「(つーか、どうなってんの!?これホント、どうなってんのよ!?)」 京太郎「(おっぱい好き公言してたら、初対面の美少女に触っていいって言われるとかホントマジそれどんなエロゲ!?)」 京太郎「ほ、本当に良いんですか…!?」 尭深「うん。別に減るものじゃないし」 京太郎「(な、なんという痴女…!!)」 京太郎「(おとなしそうな顔してコレとかもうヤバイっすわ)」 京太郎「(股間にギュンギュンくる…って言うか…正直、辛抱堪らん…!!)」 京太郎「(正直、何も考えずパイタッチしてしまいたい…!)」 尭深「(…触ってくれるかな?)」 尭深「(正直、こんなに大きく育ったおっぱいとか…あんまり良いものじゃないと思うんだけど)」 尭深「(でも、これだけフェチ公言してるなら…きっと触ってくれるはず)」 尭深「(…と言うか、触ってくれないとちょっと凹むかも)」 尭深「(おっぱいフェチの美男子とか…絶滅危惧種に近いくらいだし)」 尭深「(正直…結構、触れてもらえるのに期待しちゃってる私がいたりして…)」ドキドキ 京太郎「じゃ、じゃあ…ちょっとだけ…」プニ 尭深「ん…♪」ピクン 京太郎「(うぉおお!うぉおおおおお!!)」 京太郎「(分かる!分かるぞ…!!)」 京太郎「(服とブラ越しだが…はっきりと分かる!!)」 京太郎「(この柔らかさ…!おっぱいだ!!)」 京太郎「(俺の探し求めていたおっぱいがここにある…!!)」 尭深「(…京ちゃん、凄い顔しておっぱい突いてる…)」 尭深「(本当にこの子おっぱいフェチなんだ…)」 尭深「(すっごい可愛い…出来ればこのままお持ち帰りしたいくらい…)」 プルルル 尭深「」ビクッ 京太郎「あ…っと」ハッ 尭深「(…もう。良いところだったのに…)」 尭深「…はい。もしもし」 尭深「…え?淡ちゃん見つかった?」 尭深「うん…うん…」 尭深「…あぁ、そうなんだ」 尭深「暇になって抜けだした…と…」 尭深「淡ちゃんらしいね」クス 京太郎「(…くぅぅ…良いところだったのに!)」 京太郎「(我が世の春がそこにあったはずなのにいいいい!!!)」 京太郎「(…まぁ、でも、おかげで少し冷静になれた)」 京太郎「(実際触っても、特に表情、エロいって感じじゃなかったし)」 京太郎「(多分、女の子にとっておっぱいは以前ほど大事なセックスアピールじゃないんだろう)」 京太郎「(つーか、その価値観が大分、男に近くなってる事を考えれば…)」 京太郎「(男で言う筋肉とか…そういう感じなのかもしれない)」 京太郎「(実際、初対面なのにあっさり触らせてもらえたしな)」 京太郎「(だから…)」 京太郎「(…その気になれば、その辺の女の子の胸も触らせて貰えるんじゃないか?)」 京太郎「(いや、仲良くなっていけば、触るだけじゃなくて揉ませて貰う事だって…)」ゴクッ 京太郎「(って…お、俺は何を考えてるんだよ…!)」 京太郎「(この世界は俺の所為でおかしくなってるんだぞ…!)」 京太郎「(そんな世界で役得を味わおうなんざゲスにもほどがある…!)」 京太郎「(今の事は忘れてしまおう…うん、忘れろ忘れろ)」 京太郎「(…………まぁ、でも、今の感触で一回くらいオナニーしても…)」 尭深「…京ちゃん」 京太郎「ひゃいっ」ビクッ 尭深「…どうしたの?」 京太郎「あ、いや、何でもないっす。本当に」シドロモドロ 尭深「…そう?なら良いけど…」 尭深「後、ごめんなさい。探してる子が見つかったから私もそろそろ戻らないと」 京太郎「あ、そうですか」 京太郎「俺は何もしてないですけど、見つかったようで何よりです」 尭深「うん。ありがとう」ニコリ 尭深「…それで…ね」 尭深「あの…おっぱい触ったからって訳じゃないけど…その…」モジモジ 京太郎「…えっと、連絡先、交換します?」 尭深「っ、い、良いの!?」 京太郎「良いも悪いも、俺も渋谷さんと交換したかったですし」 京太郎「渋谷さんさえ良ければ、またお話もしたいですから」 尭深「…私もだよ」 尭深「私も…京ちゃんともっともっとな…仲良くなりたいし…」カァァ 京太郎「はは。じゃあ、お揃いですね」 尭深「ぅん…」コクン 京太郎「じゃあ、もっと仲良くなる為にさっさと交換しましょうか」 京太郎「あんまり待たせちゃうと渋谷さんの方が迷子扱いされちゃうかもしれませんし」 尭深「…流石にそれは嫌だなぁ」 尭深「だから…うん。交換お願いします」スッ 京太郎「喜んで」スッ 咏「はぁー…」 咏「(まったく…何も開会式からプロが出なくても良いと思うんだけどねぃ)」 咏「(解説の本番は明日からなんだし、打ち合わせとかも当日で良いじゃん)」 咏「(なのに見栄の為にもう出勤させられるとか…ホントわっかねー)」 咏「(…まぁ、一応、ギャラは発生するからちゃんとお仕事するけどさー)」トテトテ 尭深「ん…♪」 京太郎「おぉぉぉ…」 咏「(…ってなんだよ、あのカップル)」 咏「(こんなところで胸なんか触らせてさー)」 咏「(こっちは万年貧乳かつ喪女だってのに…魅せつけるなんて)」 京太郎「…」ゴクッ 咏「(…ってか、男の方、結構、格好良いよなぁ)」 咏「(まぁ、流石に夏場だって言っても、第二ボタンまで開けてるのはちょっと恥じらいがなさすぎるけど)」 咏「(でも、愛の無いお付き合いをするには悪くない相手かもねぃ)」 咏「(…ま、こっちは処女だけどさ!!)」 咏「(でもさ、一応、腕力としてはこっちの方が強い訳だし)」 咏「(無理矢理、手錠でもハメて、驚いてるところを唇奪って…)」 咏「(そのまま顔中ベタベタにする勢いでなめまわしながら、服の中にてぇ突っ込んで…)」 咏「(乳首とか色々と触りながら前戯して、勃起したら即座に合体)」 咏「(そのまま処女穴で射精するまで何度も何度も生レイプ…)」 咏「(…うん。良いね、すっごく良い)」 咏「(あんなに大きな身体の男が私の下で泣きじゃくりながらよがり狂うの想像しただけで…)」 咏「(子宮からドロドロっとしたのが漏れでて来ちゃうくらい…)」 咏「(…………ってあれ?)」 咏「(なんであの二人、連絡先交換してんの?)」 咏「(…え、もしかして私、援交現場とか見ちゃってる?)」 咏「(なんて羨ま…い、いや、違う。そうじゃない)」 咏「(…とりあえず観察して……)」 咏「(ふーん…なるほど)」 咏「(…あの二人、まだ出会ったばっかりなんだ)」 咏「(あの男も…出会ったばっかりなのに…あんな事するような淫乱なんだ…)」キュン 咏「(だったら…)」ゴクッ 尭深「…じゃあ、京ちゃん、またね」 京太郎「えぇ、また」 京太郎「(ふっふっふ…やったぜ、俺)」 京太郎「(これで俺の持つ巨乳連絡先が一つ増えたぞ!!)」 京太郎「(…まぁ、増えたところでどうこうなる訳じゃないんだけどさ)」 京太郎「(まだ友達にはなったばかりでお互いに恋愛感情はない訳だし)」 京太郎「(だが、巨乳の連絡先と言うだけで、俺にとっては黄金に値するほど尊い…!!)」 京太郎「(これを縁に仲良くなって、今度はあのおっぱいを直接触ったり…)」グヘヘ 咏「見ちゃったぞー」 京太郎「うぇ?!」ビクッ 京太郎「ってみ、三尋木プロ!?」 咏「って、私の事知ってるんだ」 京太郎「そりゃ当然じゃないですか」 京太郎「日本でもトップクラスの女子プロとなれば、顔と名前くらい覚えてますよ」 咏「そっかそっかー」 咏「若いのに関心だねぃ君」ケラケラ 咏「(…こりゃ思いの外、簡単に食べられちゃうかもねぃ)」ペロ 咏「ところで君はどうしてここに?」 咏「今日は女子の開会式だぜ?」 京太郎「あ、俺は付き添いです」 京太郎「俺の通ってる学校…えっと、清澄って言うんですけど」 京太郎「そこが今日の開会式に出るんで」 咏「清澄清澄……あぁ、長野の?」 京太郎「えぇ。そうです」 京太郎「ご存知なんですか?」 咏「まぁ、これでもプロだからねぃ」 咏「わっかんねー事は沢山あるけど、調べ物は欠かさないぜ」 京太郎「すげー…っ」キラキラ 咏「(…なんて純真な目)」 咏「(淫乱そうな見た目とは裏腹に、割りと清純派なのか?)」 咏「(…まぁ、どっちにしろ…超そそる)」ゾク 咏「(こんな子を穢すと思っただけで…もう今日は眠れなくなっちゃいそうだよ…)」 咏「しかし、清澄の男子は…」 京太郎「あぁ。俺は初戦敗退でインハイには来れなかったッス」 京太郎「まぁ、初めて数ヶ月ですし仕方ないんですけどね」 京太郎「でも、来年は必ず自分の足でここにやってきてみせますよ」 咏「(これは…チャンス…!)」キュピーン 咏「ほうほう。最近の男子にしちゃ随分とやる気に満ちてるねぃ」 咏「気に入ったよ、それだけやる気があるなら私が直接指導してあげる」 京太郎「ま、マジっすか!?」 咏「うんうん。まぁ、私も解説の仕事とか色々とあるけれど…」 咏「インハイが終わるまではあっちこっち飛び回ったりはしないからねぃ」 咏「君一人の指導くらいはしてあげられるよ」 京太郎「で、でも…ほ、本当に日本のトッププロが俺なんかの為に…」 咏「後進の育成もプロの務めだよ」 咏「それにわっかんねーけど、君には見どころがありそうだしねぃ」 京太郎「ほ、本当ですか!?」パァァ 咏「(…うん。まぁ、精液奴隷としての見どころだけどねぃ)」 咏「(麻雀の腕?そんなの本気でわっかんねー)」 咏「(一喜一憂するこの子をどう穢すかで頭が一杯で、麻雀の実力なんかまったくこれっぽっちもわっかんねー)」 咏「で、良ければ私とも連絡先を交換しない?」 咏「こっちの都合が良い時になるけれど、指導してあげるぜぃ」 京太郎「お、お願いします!」ペコ 咏「(…掛かった…!)」 咏「(ふふ…これでこの子は半分、堕ちたも同然…)」 咏「(まぁ、今日はこのままお仕事だから、そのままパクリって訳にはいかないけどさ)」 咏「(でも、さっき私が言った通り…時間をつくる事は可能なんだから)」 咏「(今日は肉が熟成するのを楽しみに待ちながら…)」 咏「(思いっきり部屋でオナニーでもしよう)」ジュン 京太郎「ふんふふんふんふーん」スキップ 京太郎「(やべー。今日マジやっべー)」 京太郎「(東京に来て一日目でおっぱい美少女のおっぱい触った上、知り合いになって…)」 京太郎「(さらには日本のトッププロから直接指導を受けられるようになったなんて…!)」 京太郎「(東京ってすげぇよ…マジチャンスの宝庫だよ…!)」 京太郎「(やっぱり若い内は無理をしてでも東京出てチャンスをつかむべきなんだな…!)」ルンルン ツル 京太郎「っ!?」 京太郎「(って、しまっ!?)」 京太郎「(床すべ…ワックス…!?)」 京太郎「(ダメ、止まれな…)」 由暉子「…ん?」 京太郎「(前…人…!?逃げ……!!)」 由暉子「ひあ…!?」ガツン 京太郎「ぬぉあ…!!」ドシン 京太郎「い…ててて…」 京太郎「(…くっそ…ワックスか何かが残ってたのか…)」 京太郎「(アソコだけやけに滑って…人にぶつかってしまったじゃねぇか)」 京太郎「(…まぁ、何とか反応間に合って俺の方が下になれたけれど…)」 由暉子「………」ウマノリ 京太郎「(って口で愚痴ってる場合じゃないよな)」 京太郎「(ほぼ曲がり角での事故だったとは言え、俺が巻き込んだのは事実なんだし)」 京太郎「(まずこの子にお詫びしないと…)」 京太郎「あ、ごめんなさい」 由暉子「あ、いえ、こちらこそごめんなさい」ペコ 京太郎「え…?」 由暉子「…この態勢…所謂、ToLoveってしまったと言う奴です」 京太郎「(…あー…まぁ、確かに服さえなければ騎乗位っぽい態勢になってるけど)」 由暉子「なので、私は責任をとらなければいけません」 京太郎「はいぃ!?」 京太郎「(責任!?一体、何の!?)」 由暉子「大丈夫です。安心して下さい」 由暉子「不慮の事故とは言え、私は責任逃れするつもりはありませんから」 由暉子「この子と一緒に強く生きていきましょう、アナタ」サスサス 京太郎「ちょ、ま!?待って!待ってください!!」 由暉子「…?」クビカシゲ 京太郎「あ、可愛い」 由暉子「…いきなりそんな事言われると恥ずかしいです」 由暉子「出来れば、そういうのはベッドの中で…」モジ 京太郎「あ、う、動かないで!そ、そこ真上だから!!」 京太郎「って言うか、その早くどいてくれると嬉しいんですが…!!」 由暉子「……そうですね」 京太郎「(何故、今、一瞬の躊躇があったのかは聞かないでおこう)」 由暉子「…まずは役所に婚姻届を出しに行かなければいけません」 京太郎「どうしてそう飛躍するんですか…!」 由暉子「幸せな未来に羽ばたかなければいけないので」 京太郎「誰が上手いこと言えと…!!」 由暉子「上手い事…?」キョトン 京太郎「しかも、素かよ!くっそ可愛いなぁ、マジで!!」 由暉子「…」テレテレ 京太郎「…まぁ、それはさておきですね」 由暉子「はい」 京太郎「そろそろ本気でどいてください」 由暉子「…このままじゃダメですか?」 京太郎「ダメです」 由暉子「…そうですか。残念です」 京太郎「(…ふぅ。渋々って感じだけどのいてくれたか…)」 京太郎「で、まずお聞きしたいんですが」 由暉子「あ、私は有珠山の一年、真屋由暉子といいます」ペコリ 京太郎「これはご丁寧に」 京太郎「俺は清澄の一年、須賀京太郎です」ペコリ 由暉子「…なるほど。同い年なんですね」 由暉子「安心しました」 由暉子「これで二人一緒に大往生を迎えられる可能性がグっと上がりましたし」 京太郎「とりあえず結婚から離れて下さい」 由暉子「…でも、私が押し倒してしまった訳ですし」 由暉子「現実は少女漫画のように甘くはないのですからちゃんと責任をとるべきだと思います」 京太郎「その責任感の強さは魅力的ですが、今は発揮しなくて大丈夫です」 由暉子「…魅力的ですか」テレテレ 京太郎「はい。ですが、個人的には後ろの方をより注目してくれると嬉しかったです」 由暉子「ちなみに須賀くんは男の子と女の子はどれだけ欲しいですか?」 京太郎「男1女1が理想だと思ってますが、結婚の話題からそろそろ離れて下さいお願いします」 由暉子「そうですか。私も同じです」 由暉子「やっぱり私達、相性が良いですね」 京太郎「はい。真屋さんほどの美少女と相性が良いのは俺も嬉しいですが、とりあえず話を先に進めましょう」 由暉子「あ、私は由暉子で結構ですよ。後、敬語も必要ありません」 京太郎「いえ、お願いですから敬語でいかせてください」 由暉子「……須賀くんは意地悪です」 京太郎「寧ろ、俺は今、人生で最も寛容だと言っても良いと思います」 京太郎「後、押し倒したとかそういうの気にしなくて良いですよ」 京太郎「つーか、ぶつかったのはこっちの方なんですから」 京太郎「真屋さんは被害者です」 由暉子「…そう言えばそうでしたね」 京太郎「(普通に忘れてたのか、この人)」 由暉子「男の人を押し倒してしまったって事で頭が一杯でした」 京太郎「あー…その、ホント、ごめんなさい」ペコ 由暉子「謝らなくても大丈夫です」 由暉子「…と言うか、須賀くんの方こそ大丈夫でしたか?」 由暉子「私の下敷きになって重かったのでは…」 京太郎「いや、重いなんて事はなかったですよ」 京太郎「買い出しの荷物の方がよっぽど重かったくらいです」 由暉子「……そうですか」テレ 京太郎「(…女と男の価値観なんかが逆になってる感じだけど…)」 京太郎「(やっぱり今でも女の子はこの辺、気になるもんなんだな)」 京太郎「(ただ、真屋さんは本当に軽かったし、気にするほどでもないと思うんだけど)」 京太郎「(…つーか、身体もびっくりするほど小さいし、もっと食うべきだって言っても良いと思うんだよな)」 京太郎「(そうすれば和並の巨乳もさらに大きく…ってそれはさておき)」 京太郎「真屋さんの方は怪我とかありませんか?」 由暉子「はい。須賀さんが庇ってくれたおかげで何ともないです」 由暉子「…女としては情けない話ではありますが」 京太郎「いやいや、そんな事気にしないでください」 京太郎「大体、真屋さんは有珠山の選手でしょう?」 京太郎「それが怪我で牌を握れなくなった…なんて事になったらこっちの方が申し訳なくなっちゃいます」 由暉子「ご存知だったんですか?」 京太郎「勿論です。これでも全国に出てくる学校は全てチェックしてますから」 京太郎「(…世界が変わってから買い出しに行かされなくなって暇になったからなぁ)」 由暉子「それは素直に嬉しいですね」 京太郎「はは。まぁ、俺は敵側の人間なんで、素直に応援してあげる事は出来ませんけれど」 由暉子「敵…?」 由暉子「…………あれ、もしかして男の人じゃなくて女の人だったんですか?」 京太郎「男です」キッパリ 由暉子「そうですか。安心しました」 由暉子「こんなに可愛い女の子がいたら、ちょっと太刀打ち出来ないので」 京太郎「いや、俺は可愛いとは縁遠い気がしますよ」 京太郎「と言うか、太刀打ちって一体、何ですか?」 由暉子「有珠山は打倒瑞原はやりを掲げていますので」 由暉子「ゆくゆくは牌のお姉さんの座を奪うのが目標…らしいです」 京太郎「らしいって」 由暉子「個人的にはあまり興味がないものですから」 由暉子「ただ、皆と色々な事をするのは楽しいですし…」 由暉子「何より、先輩たちには返しきれないほどの恩があります」 由暉子「それを返すためにも全力で取り組む所存です」 京太郎「(…あぁ、なるほど)」 京太郎「(この子、ちょっと変…と言うかかなり天然入ってるけど)」 京太郎「(でも、一生懸命で友達思いの良い子なんだな…)」 京太郎「(さっきその独特の勢いにびっくりして敬語のままで…なんて言ったけれど)」 京太郎「(ちょっと悪い事をしてしまったかもしれない)」 由暉子「まぁ、そういう訳なので、今はこのインハイで目立とうと思っているんですが」 京太郎「ですが?」 由暉子「…ちょっと不安もあります」 由暉子「ここに来て周りを見れば私よりも可愛かったり綺麗な子ばっかりで」 由暉子「そんな人達の中で、一際目立つ事が出来るのかな…と」 由暉子「先輩たちは私ならば大丈夫だと言ってくれていますが…」 京太郎「…大丈夫ですよ」 由暉子「え…?」 京太郎「真屋さんは色々と独特な雰囲気のある人ですから」 京太郎「そのまま自然体でいれば、人の目も惹くでしょうし」 京太郎「何より、貴女はとても可愛くて魅力的です」 京太郎「顔立ちも整っていますし、スタイルだって抜群じゃないですか」 京太郎「正直、うちの貧乳幼馴染にも分けてあげて欲しいくらいですよ」 由暉子「…ごめんなさい、流石にそれは無理です」 京太郎「分かってます、言葉の綾ですから」 京太郎「まぁ、何はともあれですね」 京太郎「俺が言いたいのは真屋さんならインハイで一番目立つのも不可能じゃないって事ですよ」 京太郎「それは他の出場校全部をチェックしている俺が断言します」 由暉子「…須賀さん」 京太郎「まぁ、麻雀ではウチも負けませんけどね」 京太郎「こっちの雀士は粒ぞろいですから」 京太郎「アイドル勝負では負けても、麻雀では勝ってみせます」 由暉子「…ダメですよ」 由暉子「アイドル勝負でも麻雀でも…勝つのは私達、有珠山です」 由暉子「先輩たちはとっても欲張りで…そして頑張り屋なんですから」 由暉子「清澄がどれだけ強かろうと、私達が優勝してみせます」 由暉子「……でも」 京太郎「ん?」 由暉子「…ありがとうございます、須賀さん」 由暉子「こんな事先輩達には言えなかったので、少し…いえ、とても気が楽になりました」ニコ 京太郎「(うぉお…や、やべぇ…今の笑みドキッとした…)」 京太郎「(さっきまでほとんど表情が変わらなかったのに、この瞬間だけ子どもみたいに嬉しそうにして…)」 京太郎「(こんなの絶対反則だろ…!)」 由暉子「…須賀さんは不思議な人ですね」 京太郎「そ、そうですか?」 由暉子「はい。初対面の私がついつい弱音を漏らしてしまったのもそうですけど…」 由暉子「私が男性器に触れてしまったのにあっさりと許してくれるなんて…」 京太郎「その話はもう忘れましょう」 由暉子「…責任とらなくて良いですか?」 京太郎「とらなくて大丈夫です」 由暉子「……やっぱりこういう事に慣れてるんですか?」 京太郎「慣れてません」 由暉子「じゃあ、責任…」 京太郎「話題、ループしてますよ」 由暉子「…じゃあ、せめて連絡先だけでも聞かせてもらえないですか?」 京太郎「連絡先…ですか?」 由暉子「はい。さっき励まして貰ったお礼もしたいですし」 由暉子「それに生殖器同士で接触してしまった縁をここで終わりにするのも寂しい話ですから」 京太郎「接触はしてません」 京太郎「って言うか、それお願いですから他の人に言わないで下さい」 由暉子「……ダメですか?」 京太郎「ダメです」 京太郎「…まぁ、でも、連絡先交換してくれるのであれば、喜んでお受けしますよ」 京太郎「他の部員と違って、俺、麻雀弱いんで色々とアドバイスなんかも欲しいですし」 由暉子「私で良ければ何時でもお付き合いしますよ」 由暉子「ネト麻のアカウントも持っていますから対局も可能です」 京太郎「あ、じゃあ、そっちもまた聞かせてください」 由暉子「はい。勿論です」 京太郎「…はい。登録完了っと」 京太郎「…あ、そう言えば、真屋さんはどうしてここに?」 京太郎「そろそろ開会式も始まる頃だと思うんですが」 由暉子「………あ、そう言えば」 京太郎「そう言えば?」 由暉子「…私、トイレに行こうとしてたんでした」 京太郎「え?」 由暉子「……思い出したら尿意が」ブル 京太郎「ちょ、ストップ!ストップです!真屋さん!!」 京太郎「ここでやっちゃうと色々とアウトですから!!」 由暉子「頑張ります」 由暉子「…でも、トイレってどっちの方角にありますか?」 京太郎「…俺が入り口まで案内しますね」 由暉子「宜しくお願いします」フルフル ~インハイ会場~ 京太郎「(って訳でインハイもスタートした訳だけれど)」 京太郎「(あんまり俺がやる事がある訳じゃないんだよなぁ)」 京太郎「(勿論、俺の立ち位置はほとんどマネージャーだし、色々とサポートする事はあるけれども)」 京太郎「(でも、皆が見れない試合を見に行くくらいで牌譜作りとかを任されてる訳じゃなく)」 京太郎「(暇って程じゃないけれど…なんとなく手持ち無沙汰って言うか)」 京太郎「(もうちょい色々とやらせてくれても良いんだけどなぁ)」 京太郎「(気遣ってくれるのは有り難いんだけれど、俺だって皆の事をもっとサポートしたい)」 京太郎「(まぁ、とりあえずタコス娘のタコスは俺でも作れるようになったし)」 京太郎「(わざわざ外に補給しに行かなくても良くなったって言うのは大きいはずだ)」 京太郎「(これを期にまたいろんなことを任せてくれれば良いのになぁ…って)」 ネリー「んーっ!」ノビー 京太郎「(…あの特徴的な服は…)」 京太郎「…どうしたんです?」 ネリー「え?」 京太郎「もしかしてボタン届きません?」 京太郎「俺で良ければ押しましょうか?」 ネリー「…あ、じゃあ、そこの剛拳武茶って奴を…」 京太郎「はい」ピッ ガコガコン ネリー「ありがとう。助かった」ニコ 京太郎「いえいえ」 京太郎「じゃあ、俺はこれで」 ネリー「あ、ち、ちょっとまって」 京太郎「はい?」 ネリー「……」ジィィィ 京太郎「(…なんで俺は自販機の前にいた合法ロリを助けたらじっと見つめられているんだろう)」 京太郎「(しかも、視線に隙がない…って言うか、思いっきり値踏みされてるみたいな感じだし…)」 京太郎「(…とりあえず相手は臨海の大将だって事は分かるけど…何か気に障ってしまったんだろうか)」 ネリー「うーん……分かんない」 ネリー「…資産レベルは中金持ちってところだと思うのに…」 ネリー「なんでこんなにヤバイ匂いがするのかなぁ…」 京太郎「…え?」 ネリー「ねぇ。君のところって何かすっごいお宝とかない?」 ネリー「それも…多分、普通の資産では換算出来ないような奴」 京太郎「そんなものあるはずが…」 京太郎「(…いや、あるわ)」 京太郎「(結局、封印出来ないまま放置してたあの石版)」 京太郎「(今は実家のタンスに幾重にも布被せて隠してはいるけれど…)」 ネリー「…へぇ、あるんだ」ニヤ ネリー「ね、ちょっと色々と『お話』しない?」 京太郎「い、いや、俺、ちょっと忙しいんで…」 ネリー「忙しいって言っても、どうせ他校の偵察かなんかでしょ?」 ネリー「それなら大丈夫。私も同じだから」 ネリー「良ければ、色々と解説してあげたりもするよ」 京太郎「う…」 京太郎「(…確かにそれは魅力的だ)」 京太郎「(ド素人の俺とは違って、この人はあの名門臨海の大将)」 京太郎「(いずれ世界でも活躍する事を約束されている若手ホープなんだ)」 京太郎「(その人が解説してくれるとなれば、俺一人で色々と見て回るよりも効率が良い)」 京太郎「(それは…俺も分かってるんだけど…)」 ネリー「…どうどう?」 ネリー「『お話』するだけでこんなにサービスして貰えるなんて滅多にないよ?」 ネリー「普段ならお金取るからね!それもガッツリ!」 京太郎「どんだけ守銭奴なんですか」 ネリー「そりゃ未来のトッププロの解説だもん」 ネリー「安売りしちゃ相場崩して他のプロにも迷惑掛けちゃうしね」 ネリー「それくらい当然です」キリリ 京太郎「(…それっぽい事言ってるけど、確かこの人、まだプロじゃなかったんだよなぁ)」 京太郎「(それにまぁ…性格的にどう考えても守銭奴だし)」 京太郎「(多分、この人、まず何よりお金が好きってタイプだ)」 ネリー「あ、それと私に敬語使わなくても良いよ」 ネリー「もうわかってると思うけど、私一年だから、多分、同い年か、君の方が年上だから」 ネリー「呼び方もネリーで良いし」チラッ 京太郎「(…だから、話しようぜって事ですね分かります)」 京太郎「……分かったよ」フゥ ネリー「ホント!?」パァ 京太郎「あぁ。…でも、家の資産の事とか突っ込まれても応えられないからな」 京太郎「流石にそこまでは俺も知らないし」 ネリー「大丈夫。流石にそこまでは聞いたりしないよ」 ネリー「ただ、ちょっとお話して仲良くなって…それからちょっと調べるだけだから」ニヤリ 京太郎「…調べるって?」 ネリー「日本って便利だよね」 ネリー「お金は掛かるけどこーしんしょってところでほとんど資産が丸裸になっちゃうんだから」ニッコリ 京太郎「こえぇ…」 京太郎「(…なんだ、この合法ロリ)」 京太郎「(普通の高校生と発想が違うぞ)」 京太郎「(まぁ、外国育ちだから、価値観が違うのも当然かもしれないけど…)」 京太郎「(普通の高校生で興信所の事しってる奴なんてどれだけいるんだってレベルだと思うんだが…)」 ネリー「それに私はあんまり君のトコの資産には興味ないし」 ネリー「これでも色々とパトロンもいるから、大金持ちレベルとの付き合いもあるしね」 ネリー「中金持ちレベルだって分かってる君のところを調べて無駄金使いたくないもん」 京太郎「…ちなみにそれ何で分かるんだ?」 ネリー「え?匂い」 京太郎「こえぇよ、マジで」 ネリー「えー。なんとなくだけど分かるでしょ」 ネリー「お金の匂いとかそういうの」 京太郎「いや、普通は分からないし、分かったとしても相手のレベルを判断出来るレベルじゃないと思う」 ネリー「まったく…これだから平和ボケしてる日本人は」 京太郎「平和ボケは関係ねぇよ」 ネリー「むむむ…」 京太郎「何がむむむだ」 ネリー「まぁ、私が興味あるのは君の家の資産以外」 ネリー「それも私がビビビって来るような何かだけだから安心して」 京太郎「まったく安心出来ねぇよ」 ネリー「あ、もしかして私の事好きになった?」 ネリー「ダメだよ、私の事、好きにしたいならせめて大金持ちレベルになってくれないと」 京太郎「安心してくれ。貧乳にはまったく興味はない」 京太郎「(…ただ、どうしてだろうな)」 京太郎「(あまり人を見る目があるってつもりはないんだけれど…)」 京太郎「(この子はあんまり悪い子には見えない)」 京太郎「(まぁ、確かに守銭奴だし、価値観が違うって感じる事も多いけれど)」 京太郎「(でも、ここまでオープンだといっそすがすがしいって言うかさ)」 京太郎「(ちょっと変わった子ではあるけれど…まぁ、嘘のつけない子ではあるんだろう)」 京太郎「(まぁ、その価値観が独特ではあるから、色々と警戒が必要だけれども)」 京太郎「(こんな子にあの石版の事知られたらどうなるか分からないからなぁ…)」 京太郎「ま、それよりもそろそろ行こうぜ」 京太郎「あんまりここにいて試合始まっちゃ偵察の意味がなくなるし」 ネリー「そうだね。ってあ、そうだ」 京太郎「ん?」 ネリー「私、まだ君の名前聞いてない」 京太郎「あぁ。須賀だよ」 京太郎「清澄一年の須賀京太郎」 ネリー「あ、じゃあ、やっぱり同い年なんだ」 ネリー「多分、そうだと思って普通に話してたけどちょっぴり安心した」ニコ 京太郎「(…この子、守銭奴な癖に笑顔だけは綺麗なんだよなぁ)」 京太郎「(ロリロリしい外見に相応しい純真な笑みにころっと騙されそうに…)」 ネリー「…後、名前もあっさり教えてくれたし…これで調べるキッカケも出来たよ」ニヤリ 京太郎「ホント、油断も隙もねぇのな」 ネリー「ふふーん。油断する方が悪いんだよー♪」 京太郎「(…で、まぁ、色々と話しもしていたけれど)」 京太郎「(なんつーか、思った以上に常識的な話しかしなかった)」 京太郎「(まぁ、勿論、油断も隙もないのは確かなんだけれども)」 京太郎「(でも、思ってた以上に踏み込んだ話はしなかったっていうか)」 京太郎「(ごくごく普通の友人同士としての話で始終してた)」 京太郎「(本人は油断を誘う為だって言ってたけど…まぁ、そのとおりなんだろうな)」 京太郎「(実際、ネリーに用事が出来た頃には連絡先くらい交換してもいいかって気になってたし)」 京太郎「(…なんだか上手く乗せられちゃってる気がするんだけど…)」 京太郎「(まぁ、それがあんまり嫌じゃないっていうか)」 京太郎「(あっちも割りと正直で、打てば響くような会話を続けられるからそれなりに楽しかった)」 京太郎「(…まぁ、それももう終わっちゃったけど…あのネリーの事だ)」 京太郎「(まだ石版の事に何も確信を得られてないって事で、頼んでもないのに話しかけてくるだろう)」 京太郎「(それよりも今は喉が乾いてるしジュースジュース…っと)」 照「……あ」バッタリ 京太郎「あれ?」バッタリ 京太郎「(…ってアイエエエエエエ!?チャンピオン!?チャンピオンナンデ!?)」 京太郎「(いや、まぁ、一応、ここインハイ会場だし、エンカウントしてもおかしくないんだけども!!)」 京太郎「(でも、相手はチャンピオンだぞ!!去年一位だった人なんだぞ!?)」 京太郎「(まさかこんな普通の草むらみたいな場所でバッタリ会うなんて想像出来るか!!)」 照「……やっぱり京ちゃんだった」 京太郎「え?」 照「京ちゃんの匂いが尭深に染み付いてたから…きっと京ちゃんもこっちに来てると思って…」 照「一生懸命、探した甲斐があった…」ニコ 京太郎「いや、連絡先知ってるんだから、LINEの一つでもくれればよかったのに」 照「……久しぶりの再会には、やっぱりロマンが必要かなって」 京太郎「(あ、これ完全に忘れてたな)」 照「…それより久しぶり、京ちゃん」 京太郎「ですね。まぁLINEとかで連絡はしてますけど」 照「…以前に比べて連絡してくれる事は減った」 京太郎「い、いや、その…照さんも忙しいかなって思って」 照「忙しいけど、幼馴染をないがしろにするほどじゃない」 照「…………どうせ、おっぱいの大きい子に夢中になってたんでしょう?」 京太郎「い、いやぁ、んな事ないですよ、えぇ」メソラシ 京太郎「(…丁度、照さんが引っ越した時期とモモと知り合った時期が重なるけれど言わないでおこう)」 照「…隠してもバレバレ」 照「これでも私はお姉ちゃんだから」 照「京ちゃんがどういう本を何処に隠してるのかもバッチリサーチ済み」フンス 京太郎「プライバシー侵害で訴えるぞ、宮永」 照「…大丈夫。私はお姉ちゃんだから」 京太郎「それは何でも許される免罪符じゃないんだよなぁ…」 照「…それより京ちゃん」 京太郎「はい?」 照「お姉ちゃんに何か言う事ない?」 京太郎「あー…その、綺麗になりましたね」 照「…」テレテレ 照「…って違う。そうじゃない」 京太郎「あー…それじゃあ咲の事ですか?」 京太郎「知ってると思いますが、あいつもこっちに来てますよ」 照「…それも違う」 照「と言うか私に妹なんていない」スネー 京太郎「はいはい」 京太郎「じゃぁ…えっと…」ウーン 京太郎「…………すみません。分かんないっす」 照「…京ちゃんは本当にダメな弟」 照「略してマダオ過ぎ」 京太郎「マはどっから来たんだポンコツ姉」 照「そんなマダオな京ちゃんに私が応えを教えてあげる」 京太郎「聞けよ」 照「…………私の胸、2cm大きくなったよ」ドヤァ 京太郎「…………あ、おめでとうございます」 照「うん。ありがとう」 照「日頃頑張ってた成果が出ました」ニコリ 京太郎「…うん。で、それを俺に言った意味は?」 照「…京ちゃんおっぱい好きだから、大きくなった私の胸揉むかなって」 京太郎「まな板にどれだけ+してもまな板である事には変わらないんだよなぁ」 照「…」ゲシゲシ 京太郎「い、いてててっ」 照「まったく京ちゃんは素直じゃないんだから」 照「どれだけ釣らない態度をとっても私には京ちゃんの視線が胸にいってる事はお見通し」 京太郎「いや、照さん小顔だからそっち見ると自然にまな板まで視界に入るだけなんですが」 照「…」ゲシゲシ 京太郎「いてて!だ、だから脛は!脛はNGだって…!」 照「…揉みたいでしょ?」 京太郎「いや、まったく」 照「…揉みたいに決まってる」 京太郎「貧乳に興味はねぇよ」 照「揉みたいって言え」ギュルルル 京太郎「ちょ、待って!それ洒落にならない!!」 京太郎「それ絶対にダメな奴だから!!!」 照「…大体、尭深の胸を揉んだのに私の胸を揉まないとか不公平…」スネー 京太郎「貧乳と巨乳が同じ権利を享受出来ると思うなよ」 照「…私はこの日の為に頑張ってバストアップに勤しんできたのに…」 京太郎「どうせお菓子食べてたとかそんなのだろ」 照「…どうして分かったの?」 照「まさか私と離れてる間に京ちゃんがエスパーに…」ハッ 京太郎「目覚めてねぇよ」 照「…良かった」 照「私が京ちゃんに対して行ってるアレやコレやと言った妄想を知られたら生きていけない」 京太郎「俺も出来ればそれを知りたくなかったかなぁ」 照「ちなみに京ちゃんの匂いで私の下着はもうグチョグチョになってるから」 照「…後で履き替えるけど、今のショーツいる?」 京太郎「いらねぇよ!!!」 照「一応、シルクのだから扱き心地は良いと思うよ」 京太郎「そういう問題じゃねぇんだよ」 照「…………あ、すべすべよりもゴワゴワの方が好み?」 照「ごめん。私、あぁいうの肌があれて苦手だから…」 京太郎「種類の問題じゃないって言ってるダロォ!」 照「…………で、こうやって隙見せてるのに何時になったら揉んでくれるの?」 京太郎「俺はもう今の会話で完全に手一杯だったよ!」 照「…京ちゃんの癖に中々、上手な切り返し」 京太郎「そういう意味じゃないから!!」 京太郎「…と言うかアレだよ」 京太郎「久しぶりに会った幼馴染との会話がコレってどうなんだよ」 京太郎「他の男にこういう会話してないよな…?」 照「…もしかして独占欲?」クス 京太郎「寧ろ、照さんが嫁入り出来るかどうか心配してるんだよ、こっちは」 照「大丈夫。他の人の前では猫かぶってるから」 京太郎「…まぁ、記者会見とかだと結構、マトモっぽく見えるけどさ」 照「…見ててくれたんだ?」 京太郎「そりゃ…まぁ、幼馴染の晴れ舞台だしさ」 照「…そっか」ニコ 照「…でも、ごめん。私、京ちゃんの晴れ舞台とか見てなかった…」 京太郎「あぁ、うん。折角、いい話になりかけてたのに台無しになったな」 照「…だから、その分、身体でお詫びを…」 京太郎「いらねぇって言ってるだろ」 照「……京ちゃんのイケズ」 照「私…京ちゃんとズッコンバッコンするのを楽しみに今日まで待ってたのに…」 照「どうしてエッチな事してくれないの?」 京太郎「公衆の面前でそんな事言い放つ幼馴染の相手で一杯一杯だからだよ」 照「…普段は我慢してるんだからこれくらい許して欲しい」 京太郎「まぁ、それだけ信頼してくれてる事に感謝する気持ちがない訳じゃないけど」 京太郎「でも、出来れば異性って事で控えてくれると俺は嬉しいかな」 照「…まだこれは先走りだよ?」 京太郎「何故、それで例えようと思った」 照「こっちの方が京ちゃんも馴染みがあるかなって」 京太郎「うん。そういう心遣いはいらないかな」 照「…………まぁ、でも」 京太郎「ん?」 照「……こうやって私が自分を曝け出せるのは京ちゃんだけだから」 照「私が私でいて引いたりしないのは…京ちゃんだけだから」 照「だから…久しぶりに会えて…本当に嬉しい」ニコ 京太郎「照さん…」 照「…………じゃあ、再会を祝して、一緒にラブホ、行こっか?」 京太郎「せめて一分はこの雰囲気持たせろよ!!!」 京太郎「はぁぁぁ…」 京太郎「(疲れた…いや、ホント、マジ疲れた…)」 京太郎「(なんかこうアレだけ世界観が違うレベルで疲れきったわ)」 京太郎「(まぁ…決して楽しくなかった訳じゃないけどさ)」 京太郎「(初対面の他人ならともかく、相手は照さんだし)」 京太郎「(子どもの頃から見知った相手との会話はやっぱり久しぶりで…)」 京太郎「(まぁまぁ…楽しかったとそう言えるものではあったんだけど…)」 京太郎「(この前まで普通だったじゃん!!)」 京太郎「(俺が照さんと別れた時はあくまでも普通だったじゃぁああん!?)」 京太郎「(なのに、なんで再開したらオープンスケベの変態になってるんだよおおおお)」 京太郎「(いや、石版の所為なんだろうけどね!)」 京太郎「(ひいては俺の責任なんだろうけれども!!)」 京太郎「(…なんか俺が知らないだけで昔からあんな感じだったのかなぁって思うと)」 京太郎「(ちょっと…いや、結構、ショックを受けてる俺がいて…)」フゥ 竜華「…ね、そこの君」 京太郎「ふぇ?」クル 京太郎「(って、こ、この人は…!?)」 京太郎「(大阪の名門、千里山の大将…清水谷竜華さんじゃないか!!)」 京太郎「(おぉ…雑誌で見てたけど…やはり良いおっぱいだ…!)」 京太郎「(千里山はあまりおっぱい偏差値高くはないが…)」 京太郎「(その分、一人で他校のおっぱい担当と渡り合えるほどの大きさ…!!)」 京太郎「(だが…彼女が特筆すべきはおっぱいだけじゃない)」 京太郎「(生まれた時からおっぱい派閥であった俺でさえ認めざるを得ない…その太もも!!)」 京太郎「(く…思わず宗旨替えが脳裏に浮かぶほど…魅惑的なむっちりさ加減じゃないか…)」 京太郎「(これもう凶器だろ、どう考えても青少年の育成に不適切だって)」 京太郎「(18歳未満は見られないようモザイクを掛けるべきだとボクぁ思うな)」 京太郎「(…いや、それだったら余計にエロくなってダメか、うん)」 竜華「あ、あの…」 京太郎「あ、い、いや、ごめんなさい」 竜華「ううん。うちの方こそいきなり話しかけてごめんね」 竜華「その、さっきから結構、ため息吐いとるからちょっと気になって」 京太郎「あー…もしかして心配させちゃいましたか」 竜華「心配って程大したもんやないけどね」 竜華「でも、まぁ…目の前でそうため息を吐かれるとやっぱ気になるし」 竜華「何か悩み事があるんやったら吐き出していかへん?」 竜華「これでも口は硬い方やで」ニコ 京太郎「…天使だ、天使がいる」 竜華「え、えぇぇ…」カァァ 竜華「い、いきなりそんなん言われたら照れるやないの…」モジ 京太郎「(あぁ、なんて常識的な反応…)」 京太郎「(照さんで荒んだ心が癒やされていくのを感じる…)」 竜華「それに…うちは天使とかやあらへんよ」 竜華「一応、これでも下心もあって…あ、いや、その…別にナンパとかやないんやけど…」 竜華「で、でも、あの…君、可愛えぇし仲良くなれたらええなって…」 京太郎「お近づきになるどころか、もうそのまま恋人までいっちゃっても良いくらいっす」キリリ 竜華「え、えぇぇ…!?」カァァ 京太郎「はは。まぁ、流石に冗談ですけれど」 竜華「そ、そうやね。幾ら何でも早すぎやもんね…」 京太郎「でも、そんな風に気にしてくれて有難うございます」 京太郎「清水谷さんほどの美少女に気にしてもらえるなんてちょっと…いや、かなり嬉しいです」 竜華「…アレ、うちの名前…まだ名乗っとらへんよね?」 京太郎「あ、すみません」 京太郎「一応、これでも麻雀部員なのでめぼしい人はチェックしてて」 京太郎「その関係で清水谷さんの事も事前に知ってました」 竜華「そ、そうなんや…」 竜華「ちょっと照れくさいなぁ」テレテレ 京太郎「(可愛い)」 竜華「…で、君の名前は?」 京太郎「あ、申し遅れました」 京太郎「俺、清澄一年の須賀京太郎です」 竜華「あー…清澄っちゅーと、確かインターミドルチャンプの原村さんがいる…」 京太郎「です。まぁ、他にもポンコツとかタコスとか色々いますけど」 竜華「ぽ、ポンコツ?タコス…?」クビカシゲ 京太郎「あ、気にしないでください」 京太郎「清水谷さんのおっぱいに比べれば、あまりにも貧しい連中なので」 竜華「…おっぱい?」キョトン 京太郎「あ、いや、その…」 竜華「…須賀くんっておっぱい好きなん?」 京太郎「大好きです!」キリリ 竜華「へ、へぇ…そうなんや」 竜華「でも、今時、おっぱい好きって珍しい子やね」 京太郎「そうですか?」 竜華「うん。だって、今の流行りって手のひらに収まるサイズくらいやろ?」 竜華「あんまり大きすぎても見栄えが悪いっちゅーて相手はされへんらしいよ」 京太郎「何と勿体無い…!」 竜華「え?」 京太郎「良いですか!おっぱいとは宇宙の心です!真理です!!」 竜華「う、うん」 京太郎「その中には人類の夢と希望…!いや、ありとあらゆるロマンが詰まっていると言っても過言ではありません!」 京太郎「それを見栄えが悪い!?」 京太郎「手のひらサイズが流行だああ!?」 京太郎「清水谷さん、そのような流言に耳を貸す必要はありません!」 京太郎「おっぱいは常に正義! おっぱいイズびゅーてぃふる!!」 京太郎「貧乳や普乳よりも遥かに尊いのが貴女のおっぱいなんです!!!」 竜華「そ、そうなんやー…」 竜華「う、うん。まぁ…ともかく」 竜華「須賀くんがうちのおっぱいを気に入ってくれたのは良く分かったよ」カァァ 京太郎「(…ハッ、この流れ…!)」 京太郎「(昨日の尭深さんの時と同じだ…!!)」 京太郎「(さっきは意識してなかったけど…もしかしたら…)」 京太郎「(本当にもしかしたら…このまま清水谷さんのおっぱいを揉ませて貰えるかも…)」 竜華「……だーめ」カクシ 京太郎「え?」 竜華「そんな目で見ても触らしてあげへんよ」 竜華「流石に初対面の男の子にポンポン触らせるほどうちのおっぱい安くはないしね」 京太郎「ですよねー」 京太郎「(…まぁ、幾ら男と女の立場が入れ替わったってそう上手くいくはずないよなぁ)」 竜華「…まぁ、仲良くなってくれたらちょっとは考えてあげるかもしれへんけどね」クス 京太郎「な、仲良くなります!もう滅茶苦茶、仲良しになります!!」 京太郎「クレジットカードの暗証番号教える勢いで仲良くなりますとも!!」 竜華「さ、流石にそれはこっちが困るかなぁ…」 竜華「…まぁ、でも、須賀くんは本当におっぱいが好きなんやね」 竜華「さっきとは雰囲気、全然、違うよ」クス 京太郎「あー…まぁ、ちょっと色々あって気疲れしてただけですから」 京太郎「清水谷さんのおかげでおっぱいパワーも溜まりましたし元気百倍です」 竜華「ふふ。安い子やね」 竜華「じゃあ、おっぱいは触らせてあげんでもええかなー?」チラッ 京太郎「あ、すみません。俺、ちょっと今にも病院に運ばれそうなくらい元気がないんで…」 竜華「もう。流石にそんなんじゃ騙されへんよ?」 京太郎「ダメですか」 竜華「ダメでーす」クス 竜華「ま、元気になったんやったら良かったよ」 京太郎「すみません。そちらも忙しいでしょうに」 竜華「んーん。大丈夫」 竜華「うちは今、休憩中やったから」 竜華「寧ろ、ちょっと暇やったし須賀くんが通りがかってくれて渡りに船やったんや」ニコ 京太郎「なら、良かったッス」 竜華「それに…ちょっとコンプレックスやったおっぱいの事、褒めてくれたのなんて君くらいやしね」 京太郎「間違っているのは世界の方ですから」キリリ 竜華「…うん。いっそそこまで自分を信じられるのは凄いと思うよ」 竜華「それがおっぱいの事やと思うと、あんまり見習いたくはないけど」 京太郎「解せぬ」 竜華「まぁまぁ、一応、これでも2割くらいはほめとるし」 京太郎「残りの八割は?」 竜華「ドン引きしとるよ」 京太郎「ぐぬぬ」 竜華「ま、それでも須賀くんが面白い子やって言うのは分かったしね」 竜華「暇やったら君もここでちょっと一服していかへん?」 京太郎「え?良いんですか?」 竜華「うん。折角やし、色々と話も聞いてみたいしね」 京太郎「そ、そう言って俺から仲間の事を聞き出すつもりなんでしょう!?」 京太郎「俺がそのおっぱいに逆らえないって知ってて!!」チラッチラッ 竜華「うーん…」 竜華「じゃあ…こんなんどう?」タニマツクリ 京太郎「ぐふっ」 竜華「うわぁ…効果絶大やな」 京太郎「何でも聞いて下さい、貴女の下僕となった須賀京太郎が全てお答えします」キリリ 竜華「ホンマに安い子やねぇ」クス 竜華「まぁ、そんな風にかしこまらんでええよ」 竜華「今のところ、清澄の事にあんまり興味ないしね」 竜華「それよりも単純に須賀くんと仲良ぅなりたいから」ニコ 京太郎「ふんふふんふんふーん」 京太郎「(いやぁ…清水谷さんと過ごした時間は素晴らしかったな)」 京太郎「(流石にあのおっぱいは触らせてもらえなかったけど、すっごく常識的な人だったし)」 京太郎「(俺のくだらない会話にも何だかんだ言って付き合ってくれてた)」 京太郎「(やはり巨乳は心が大きくて余裕があるんだな、ハッキリと分かったよ)」 京太郎「(…まぁ、あんまり深くは言わなかったけど…あっちにも色々とあるんだろうけれどさ)」 京太郎「(一瞬、清水谷さんが見せた自己嫌悪の色は決して小さいものではなかったし)」 京太郎「(おっぱいが大きすぎるとあんまり良い顔をされないっていうのは事実だったんだろう)」 京太郎「(それを正す為にもあの石版を……い、いや、ダメだろ)」 京太郎「(確かに俺がやった事の責任を取る意味ではそれはアリかもしれないけれど…)」 京太郎「(でも、アレはそうそう簡単に使って良いものじゃないんだ)」 京太郎「(それが世界に与える影響を考えれば、もっと良く吟味しないと…)」 明華「あ、あの…」 京太郎「ん?」 明華「もしかして貴方…須賀京太郎さんでは…」 京太郎「(…なんか俺の方が名前知られてるって珍しいパターンだな)」 京太郎「(しかも、こんな美乳っぽい子に知られているなんて…)」 京太郎「(今日は清水谷さんとも知り合えたし、空から隕石でも降ってくるんじゃないだろうか)」 京太郎「(ってそれはさておき)」 京太郎「はい。そうですが…」 明華「や、やっぱり!」ガシッ 京太郎「お、おうふ」 明華「わ、私、フランスで貴方の記事を読みました!」 明華「日本のハンドボール界に世界で通用する逸材が現れたって!」 明華「試合のシュートもすごくて…!こっちでもすぐにでもやっていけると私も思います!!」ブンブン 京太郎「(な、何故だ…)」 京太郎「(どうして美乳美少女が俺の手をいきなり掴んだ挙句、ここまで興奮しているんだ…!?)」 京太郎「(い、いや、まぁ、中学の頃にやってたハンドボールでファンになってくれたっていうのは分かるんだけど!!)」 京太郎「(いきなり過ぎてちょっと…い、いやかなり追いつけないんだけれども!!)」 明華「で、でも、どうして、急にハンドボールを止めてしまったのですか?」 明華「私、貴方の試合を生で見られる事を楽しみにしていたのに…」シュン 京太郎「あー…その…深い理由はないんですが…」 京太郎「(…ぶっちゃけ、ハンドに行き詰まりを感じたってだけだからな)」 京太郎「(怪我とかそういう大した理由じゃないし…)」 明華「…」ゴクッ 京太郎「(…しかし、それをこのままこの人に言ってしまっても良いだろうか)」 京太郎「(明らかに俺に対して期待してくれているのが伝わってくる眼差しだし…)」 京太郎「(こ、ここはやっぱり…適当に誤魔化してしまおう)」 京太郎「じ、実は…膝に矢…もといボールを受けてしまいまして」 京太郎「以前のような動きが出来なくなってしまったんです」 明華「そ、そんな…」 明華「須賀さんはこちらでも特集が組まれるほどの逸材だったのに…」 明華「それが世界に羽ばたくのをずっと楽しみにしながら…貴方でオナニーしていた私は…一体、どうすれば…」 京太郎「(…うん。今のは聞かなかった事にしよう)」 京太郎「(と言うか、割りとマジで忘れてしまいたい)」 京太郎「(海外から俺のファンだって言ってくれる子が来たのに、それが照さんに並ぶオナニストだったとか…)」 京太郎「(正直、俺の人生の中でも2位にランクインするほどの黒歴史だからな)」 京太郎「(勿論、不動の一位は照さんだけれど)」 明華「で、でも、大丈夫です!」 明華「私の母は最先端医療にも関わる技術者ですから!!」 明華「きっと母の同僚ならば、貴方の傷を治してくれます!!」 京太郎「(うわぁ…とんでもない事になっちゃったぞ…)」 京太郎「い、いえ、大丈夫です」 明華「で、でも…」 京太郎「それにハンドボールへの未練って実はもうなくって」 明華「え?」 京太郎「元々、行き詰まりのようなものを感じてたんです」 京太郎「だから、俺は自分の怪我も積極的に治すつもりがなくって」 京太郎「それに今は麻雀をやってる方が楽しいので大丈夫ですよ」 明華「そ、そう…ですか…」シュン 京太郎「(やべぇ。目に見えて落ち込んでるよ)」 京太郎「(憧れの選手が再起不能だっただけならばまだしも…)」 京太郎「(昔の情熱を完全に失っている状態だからなぁ…)」 京太郎「(そりゃファンとしては落ち込んで当然だろう)」 京太郎「(正直、その気持ちが分かるだけに何とかしてあげたいけれど…)」 京太郎「(でも、ここで下手に何か言って希望を持たせる方が可哀想だ)」 京太郎「(だから…)」 京太郎「それに男ばっかりに囲まれているよりも、やっぱり女の子がいる環境の方が楽しいですしね」 京太郎「やっぱり男はボールよりもおっぱい追いかけてる方が正しい姿かなって」 明華「…………」 京太郎「…アレ?」 明華「…………私、貴方の事を誤解していました」 明華「私が貴方のファンになったのは…ただ実力や才能だけではありません」 明華「誰よりもハンドボールを楽しそうにプレイしていたからです」スッ 京太郎「え、えっと…」 明華「…でも、そんな人は最初からいなかったんですね」 明華「まさかそんな不真面目な人だったなんて…」 明華「…幻滅しました」プイッ スタスタ 京太郎「あ…………」 京太郎「(…やっちまったなぁ…)」 由暉子「~♪」 爽「あれ、珍しく上機嫌じゃん」 爽「何か良い事でもあった?」 由暉子「はい。さっき新しく友達が出来たので」 爽「へぇ。どんな子?」 由暉子「えっと」ポチポチ 由暉子「この人です」シャメミセ 爽「…………え?」 由暉子「どうかしました?」キョトン 爽「…男?」 由暉子「はい。男性です」 爽「イケメン?」 由暉子「多分、一般的にはそう呼べる顔立ちだと思います」 爽「…友達?」 由暉子「はい。馬乗りになった私をトイレに連れてってくれました」 爽「どんな過激なプレイしてんの!?」 由暉子「はい。生殖器同士が触れ合った私をトイレに連れてってくれました」 爽「どんな過激なプレイしてんの!?」 爽「つ、つーか、ちょっとまって」 由暉子「はい。待ちます」 爽「(お、落ち着け、私)」 爽「(これはかなりの大事件だぞ…)」 爽「(今まで私達以外にろくな友達がいなかったユキに友達が出来るだけならともかく…)」 爽「(しかも、男!イケメン!ただならぬ関係っぽい!!)」 爽「(その上、ユキがここまで上機嫌になるって事はかなり気に入ってる訳で…)」 爽「(割りとチョロいユキが堕ちないはずないじゃん!!)」 爽「(でも、この写メ見る限り、相手は大分遊んでる感じだし…)」 爽「(恋愛初心者なユキの手に負える相手じゃない…!)」 爽「(私としても出来れば応援してあげたいけれど…)」 爽「(でも、私だって今まで男の子と遊ぶ以上の事はした事ないし…)」グルグル ピポーン 由暉子「…あ」 爽「ど、どうかしたの?」 由暉子「京太郎さんからのLINEです」 爽「き、京太郎さん!?」 爽「(も、もう下の名前で呼んでいるなんて…)」 爽「(あの根暗だったユキがって思うと感慨深いものを感じるけれど…)」 爽「(でも、それ以上に騙されてるような気がしてお姉さん、心配だよ!?)」 由暉子「…~♪」 爽「(…で、でも、幾らユキが素直だって言っても、騙されてるかも、なんて言ったら気分を悪くするだろうし…)」 爽「(実際、私もその男の人を知ってる訳じゃないもんね…)」 爽「(……だから、とりあえず今は様子見に徹しておこう)」 爽「(で、後で皆を招集してその男の子の情報を集める…のがベストかな)」 爽「(しっかし…ユキに男友達かぁ…)」 爽「(…テンパって結婚しようとか言い出してなきゃ良いんだけど……)」 ネリー「んー…」ゴロゴロ ネリー「(夜になるとやっぱり暇だよねー…)」 ネリー「(これは自分の家だと電気代もったいないから早く寝よう!って気になるけど…)」 ネリー「(基本、寮暮らしで電気代掛かんないしー)」 ネリー「(何かお金稼ぐネタ探そうにも株価や為替のチェックも終わっちゃったしー)」 ネリー「(とは言え、寝ようとしても眠気が出てくる訳じゃないしー)」 ネリー「(今日は偵察ばっかりで麻雀も打ってないから疲れてないしー)」 ネリー「(それも特に得るものがなかったからちょっと今日一日無駄にしちゃった気分…)」 ネリー「(…あー、いや、でも…あのキョータローが居たか)」 ネリー「(私でも価値が分からないようなお宝を持ってる人)」 ネリー「(でも、その割には正直で…表情もコロコロ変わって)」 ネリー「(ちょっぴり馬鹿っぽいけど…でも、まぁ、男は多少、馬鹿っぽい方が愛嬌があるし)」 ネリー「(外見からして大分、チャラそうな感じだったから、きっと女をとっかえひっかえして遊んでるタイプだと思うんだけど…)」 ネリー「(それでも…あんまり嫌いなタイプじゃないんだよね)」 ネリー「(体を売る男の人とか見てきたし、貞操観念じゃお金稼げないって思ってるからかもだけど…)」 ネリー「(でも…キョータロー、私の事、嫌ったりしてなかった)」 ネリー「(この国では私の事を知ると嫌そうな顔をする人がほとんどなのに…)」 ネリー「(お金お金って言っても特に嫌わず、私の事を受け止めてくれて)」 ネリー「(まぁ…正直、名前が分かった以上、もう会う必要もないんだけどさ)」 ネリー「(名前さえわかれば、芋づる式に色々と調べる事が出来るし)」 ネリー「(寧ろ、出会ったところで特にお金になったりしないんだから適当に煙に巻くべきなんだろうけれど…)」 ネリー「(でも、また会っても良いって思うくらいには気に入っちゃってるし)」 ネリー「(…予定が合えば、また解説してやっても良いかなぁ)」 ネリー「(もしかしたら、私の金づるにもなってくれるかもしれないし…ね)」 咏「あ…あぁ…っ♪」クチュクチュ 咏「このままイかせてやる…ぅ♪」 咏「私の中でっ?子宮…でえっ♪」 咏「あは…はっ♪今更、嫌だって言っても…遅いぃっ?」 咏「このまま一滴も金玉の中に残らないくらい…にぃっ♪」 咏「レイプ…してやるぅっ?搾精レイプぅ…♪」 咏「泣きじゃくってもっ♪嫌がってもっ♪壊れてもぉおっ♪」 咏「容赦してやらな…いからあぁぁああああっ?」ビクン 咏「あ…あぁぁ…あぁぁぁ…っ♪」フルフル コテン 咏「(…あー…凄かった…)」 咏「(今のオナニー…人生で一番、気持ち良かったかもしれない…)」 咏「(今日初めて会った男をオカズにしたとは思えないほど妄想がマッチして…)」 咏「(子宮からイけちゃったぜ…♪)」ハフン 咏「(運命の赤い糸とか信じるほど子どもじゃないけど…)」 咏「(これだけ相性が良いなら…もしかしてあの子が私の運命なのかもねぃ)」 咏「(…ま、一般的に言う恋人とか夫婦とかじゃなくて…)」 咏「(精液奴隷としての運命…だけどさ…?)」ペロ 咏「(まぁ…でも、仕方ないよね…)」 咏「(こんなにエロい身体なのに…第二ボタンまで開くような格好しちゃってさ)」 咏「(その上、子どもっぽいくらい素直に喜ばれたら…もう我慢なんて出来るはずないって)」 咏「(存在そのものが女にレイプされる為にあるような子だよ)」 咏「(…だから、私が保護してあげないとねぃ)」 咏「(このまま放置してたら、どんな酷い女に奴隷されるかわっかんねーし…)」 咏「(私だったら多少はほら、大事にしてやらなくもないから…さ♪)」 咏「(…だから…早く私のモノになりなよ、京太郎…?)」ペロ 咏「(壊れるまで…ううん、壊れても…)」 咏「(その骨の髄まで…レイプし続けてやるからねぃ?)」 照「…うーん」 照「(私の誘い方は完璧だったはず)」 照「(その上、京ちゃんと離れてる間に、胸も大きくなって…より大人っぽくなったのに)」※当社比 照「(どうして京ちゃんは私とラブホに行ってくれなかったんだろう?)」 照「(…やっぱり照れてる? 照だけに)」 照「(………うん、今のは良かった)」 照「(心のボキャブラリーの中に登録しておこう)」ウンウン 照「(…まぁ、それはさておき)」 照「(問題は京ちゃんの事…)」 照「(渾身と言っても良い誘い文句が効果をなさなかった今、次の策を考えないと)」 照「(…折角、京ちゃんが東京にいるのに何もしないとか耐え切れないもんね)」 照「(インハイ中だったら邪魔者の咲も、私を止められないだろうし…)」 照「(このままグチュンと一発、京ちゃんとヤってセフレになりたい)」 照「(…って言うかならないと欲求不満で死んじゃう)」 照「(幼いころから私の性の対照は京ちゃんだけだった)」 照「(どれだけ格好良い男の子を見ても、どれだけ可愛い男の子を見ても…)」 照「(私はまったく心を動かされる事はなかった)」 照「(多分、それは私の身体が、もう京ちゃんじゃないとダメだから)」 照「(幼いころから一緒にいて、弟みたいに思っていて…)」 照「(私の事をお姉ちゃんって呼んでくれた京ちゃんじゃないと興奮出来ない変態が私…)」 照「(急にオスの匂いをさせるようになった京ちゃんで、一日中オナニーしまくった時から…)」 照「(私の身体は京ちゃん以外を受け付けなくなってしまった)」 照「(どれだけエッチにAVを見ても、オマンコが濡れないのに…)」 照「(京ちゃんの顔を思い浮かべただけで、もう疼いて止まらないくらいに)」 照「(…そんな私がもう一年以上も京ちゃんから引き離されて…マトモでいられるはずがない)」 照「(もう頭の中で何回だって犯した)」 照「(こそっと持って帰ったパンツで何百回もオナニーした)」 照「(…でも、もう妄想や匂いの薄れたパンツじゃ我慢出来ない)」 照「(私は…私は京ちゃんが欲しい)」 照「(ほかの人なんていらないから…京ちゃんとセックスがしたい…)」 照「(だから……)」 憧「(う、うわぁ…)」コソコソ 憧「(たまたま会場の中歩いてたら…なんか凄い光景を見ちゃった…)」 憧「(人が人を軽蔑する瞬間なんて普通見れるもんじゃないよね)」 憧「(いや、まぁ…正直、見たいもんじゃないけどさ)」 憧「(普通の修羅場とはちょっと違ったけど…下手に動けずに困ったくらいだもの)」 憧「(…しっかし、あの男も酷いよね)」 憧「(一体、何があったのか知らないけど…)」 憧「(ファンだって言ってくれてる女の子の前で、あんな事言うなんて…)」 憧「(見た目通りと言えば見た目通りなんだろうけど…それでも最低)」 憧「(なんか困った顔してるけど軽蔑されて当然でしょ)」 憧「(…ただ、あの男ほど酷いのは稀だろうけれどさ)」 憧「(多かれ少なかれ、世の中の男ってそんなもんだよね)」 憧「(どれだけ清純そうな男でも、腹の中には黒いもの溜め込んでいるだろうし)」 憧「(綺麗な笑みを浮かべて、内心、相手の事を軽蔑してるなんて珍しくともなんともない)」 憧「(勿論、例外はいるだろうけれど…そんなのは極少数でしょ)」 憧「(昔は良く日本男子なんて言ってたらしいけど…)」 憧「(でも、そんなの最初から幻だったか…)」 憧「(或いは男の社会進出によってほとんど絶滅しちゃってる)」 憧「(…だから、やっぱり女の子を裏切らない二次元が一番だよね)」ポチポチ 憧「(はぁ…今日も加州はイケメンだなぁ)」 憧「(綺麗だし一途だし…)」 憧「(リアルとは大違いだわ)」デレデレ 京太郎「(うーん…失敗だったなぁ)」 京太郎「(出来れば暗い雰囲気吹っ飛ばせれば…ってそんな風に思ってたんだけど)」 京太郎「(暗い雰囲気だけじゃなくて好感度までふっ飛ばしてしまうとは)」 京太郎「(ぐああああっ!惜しかった!本当に惜しかった…!!!)」 京太郎「(俺に対して、あそこまで好意を示してくれる美乳少女なんて少ないのに!!)」 京太郎「(絶滅危惧種だって言っても良い女の子にあそこまで失望されるなんて…!!)」 京太郎「(……出来れば連絡先の一つくらい聞きたかったけど…アレじゃもう無理だよなぁ)」フゥ モモ「…京さん?」ムスー 京太郎「ってモモ、どうしたんだ?」 京太郎「…なんか不機嫌そうだけど」 モモ「…これが上機嫌に見えたら、眼科言ったほうが良いと思うっす」スネー モモ「(…京さん、さっきの子にデレデレしてたっす)」 モモ「(近くに私が来たら…大抵、気づくはずなのに)」 モモ「(そんなの気づかないくらいにあの人に呑まれてて…)」 モモ「(まぁ…確かにあの人は綺麗だったと思うっすけど…)」 モモ「(…でも、やっぱりどうしても釈然としないっす)」 モモ「(胸の中、モヤモヤして…腹が立つっすよ」スネー 京太郎「えーっと…モモ?」 モモ「…何っすか?」 京太郎「…なんでそんなに怒ってるんだ?」 モモ「ふーんだ…」 モモ「京さんには教えてあげないっすよ」ツーン モモ「(…と言うか言えないッスよ)」 モモ「(私自身、どうしてこんなに腹が立つのか分かってないんっすから)」 モモ「(ううん…分かっているけれど…それはわかっちゃいけない事で…)」 モモ「(だから…)」 京太郎「もしかして、嫉妬か?」 モモ「~っ!」カァァ 京太郎「そっかー嫉妬かー」 モモ「ち、違うっすよ!」 モモ「と、言うか…ど、どうして私が京さんに嫉妬しなきゃいけないんっすか!」 モモ「べ、別に私は京さんの事なんてどうとも…」 京太郎「思ってない?」 モモ「…そ、そういう訳じゃ…ないっす…けど…」 京太郎「じゃあ、嫌いか?」 モモ「う………き、嫌いと言う訳でも…」 京太郎「なら、好きか?」 モモ「~~~~っ」プシュゥ 京太郎「はは。ホント、モモは可愛いなぁ」ナデナデ モモ「ふ、ふにゃあ…」フルフル モモ「(あうぅぅ…ま、また京さん気軽に私の頭撫でて…)」 モモ「(わ、分かってるっすか?)」 モモ「(それって…男の人のオチンチン周りを撫でるに近い行為なんっすよ…?)」 モモ「(ただ、心地良いのとはまた別の気持ち良さを…相手に与えるんっすから)」 モモ「(…普通、こんな事しちゃったら…そりゃもうオッケー状態だって思われても仕方ないっす)」 モモ「(何時でもレイプされても構わないんだって言う…ビッチアピールっすよ…っ)」 京太郎「まぁ、アレだ」 京太郎「嫉妬なんかさせちゃってごめんな」 モモ「べ、別に嫉妬してた訳じゃ…」 京太郎「でも、なんか俺が不機嫌にさせちゃったのは事実なんだろ?」 京太郎「だから、ごめん」 モモ「……………京さんは卑怯っす」 京太郎「何故かモモにはそう言われる事が多いけど、俺は普通だと思うぞ」 モモ「(ど、何処が普通なんっすか…)」 モモ「(自分で友達だって言ってる女の子の頭をこんなに気軽に撫でて…)」 モモ「(優しく…暖かく…胸の奥まで幸せにしてくれて…)」 モモ「(…そんな男の子が普通な訳ないっす)」 モモ「(…正直、私じゃなかったらレイプされてるっすよ?)」 モモ「(そっちから誘ったんだろうって…一滴残らず絞りとるような本気レイプされちゃうんっすからね?)」 モモ「(…まぁ、それが分かっているからこそ、京さんもこうして私の事をなでてくれているのかもしれないっすけど…)」 モモ「(…どっちにしろ、京さんが危なっかしい事には代わりがないっす)」 モモ「(今は良くても…何時か絶対、誰かにレイプされて…心から傷ついちゃうっすよ)」 モモ「(外見は淫乱そのものだし…色々と誤解されがちな仕草もするけれど…)」 モモ「(でも、京さんは今時めずらしいくらい純情なんっすから)」 モモ「(…だから、それを防ぐ為にも…)」 モモ「(私が…護ってあげなきゃ)」 モモ「(私の家で…他の誰にも合わないように…)」 モモ「(私だけを見て…私だけを撫でてくれるよう…にぃ…?)」ハァ 京太郎「…モモ?」 モモ「ハッ…」 モモ「(…私、何を考えてたっすか)」 モモ「(……いや、流石に監禁とかそういうのはダメでしょう)」 モモ「(そもそも監禁とか…ガチ犯罪じゃないっすか)」 モモ「(今はストーカーしても京さんが見逃してくれるっすけど…)」 モモ「(流石に監禁までやったら、京さんでも誤魔化せないっす)」 京太郎「…大丈夫か?」 モモ「だ、大丈夫っすよ」 モモ「(………でも、もし)」 モモ「(もし、絶対に見つからなくて…)」 モモ「(二人でずっと一緒になれるなら…私は……)」グゥ 京太郎「…ぷっ」 モモ「あ、い、いや、その…」カァァァ 京太郎「分かってる分かってる」 京太郎「たまたま腹が鳴っただけだよな」 モモ「そ、そうっすよ」 モモ「じ、実は最近、お通じが悪くてお腹の調子が」ワタワタ 京太郎「はは。じゃあ、健康に良い物でも食べに行こうか」 モモ「…良いんっすか?」 京太郎「俺も丁度、小腹がすいてきたところだしさ」 京太郎「折角だし、一緒にコンビニにでも行こうぜ」 京太郎「また今日も奢ってやるからさ」 モモ「…もう。普通、逆だと思うんっすけどね」 京太郎「いいんだよ、可愛い子におごるのは俺の趣味みたいなもんだからさ」 モモ「…また調子の良い事言って…」 モモ「…何時か監禁されたりしても…知らないっすよ?」 ~清澄宿泊所~ 和「…ふぅ」 京太郎「…あれ、和?」 和「あ、須賀くん」 京太郎「どうしたんだ、なんだか疲れてるみたいだけど」 和「…そう見えますか?」 京太郎「あぁ。だって、普段はため息なんか吐かないだろ?」 京太郎「なんかあったのか?」 和「いえ、改めて何かあったと言う訳ではないのですけれど…」 京太郎「けど?」 和「…少しネト麻に集中し過ぎまして」 和「何時もならリクライニングチェアであまり疲労も感じないんですが…」 和「ここはそういうのはないので何時もよりも疲れやすくって」 京太郎「あぁ、なるほど」 京太郎「(確かにここ和室ばっかでちゃんとした椅子もあんまりないもんなぁ)」 京太郎「(長時間ネト麻やってれば、そりゃネト麻魔神の和でも疲れるか)」 京太郎「(ましてや、和の場合、胸に重たいものぶら下げてる訳だしなぁ)」 和「…須賀くん?」 京太郎「え?」 和「また胸見てるのバレバレですよ」 京太郎「う…い、いや、ほら」 京太郎「なんだか重そうだって思ってさ」 和「…まぁ、実際、重いのは否定しませんけれど」 京太郎「だろう?だ、だからさ」 京太郎「俺がマッサージしようか?」 和「マッサージ…ですか?」 京太郎「あぁ。俺はこれでも元運動部だしさ」 京太郎「ストレッチやマッサージに関しては日常的にやってたし」 京太郎「そういうのには手馴れてる方だし、きっと和にも満足して貰えるんじゃないかと…」 和「…そう言って胸を触るつもりなんでしょう?」 京太郎「そんな事はしないよ!」 京太郎「でも、マッサージ中の事故は仕方ないよね!!」キリリ 和「…本当にもう…理解出来ないくらいのおっぱいフェチなんですから」フゥ 和「まぁ、良いですけどね、別に揉まれても減るものじゃないですし」 京太郎「…え?」 和「…いや、え、じゃないですよ」 和「自分から言ったんじゃないですか」 京太郎「あ、い、いや…でもさ…」 京太郎「(エロい事に忌避感持ってる和にそう言われるなんて思ってもなかったんだよ!)」 京太郎「(日頃から俺がおっぱいネタ言ってるのは知ってるし、引かれる事はないと思ってたけれど…)」 京太郎「(でも、拗ねた顔で釘の一つでも刺されると思ったのに…そんな事言われたら…)」ゴクッ 和「…?」タユン 京太郎「(…首傾げるだけでも揺れるあののどっぱいを心ゆくまで堪能してしまいたくなる…!)」 京太郎「(マッサージにかこつけて…思いっきり揉みしだいてやりたくなるじゃないか…!!)」 和「……それで、どうするんですか?」 京太郎「あ、え、えっと…」 京太郎「や、やるよ。い、いや、やらせてください!」 京太郎「何でもしますから!」 和「…いえ、何もそこまで言わなくても最初からやって貰うつもりですし…」 和「(…そんなにこのおっぱいが好きなんですかね)」 和「(正直、ここまで育っちゃうと男の人に引かれるだけであんまり好きではないんですけれど…)」 和「(…何だかんだと仲良くしていますが、やっぱり須賀くんは理解できないです)」ウーン ~京太郎の部屋~ 和「じゃあ、お願いしますね」ゴロン 京太郎「お、おうふ…」 京太郎「(あ、あの和が…俺の部屋に来て寝転んでる…!)」 京太郎「(い、いや…まぁ、正確にはここは俺の部屋じゃなくって、俺が寝泊まりしてるだけの部屋なんだけど…)」 京太郎「(それでも興奮するって言うか…もう夢見心地って言うか…)」 京太郎「(浴衣姿の和が布団にうつ伏せになってる光景だけで…もうムスコがウェイクアップしちゃいそうだ…)」 京太郎「(正直、浴衣を持ち上げるその安産型なお尻に思いっきりこすりつけたいけど…)」 京太郎「(でも、和がこうして俺に無防備な姿を晒してくれているのは信頼が故なんだ)」 京太郎「(その信頼は絶対に裏切りたくはないし)」 京太郎「(何より…仮にも気になってる女の子を傷つけるなんて男のやる事じゃないからな)」 京太郎「(ここはまじめにマッサージしよう)」 京太郎「じゃ、じゃあ…ちょっと重いかもしれないけど我慢してくれよ」ヨイショ 和「…いえ、これくらいなら大丈夫です」 京太郎「そ、そうか。じゃあ…始めるぞ」モミモミ 和「ん…♪」 和「(…須賀くん、言うだけの事はありますね…)」 和「(私の気持ち良いところを的確に揉みほぐしてくれて…)」 和「(思わず…声が出ちゃうくらいに気持ち…良い…)」 和「(…その上、一つ一つがとても丁寧で…じっくりやってくれるから…)」 和「(須賀くんのマッサージが終わったところはもう軽く火照って…)」 和「(筋肉も甘く蕩けちゃってる…みたいです…)」 和「(…正直、癖になっちゃうかも…しれません)」 和「(こんなの味わったら…電動マッサージとかじゃ満足出来ません…)」 和「(血の通った…人の手の…)」 和「(とても丁寧で優しいマッサージ…)」 和「(身体がこれじゃないと受け付けなくなっちゃいくらいに…)」 和「(私…ダメになっちゃいます…よぉ)」トローン 和「(それに…何より…)」チラッ 京太郎「しょっと…」モミモミ 和「(…須賀くん、きっと気づいてないですよね)」 和「(私の前に窓があって…その姿が見えちゃっている事…)」 和「(さっきまではちょっとぎこちなかったけれど…)」 和「(でも…今はとっても真剣です)」 和「(私の身体に全神経を集中してくれているのがハッキリと伝わってくるくらいに)」 和「(…そんな顔見たら…意識…しちゃうじゃないですか)」 和「(ただの友達だってそう思ってたのに…初めての男友達なんだってそう思ってたのに…)」 和「(そんなに真剣に私の事マッサージされたら…)」 和「(幾ら鈍感な私でも…気づいちゃうじゃないですか…)」 和「(本当は…須賀くんの事好きだったんだって…)」 和「(咲さんの言う通り…ずっとずっと意識しちゃってたんだって…)」 和「(…恋なんて知らなかった私が…それを知ってしまうじゃ…ないですか)」ギュゥ 和「(…私、嬉しくなって…しまってます…)」 和「(須賀くんが…私にこんなにも真剣になってくれている事)」 和「(私を誠心誠意癒やそうとしてくれている事)」 和「(…何より、今の私が彼の事を独占出来ている事)」 和「(それが…それがとてもうれしくて…堪りません)」 和「(これが…これが恋なんですね)」 和「(誰か一人にこんなにも気持ちが集まって…)」 和「(そして胸の奥から…嬉しく…幸せにさせられてしまうような心地…)」 和「(私、こんなの…こんなの初めてです)」 和「(でも…嫌じゃありません)」 和「(それはきっとマッサージが心地良いだけじゃなくって…)」 和「(相手が須賀くんだから…)」 和「(こんなに大きな胸で…男の人に驚かれる事も少なくない私に…)」 和「(それを好きだって言ってくれて…まったく忌避感なく接してくれて…)」 和「(そんな須賀くんだからこそ…私は…)」 京太郎「ふぅ…」 京太郎「(…とりあえず背中の方は終わったか)」 京太郎「(しかし…やっぱ凝ってるもんだなぁ)」 京太郎「(たまに咲相手にもマッサージするけど…こんなに凝ってないし)」 京太郎「(思わず、マッサージの方に集中し過ぎちゃったぜ…)」 京太郎「(まぁ…その御蔭で、あんまり不埒な事考えなかったんだけどさ)」 京太郎「(正直、和の身体って胸だけじゃなくてそのほかの柔らかいから…)」 京太郎「(下手に意識してたら勃起してたかもしれない) 京太郎「(まぁ、それはさておき…だ)」 京太郎「和、終わったぞ」スッ 和「お、終わって…ないですよ…」 京太郎「…え?」 和「…」コロン 京太郎「…………え?」 和「…まだこっちのマッサージが残ってます…から…」 京太郎「こ、こっちって…」 京太郎「(いやいやいやいやいやいや)」 京太郎「(待ってくれ、ほんとに待ってくれ)」 京太郎「(背中がまだ良いんだ、うん)」 京太郎「(あの素敵過ぎるのどっぱいが見えなくなってるからさ)」 京太郎「(で、でも…こ、ここで…仰向けになんてなられたら…)」 京太郎「(どうしても和のおっぱいを意識しちゃうっていうか…)」 京太郎「(マッサージしたくなるっていうか…!!)」 和「良い…ですよ」 京太郎「…な、何が…?」 和「だから…胸の…マッサージ…です…」 和「…須賀くん、こっちもマッサージ…したいんです…よね?」チラッ 京太郎「~~~っ」ゴクッ 京太郎「(あああああああ!もう!!!)」 京太郎「(ほんっとうにもおおおおおおおお!!)」 京太郎「(何なんだよ!本気でなんなんだよおおおおお!!)」 京太郎「(そんな事言われたらホイホイいっちゃうだろうが!!)」 京太郎「(マッサージとか関係なしに胸にダイブしたくなっちゃうだろおおおおお!!!!)」 京太郎「(正直、これだけ据え膳用意されたら食わない方が失礼だわ!!)」 京太郎「(一も二もなくケダモノのようにむしゃぶりつきたいのが本音だよ!!!!)」 京太郎「(………………でも、さ)」 京太郎「(…でも、これは本当に和の意思なのか?)」 京太郎「(いや、まぁ…ここで強制される理由なんてないし…和の意思である事に間違いはないんだろうけれども)」 京太郎「(それはまったく何の影響も受けていない和の意識なんだろうか?)」 京太郎「(…多分、違う)」 京太郎「(和は元々、そういった事に忌避感を感じているタイプだったんだから)」 京太郎「(自分から男を誘うなんて出来るはずがない)」 京太郎「(…だから、これはきっと俺が石版に書いてしまったあの言葉の所為)」 京太郎「(女が男に対して積極的になるっていう…あのルールに従った故なんだろう)」 京太郎「(…だから、俺はここで据え膳を食べる訳にはいかない)」 京太郎「(渋谷さんの時みたく軽く振れるだけならばまだしも…)」 京太郎「(マッサージまでしてしまったら…俺は間違いなく…最後までいってしまう)」 京太郎「(そして…最後までいったら、俺はきっと一生、後悔する事になるはずだ)」 京太郎「(気になってる女の子に酷い事をしてしまったんだと…負い目を抱え込み続ける事になる)」 京太郎「(…それは、嫌だ)」 京太郎「(だから…)」 京太郎「ご、ごめん!」 和「え…?」 京太郎「お、俺、ちょっと急用を思い出したからさ!!」 京太郎「ほ、本当は和の胸も丹念にマッサージしたいけど…!!」 京太郎「こ、今回は急いでるからナシにしてくれ…!」 和「え…あの…須賀くん…?」 京太郎「じゃ、じゃあ…またな、和!」ダッ 和「あ…」 和「(…逃げられてしまいました)」 和「(……相手から言われるのはともかく、自分から言うのは結構、勇気が必要だったんですけど…)」 和「(正直、ちょっと…いえ、かなり残念ですけれど…)」 和「(…でも、なんだか安心…と言うのは初心な須賀くんの姿が見れたから…ですよね)」 和「(あんなに派手でエッチな格好をしているけれど…あの反応を見る限り、やっぱり彼は純情で…)」 和「(そんなところが可愛いとそう思ってしまうほど、私はもう彼の事を好きになってしまっているんですから…)」 和「…………次は逃しませんよ、須賀くん」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/710.html
淡「…」 照「…と、言って別れたものの、その後私が京ちゃんに会う事は何年も無かったんだ」 誠子「どうして?」 照「咲が…妹が私と彼が会うのを良しとしなかったんだ。何度かこっそり病室に行こうとしても 、常にアイツが病室に居たし、彼の退院後は彼にベッタリになった」 照「…私は、アイツに責められるのが怖かった。京ちゃんが怪我したのは、紛れもなく私のせい だったから。だから、文句も言わなかった」 照「…いや。それも実は言い訳で、京ちゃんに会うのが怖かったのかも知れない。その証拠に、 公園に行くのを避けるようになった」 照「ついでに、進学校を白糸台に変えた。…まあ、これは私達姉妹の喧嘩が原因で元から危うか った両親の関係に亀裂が入って、別居が決まったって言うのも大きな原因ではあるんだけど」 照「次第に私もアイツとは険悪な関係になっていってね。妹とは、こっちに来るまでずっと険悪 なままだったよ」 照「…だから、アイツが突然一人で東京に来た時は、驚いた」 照「『今までごめん』って、謝られたんだ」 照「京ちゃんが、妹にもさっきと同じ話をしたらしいんだ。話すのは2人目だったらしい」 照「それがアイツに心境の変化を与えたそうだ」 照「…けど、今度は私の方が苛立ってしまって。京ちゃんが傍に居るからって余裕ぶってるのか この野郎って」 照「まるで、完全に妹に京ちゃんを取られてしまったような気になってしまったんだ」 照「…昔話はこんなとこかな」 淡「そんな話があったんだ…」 菫「なるほどね。そんなこんなで変な性格の歪み方はしたが、なんとかグレずに済んだ、と」 照「…」 菫「…ふう。少し疲れたな。照。それで、それが最近の挙動不審にどう繋がってるかだが」 照「ああ、それは…」 菫「長い話は却下だ。三行で話せ」 淡「エエエエエエエエエエエエ!!?」 菫「うるさいなぁ。何を驚いてるんだ淡は」 淡「いや、だって!さっきまでの話聞いて!ええ!?」 尭深「」カチカチ 淡「何スマフォ弄ってるんですか渋谷せんぱああああああああああああああああああい!!?」 誠子「それでさー。うん。うん。だから頼むよー。そっちだって悪い話じゃ…」 淡「いつの間に電話してるんですか亦野せんぱああああああああああああああああああい!!」 照「…」 淡「ああ!ほら!!宮永先輩黙りこくっちゃって…」 照「京ちゃんに会いに行った」 照「告られた」 照「テンパッて逃げた」 淡「本当に纏めちゃった!!」 菫「馬鹿だろお前」 淡「ひっでええええええええええええええええええええええええええ!!!」 照「…」ショボン 菫「…はぁ」 淡「ちょっと!!この人でなしども!!」 菫「なんださっきから五月蝿い淡。その人でなしてのは私達の事か」 淡「あったりまえです!!」 照「…」 淡「あのですねえ!この鬼畜ども!折角宮永先輩が勇気出してこんなヘヴィなはなししてくれた のに、なんですかこの態度!畜生ですか!」 菫「って言われてもなぁ…いや、馬鹿だろ。なんだこの救いようのない青臭いコミュ障の昔話は 。私なら恥ずかしくて墓の下まで持っていく」 淡「っきいいいいいいいいいいいいい!!」 菫「五月蝿いなぁ…」 淡「あああああああああああ!!」 菫「誠子」 誠子「アイアイサー」キュッ 淡「ゴフッ」 菫「もういいぞ。少しは血の気は収まったか?」 淡「血の気が引きました」 菫「よし。…で、誰に頼んだんだ」 誠子「ああ。最近内に良く取材に来る記者に」 淡「…は?」 誠子「スクープやるからって言ったら、今すぐ車で来ると」 淡「へ?」 菫「よし。尭深。清澄までの地図は」 尭深「バッチ」グー 菫「ん。それじゃあ、車来るまでに各自準備しておくように」 淡「…へ?」 菫「…照」 照「…」 菫「照!!」 照「」ビクッ 菫「お前も準備しろ。急げよ。これから清澄へ行くから」 照「…え」 菫「話は分かった。お前の凹んでる理由も分かった。ついでに解決法も分かった。だから解決に 行く」 照「ちょ…」 菫「拒否権は無いぞ。今までお前には3年間散々振り回されてきたんだ。最後の最後で渾身の力 で振り回してやる」 照「ま…」 菫「要は、お前がその『京ちゃん』に想いを伝え返せば全部解決なんだろう?簡単じゃ無いか」 照「ば、馬鹿言うな!そんな簡単な話しじゃ…」 菫「簡単ですぅー。お前が勝手にややこしくしてるだけじゃないか。テンパッて逃げてなければ 今頃ハッピーエンドだろ?浮かれたお前を私がぶん殴ってそれで終わってたはずだろ?なんでこ んな面倒な事にしてくれてるんだ。ふざけやがって」 照「む、無茶苦茶…」 菫「無茶苦茶なのはお前だ。『京ちゃん』の身になれ馬鹿。想い人に一世一代の懺悔したと思っ たらいつの間にか蒸発されて、数年後に奇跡的に出会って思い切って大告白したら逃げられて… 可哀想過ぎて泣きそうになったわ。アホか」 淡「言われてみれば…」 照「うぐ…」 菫「しかも、お前の話だと妹もその子が好きなんじゃないのか?よく今まで無事だったと思うよ 。運の良さだ・け・は!流石だと言っておいてやる。馬鹿」 淡「確かに奇跡ですよね」 照「おふ…」 誠子「先輩。車が来たみたいです」 菫「よし。それじゃあ行くか」 尭深「これ、カーナビです」スッ 菫「ありがとう。借りておくよ」 照「…」 菫「照」 照「はい」 菫「さっきの反論は」 照「ありません」 菫「ん。じゃあ行くぞ」 照「はい」 泡(あの宮永先輩が子羊のようだ…) 菫「じゃあ、誠子。尭深。明日の部活は任せた。私と照はサボりだ」 誠子「了解」 淡「…」 菫「…淡」 淡「は、はい!!」 菫「……お前も来るか?」 淡「…」 照「あの…菫。一応私がメイン…」 淡「…お願いします。私も連れて行って下さい。弘世先輩」 照「淡まで…」 菫「…ふ。いいだろう」 照「…」 菫「行くぞ。こんなのは、要は行動なんだ。さっさと行ってさっさと済ませるに限る。だろう? 照」 照「はい」 誠子「今から行けば、最短で明日の日の出前くらいまでには長野に到達するでしょう」 菫「よし。わかった。なら、現地に着いたら即効連絡して呼び出せ。連絡先は勿論知ってるんだ よな?」 照「さっき聞いたけど…日の出前に連絡って常識的にどうなの」 菫「お前が言うな」 淡「ばっさりだ…」 菫「さて…それでは諸君。…行くぞ!!」 照「…はい」 淡「…はい」 数時間前 長野→清澄の在来線の中 京太郎「…くー…くー…」 咲「…」 優希「…なあ、咲ちゃん」 咲「…なに?優希ちゃん」 優希「…私は、早く告白しちゃった方がいいと思うじぇ」 咲「え…」 優希「…ん。なんでもない」 咲「それってどういう…」 優希「まだ清澄まで時間あるよな?私は寝るじょ」 咲「あ…」 優希「おやすみ」 咲「…」 優希「…すー…すー…」 咲「…」 咲「…私…」 咲「私は…」 咲「…」 ガタン…ガタン…ガタン… 清澄駅ホーム 優希「さて…それじゃあ、私はさっさと帰るじょ。じゃあな、お前ら」 京太郎「…ん。おう…」 咲「うん…」 優希「…はぁ」 優希「じゃーーーあーーーなーーー!!」 京太郎「うおっ!?」ビクッ 咲「きゃっ!?」ビクッ 優希「ったく…な~に二人してテンション下げてるんだか」 咲「…」 京太郎「わ、悪い悪い…ああ、じゃあな。また明日…」 優希「…京太郎。もしかして」 京太郎「?」 優希「…ん。なんでもないじょ」 京太郎「?」 優希「咲ちゃん」 咲「…うん。また明日。ばいばい」 優希「…ん」 咲「…」 優希「…京太郎」 京太郎「なんだよ」 優希「もう暗いし、咲ちゃん一人で帰らすの、心配だじょ。お前、送ってってやれ」 咲「はっ…!?」 京太郎「…分かった」 優希「うっし!」 京太郎「お前はどうすんだよ」 優希「私のような強者はお前ごときの見送りは不要よ」 京太郎「なんだよそりゃ」 優希「ふっふっふ。…じゃあ、任せたじょ」 京太郎「…」 咲「ゆ、優希ちゃん…」 優希「咲ちゃん」 咲「…なに?」 優希「…」 咲「…」 優希「にひっ」 咲「あ…」 優希「じゃあね~~~~」タッタッタッタッタッ 咲「優希…ちゃん…」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「…」 咲「あ、あの…京ちゃ…」 京太郎「行こうぜ。咲」 咲「…うん」 京太郎「…」スタスタ 咲「…」スタスタ 京太郎「…」スタスタ 咲「…」スタスタ 京太郎「…」 咲(…沈黙が、重い。京ちゃんと二人っきりで歩いて、家まで送って貰って…本来は凄く嬉しい はずなのに、居心地が悪いよ) 京太郎「…」 咲(…さっき電車の中で優希ちゃんに言われた言葉が頭に響いてるから?) 咲(…早く告白した方が良いって…そんな、いきなり言われても、私は…どうすれば) 京太郎「…」 咲(それに、京ちゃん、さっきから元気が無い) 咲(ううん。正確には、さっき長野駅のホームでトイレに行ってから。あれから帰ってきた時、 京ちゃん、目に見えて落ち込んでた) 咲「…」 京太郎「…咲」 咲(何かあったの?京ちゃん。電車の発車時間ギリギリに帰ってきて、電車に乗ったと思ったら すぐにふて寝みたいに眠っちゃって…ちょっと怖かったよ) 咲「…」 京太郎「咲?」 咲「あ…う、うん。なに?」 京太郎「お前んち、どっちだったっけって」 咲「え?」 京太郎「いや、お前んち行くの久しぶりだったから。ちょっと記憶曖昧で」 咲「あ、それは…」 咲「…あれ?」 咲「…わかんない」 京太郎「…お前に聞いた俺が馬鹿だった」 咲「むっ…」 京太郎「しっかし参ったなー」 咲「…う」 京太郎「どうすっかね」 咲「えっと…」 京太郎「仕方ねーなー。スマフォで確認すっか。住所は流石に覚えてるよな?」 咲「うん…って、馬鹿にしすぎ!」 京太郎「ははは…で、住所は?」 咲「あ、えっとね…」 咲「ん。この道見覚えあるよ。ここからなら大丈夫」 京太郎「そっか。じゃあもう地図は見なくて大丈夫か」 咲「けど、おかしいなぁ。いつも通ってる道のはずなのに…」 京太郎「それはあれだな。今がもう真っ暗だからだ」 咲「…」 京太郎「夜道は、いつもと違って見えるもんだ」 咲「…」 京太郎「ま、しかたねーよ」 咲「…なんか」 京太郎「ん?」 咲「なんか、優しいね。京ちゃん」 京太郎「…そうか?」 咲「うん。いつもなら絶対私の事からかい倒すのに」 京太郎「…」 咲「…なにかあったの?」 京太郎「…」 咲「その…さっき、の。長野駅で」 京太郎「んー…」 咲「…」 京太郎「まあ、な」 咲「…」 京太郎「…」 咲「…あの」 京太郎「…」 咲「…何があったか…聞いてもいい?」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「…どうすっかなー」 咲「…」 京太郎「ん~…」 咲「…」 京太郎「…誰にも言うなよ?」 咲「…」 京太郎「…実は、さっきさ」 咲「…うん」 京太郎「ふられちった」 咲「え…」 京太郎「…さっき、電車の待ち時間に。照ちゃんに、さ。告白しに行ったんだわ」 咲「…」 京太郎「…好きです!っつってさ。そしたら、泣かれちゃった。で、ごめんね!って言われて、 そのまんま新幹線に乗ってっちまった」 咲「…」 京太郎「まさかあんだけ拒否られるとはなー。せめてお友達のままで…くらいだったらまだ良か ったんだけど…いや。これもやっぱヘコむか」 咲「…」 京太郎「以上」 咲「…」 京太郎「…昔から、ずっと好きだったんだ。諦めかけてたんだけど、まさかの偶然の再開で、テ ンション上げすぎちまったんかね」 京太郎「そりゃ冷静に考えて、昔ちょっと一緒に遊んだガキなんかに今更告られてもどーせいっ ちゅーねんって感じだわな」 咲「…なにそれ」 京太郎「…悪い。キモかったか?引いた?」 咲「…」 京太郎「…そりゃそうだよな」 咲「…」 京太郎「…っと。着いたんじゃね?確かここだろ。お前んち」 咲「…」 京太郎「…じゃ、俺は帰るから」 咲「…って」 京太郎「さって…と。それじゃあ、また明日な。咲」 咲「待って…」 京太郎「お、今日はそう言えばまだまだオリンピックやってるよな。よし、ダッサイふられ男は コンビニ寄って菓子でも買って、自棄食いしながら朝まで生観戦…」 咲「待って!!」 京太郎「…どうした?」 咲「…ちょっと、待ってて…!!」 京太郎「…はぁ」 咲「いい!?待っててね!絶対待っててね!!絶対絶対!黙って帰ったら駄目だからね!!」 京太郎「お、おう…」 咲「っ!!」ダッ バタン ダダダダダダ ドタン バタン ドタン バタン ゲシッ ウギャアアアアアアアア!! 京太郎「?」 バタン 咲「おまたせ!!」 京太郎「お、おう…」 咲「あ、あのね!?京ちゃん!」 京太郎「ああ」 咲「…きょ、今日、お父さんお仕事で帰って来れないんだって」 京太郎「え…?けど、お前んち電気点いて…」 咲「…消し忘れて出てっちゃったんだって。置き書きしてあった」 京太郎「いや、それはなんかおかしくな…」 咲「だ、だから!!!」 京太郎「はい」 咲「…せ、折角だから…わ、私。京ちゃんの自棄食いに付き合ってあげるよ」 京太郎「…」 咲「…うちでテレビ、一緒に見てかない?」 京太郎「咲…」 咲「…う、うち、さ。テレビ結構大きいし、お菓子も飲み物もいっぱいあるし、その、私の他に は誰も居ないから大声出しても迷惑にならないし…」 京太郎「…」 咲「え、えっと…あ、そうだ。それに、今から家に帰ってたら見逃しちゃう競技も、今から私の うちで見たらいっぱい見れるし…」 京太郎「…」 咲「…ど、どう…かな?」 京太郎「…」 咲「あ、か、勘違いしないでよ!あくまで京ちゃんの残念会の自棄食いに付き合ってあげるのが メインなんだからね!」 京太郎「…」 咲「…って、わけなんですが」 咲「い、いかがでしょうか…」 京太郎「…はは。ありがとうな。…それじゃあ、お言葉に、甘えちまおう…かな」 咲「…」 京太郎「…なんて」 咲「う、うん!!じゃあ、入って!」グイッ 京太郎「おっとっと…」 長野行きの車の中 淡「」ソワソワ 照「…淡?」 菫「…どうした淡」 淡「えっと…その…ま、まだ長野には着かないんでしょうかね」 照「いや…まだまだだけど」 菫「やっと首都高を出たところだぞ」 淡「うぐぐぐ…」 照「どうしたの?」 淡「えっと…その…お、お小水が…」 照「ああ」 菫「淡。どんまい」 淡「ええええ!?」 菫「我慢しろ。事態は一刻を争うんだ。…最悪、黙っててやるから」 淡「お、鬼!悪魔!人でなし!」 菫「くー…」 淡「うわああああああん!寝たふりしたこの人ーーー!」 照「菫…それは流石に淡が可哀想…」 記者「って言うか、私の車の中でおしっこなんか漏らさないでよ。記事にしちゃうわよ」 淡「そんなんされたら自[ピーーー]るぅううううううう!!」 菫「仕方ないな…記者さん。次のパーキング停まってあげて下さい」 照「お願いします」 記者「もとからそのつもりだわよ…っていうか、もう着くわよ」 淡「ほっ…」 記者「はい、到着。行ってこーい」 淡「ありがとうございますううううう!!」タタタタ 記者「ついでに、悪いけど私もちょっとコンビニ行ってくるわ。眠気覚まし買ってくる」スタスタ 照「…」 菫「お前も行ってこい」 照「えっ…」 菫「気分転換も必要だろ。ついでに適当に菓子でも買ってくればいい」 照「…」 菫「今からソワソワしても、仕方ないだろ?今の内にちょっとリラックスしておきなさい」 照「…うん。じゃあ、ちょっと行ってっくる」 菫「あ、ついでにコーヒー買ってきてくれ。UCCのブラックのな。財布は出すの面倒だからお前 の奢りでいいぞ」 照「…」 菫「なんだその顔。ほら、行け」シッシ 照「…はい」スタスタ コンビニ 照「…菫、最近酷くない?」 照「…えっと。お茶と、お菓子買ってこう。あとは、菫のはなんだっけ。…あれ?ミルク入りの コーヒーだっけ。…あれ」 照「まあいいや。このカフェオレにしよう。ミルクと砂糖たっぷりのほうが美味しいし」 照「淡にもなんか買っていってあげよう。コーラでいいかな」 照「…消臭ガム買ってこう」 照「えっと、あと、あぶらとり紙も」 照「…ん?」 照「…あ。折角長野に行くんだし、時間有ったら久しぶりに実家に寄ってもいいかな。みんなに 昔の話したら、すっきりしちゃった。咲とも仲直りしたい…」 照「…うん。それじゃあ、これを買っていこう」ヒョイヒョイヒョイ 照「あとは…」チラッ 照「…えっ?」 照「そ、そんな…」 照「なんでコレがここに…!!?」 車内 照「ただいま」 菫「おかえり」 照「はい、コーヒー」スッ 菫「サンキュ…って、これ、カフェオレ…はぁ。お前は…」 照「?」 菫「…まあいい。で?随分と大量に荷物を抱えているけど、どうしたんだ?適当に菓子でも…と は言ったが、車内で宴会でも始める気か」 照「ふふ…」 菫「…?久しぶりに笑ったな」 照「見ろ、菫」 菫「んあ」 照「奇跡だ」ガサガサ 菫「なにが…って」 照「じゃーん。東京ばな奈」 菫「…まあ、高速のコンビニって、たまに名物とか置いてるよな」 淡「すいませーん!おまたせしましたー」タッタッタ 記者「おらぁ!!気合入ったぁ!!」タッタッタ 照「2個はお土産。後は私が食べる」モックモック 淡「うわ…また東京ばな奈だ…」 菫「…見てるだけで胸焼けしそうだ。やっぱりブラックが良かったな」 記者「うおおおおおおお!!レッドブル8本効っくぅうううううう!こっから先はぶっとばすぞ おおおおおおお!!」 淡「え…」 記者「振り切るぜ!!!!」 淡「なにを…」 ギュルルルルル ブオオオオオオオオオオオオオオオオン!!! 宮永家 咲「…」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「…」 咲「オリンピック、凄いね」 京太郎「ああ…」 咲「…お菓子、食べないの?」 京太郎「ん…まだいいや」 咲「そっか…」 京太郎「うん。もうちょっとテレビ見るのに集中する」 咲「…」 京太郎「…」 咲「……い」 京太郎「…咲?」 咲「…京ちゃんはズルイよ」 京太郎「…あ、ああ、悪い。お邪魔してる立場なのに、1番テレビ見やすい正面のソファに座っ ちまって」 咲「…」 京太郎「…あれ、そうじゃなくて?」 咲「…」 京太郎「咲?おーい」 咲「…ううん。その通り」 京太郎「ごめんごめん。今どけるから…」 咲「いいよ」 京太郎「え?」 咲「そのままでいい」 京太郎「…」 咲「…」スッ 京太郎「ちょ!?」 咲「…私が京ちゃんの隣に座るから」 京太郎「お、お前…!」ドキドキ 咲「」ピトッ 京太郎「あわわわわ」 咲「…ねえ」 京太郎「は、はい!?なんでしょう!!」 咲「…これって、今どっちが勝ってるの?」 京太郎「え?あ、テ、テレビか!?え、えっとな!これは…」 咲「…」 京太郎「それで、これは…こういうルールで…」 咲(…京ちゃん) 京太郎「で、これはこっちが…………で………」 咲(京ちゃん…) 京太郎「この大会のルールだと……で……………の場合は…」 咲(京ちゃん…!!) 咲(好き) 咲(大好き) 咲(大大大大大好きだよ) 京太郎「……だって…………ってルールで…俺の好きな………は……」 咲(愛してる) 咲(…けど、京ちゃん) 咲(私、私、私…!!) 咲「…」 咲(私は……っっっっっ!!) 咲「…ありがとう」ボソッ 京太郎「…へ?」 咲「…」 京太郎「…咲?」 咲「…」 咲(…私は、京ちゃんには告白しないよ) 咲「…」 京太郎「…寝ちまったのか?」 咲(好きだけど。愛してるけど。告白しないよ) 咲「…」 京太郎「…そっか。寝ちまったか…」 咲(うん。私は…眠ってしまったの) 京太郎「…」 咲「…」 咲(…京ちゃんの好きな人が、お姉ちゃんなのなら…) 咲(私は、京ちゃんに告白しないんだ) 咲(絶対に。絶対に告白してあげないんだ…) 咲(してあげないんだから…) 咲(…京ちゃんが、言っちゃったから悪いんだよ?) 咲(私が、それを知ってしまったから…) 咲(だから、告白しないんだよ) 咲(…京ちゃん、今私が身体を寄せた時に、ドキドキしてくれたでしょ?) 咲(…だから、告白してあげないんだよ) 京太郎「…咲」スッ 咲「…」 京太郎(…止めた。寝てる咲に何しようとしてんだ俺は。頭撫でるつもりか。さっきの今で。… 馬鹿野郎。これ以上屑になる気か俺は) 京太郎「…はぁ」 京太郎(…咲がもたれ掛かってるし。動けないな) 京太郎(…俺も、寝よう) 京太郎「…」 咲(…京ちゃんが、お姉ちゃんを好きだから悪いんだよ) 咲(京ちゃんが、お姉ちゃんに告白したから悪いんだよ) 咲(…京ちゃんの中の私が、お姉ちゃんに負けてたって、知ってしまったから) 咲(…だから、私は、告白しないんだ。私は京ちゃんに告白しないよ。京ちゃんが私に告白して くれるなら応えてあげるけど) 咲(…お姉ちゃんに、負けたまんまじゃ、応えてあげないんだから) 咲(京ちゃんは寂しんぼだから、もしかしたら今私が本気で告白したら、応えてくれるかもしれ ないけど) 咲(…けど、それをしたら、お姉ちゃんにも、優希ちゃんにも顔向けが出来ないから) 咲(…だから) 咲(…だから、ねえ京ちゃん) 咲(…私、馬鹿だよね) 咲(…だけど、決めたんだ) 咲(…京ちゃんを、本気で惚れさせてやるって。お姉ちゃんに勝って、京ちゃんの告白に『しょ うがないなー』言って応えてあげるって) 咲(それまで、京ちゃんの1番はお姉ちゃんで良いよ) 咲(けど、絶対に負けないから) 咲(…負け…) 咲(…怖いけど) 咲(不利かもしれないけど) 咲(今のままじゃ、お姉ちゃんがその気になったらあっという間に終わってしまうけど) 咲(…時間もないし、勝ち目も全然見えないないけど) 咲(…それでも、私はこんな不器用な戦い方をする自分を、誇りに思える。肯定できる。だから 、闘う) 咲(…) 咲(…私) 咲(…馬鹿だなぁ) 咲「…」 京太郎「…すう…すう…」 咲「…」パチッ 京太郎「…すう…すう…」 咲「…京ちゃん?」 京太郎「…すう…すう…」 咲「…寝たの?」 京太郎「…すう…すう…」 咲「…寝たんだね」 咲「…」 咲「…京ちゃん」 咲「…待っててね」 咲「それと」 咲「ごめん」 咲「…あとは」 咲「…ばーか」 咲「…」 咲「…」チュッ 咲「…」 咲「…ほっぺただけは、貰っておくよ」 咲「…」 咲「…」 咲「…」 咲・京太郎「「…すう…すう…」」 未明 清澄 記者「着いたぁああああああああああ!!…すみません。体力の限界ですので休ませて下さい」 菫「…着いた、か。ご苦労さまです。ふう。流石に田舎だけあって清々しい空気だ」ノビー 淡「うぐぅ…」フラフラ 照「ごふぅ…」フラフラ 菫「なんだお前ら。随分とフラフラじゃないか」 淡「だって…あの激しい運転…」ヨロヨロ 照「…」 菫「情けない…これからが本番だというのに…」 淡「化物ですか先輩の体力」 照「えう…」 菫「…照?」 照「うぷ…」 菫「…おい」 照「…ごぷ」 菫「おい!」 淡「ちょ!?まさか…!」 記者「ま、待って宮永さん!せめて車の外に…」 照「えろろろろろ…」ゴッポォォ 記者「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!」 淡「うわぁ…」 菫「やっちまいやがった…」ハァ 照「ギボジワルイ」ウルウル 記者「」 淡「高速の車の中であんなに甘いもの食べるから…」 菫「…おい。大丈夫か?」 照「まずい。死ぬ」 菫「参ったな…流石にこんな状態のコイツにターゲットを会わせるわけにもいかないし…」 淡「どこか、休める場所とかありませんかね」 記者「」 淡「…記者さん、真っ白になってます。…すみません。せめて安らかに…」ナームー 菫「この辺はとんでも無い田舎だしな。休憩出来そうな場所あるか?ホテルとか、カフェとか、 マンガ喫茶とか」 照「…無い。間違いなく」フラフラ 菫「むむむ…」 淡「かと言って、宮永先輩のゲロまみれの車の中は…」 菫「却下だ」 照「その辺の道端でも大丈夫…」 菫「却下。虫が多い」 淡「じゃあ、どうしましょうか」 菫「…照」 照「なに…」 菫「…お前の家はどこだ」 照「…?」ポヘ? 菫「いや。お前の実家だよ。こんな時間に訪ねるのもアレだが、実家なら休憩くらい出来るだろ うが」 淡「あ、ナイスアイディア」 照「えー…」 菫「なんだ。嫌そうな顔だな」 照「なんか咲に顔合わせにくいっていうか…」 菫「お前、今更なぁ…」 照「むぅ…」 菫「兎に角だ。この辺は虫多いし、暑いし、私はいい加減一刻も早くクーラーの効いた室内に行 きたいんだよ」 淡「それが本音ですか」 照「菫、酷い」 菫「五月蝿い。いつまでも駄々捏ねてるとそのトコロテンのような頭をシェイクするぞ」 照「ごめんなさい」 淡(この人にだけは、本当に逆らわないようにしなければ…) 菫「分かったな?それじゃあ早く案内しろ。迷ったらシェイクだ」 照「はい」 淡「あの…」 菫「ん?」 淡「記者さんは…」 記者「」 菫「…記者さん」 記者「あ、は、はい…」 菫「今晩中には東京に戻りたいので、車の中綺麗にしておいて下さい」ニコッ 記者「…」 菫「ありがとうございます。では、よろしく。…さ、行くぞ、照」ズンズン 照「はい…」トボトボ 淡(哀れな…って) 淡「…」チラッ 記者「…」 淡「…えっと」 記者「…?」 淡「…よ、よろしくお願いします!」ペッコリン 記者「…」 淡「弘世先輩ー!宮永先輩ー!待ってくださいよー!」トテテテテ 宮永家 京太郎「…ん」パチッ 咲「あ、起きた?」 京太郎「咲…」 咲「おはよ」 京太郎「…おはよう。今何時?」 咲「まだ5時前だよ」 京太郎「なんだよ。ぜんっぜん寝てねーじゃん…」 咲「ふふ…狭いソファーの上に二人だったからね。無理な体勢でよく寝れなかったのかも」 京太郎「」ドキッ 咲「京ちゃん?」ズイッ 京太郎「あ、ああ…なんでもない」 咲「そっか」 京太郎「お、おう…あ、そういえば今日学校じゃん。授業道具取りに行かなきゃ…」 咲「まだ結構時間はあるよ?」 京太郎「そうだけど、風呂入ってねーしシャワーくらい浴びてきてーし」 咲「…うちの浴びてく?」 京太郎「はぁ!?」 咲「…ふふふ。なんちゃって」 京太郎「お前なぁ…」 咲「あはは!」 京太郎「んじゃ、行くぞ。お邪魔しました…」 咲「ちょっと待って」 京太郎「なんだよ」 咲「私、早起きしたから、朝ごはん作ってたの」 京太郎「…」 咲「ついでだから、食べてかない?」 京太郎「…いいの?」 咲「うん。あと、私はもう食べたし、これからシャワー浴びてくるから」 京太郎「…」 咲「私が上がってきたら、一緒に学校行こ?」 京太郎「…」 咲「京ちゃんが家でシャワー浴びてる時間くらい、外で待ってるから」 京太郎「咲…」 咲「それじゃあ、行ってくるね。あ、ご飯は炊飯器から好きなだけよそって良いよ!おかわりも ご自由に!」タタタタ 京太郎「…行っちまった」 京太郎「もう配膳されてるし」 京太郎「目玉焼きに、味噌汁に、肉じゃが?」 京太郎「…ま、いっか。折角だし、いただきますか」 京太郎「…」ゴソゴソ 京太郎「…」パクッ 京太郎「…ん」 京太郎「んまい」モグモグ 京太郎「…」モグモグ 京太郎「…」モグモグ 京太郎「…」モグモグ 京太郎「…」モグモグ 京太郎「…ごちそうさまでした」ペッコリン 咲「ふう。いいお湯だった」スタスタ 京太郎「ぶふっ!」 咲「あれ、どうしたの?京ちゃん」 京太郎「…いや、なんでもないです」 咲「そう?」 京太郎「…」 京太郎(すでに制服だけど…湯上りだから髪濡れてて艶っぺー!?) 京太郎(くっそ…!なんなんだよ昨日から!このぉ…咲の癖にぃい…!) 咲「…ご飯、どうだった?」 京太郎「ん。美味かったよ。ごちそうさま」 咲「そう。良かった。お粗末さま」ニコッ 京太郎「…」 咲「洗い物は帰ったらするから、じゃあ、もう出ようか」 京太郎「ん?あ、ああ…そうだな」 道端 照「あれ…えっと…」キョロキョロ 菫「…」 淡「…」 照「えーっと…こっちがあれで、あっちがそれで…えっと…」 菫「…おい。ジモティ」 照「あれ…」ウロウロ 淡「宮永先輩って…」 照「あ、こ、この道!この道なんだか見覚えがある!」 菫「当たり前だ」 淡「…さっきもこの道通りましたよ」 照「…困った。道が変わってる」 菫「お前の生まれ故郷は不思議のダンジョンか」 淡「ああ。それなんか納得しました」 照「あれ?なんで?あれ?」 淡「迷ったんですね…」 菫「まさか本気で生まれ育った故郷で道に迷う奴が居るとは…」 照「あううう…あ、こ、こっち…かも…」 菫「おい、淡。コインランドリー探せ。コイツ一回乾燥機で回してやる」 淡「落ち着いて下さい弘世先輩」 照「しまったな…どうやって私はこの町で生きてきたんだろう」 菫「本当にな…」 照「…キボジワルヒ」 淡「またですか!?」 菫「ほら、道端行け。幸いこの辺田んぼばかりだ。お前の酸っぱいゲロも肥料になろう」 照「オボロロロロロロ…」 淡「…私、なんだか泣けてきました」サスサス 菫「それにしても…ふう。どうしたものか。このままじゃ我々はこのド田舎で遭難してしまうか もしれん」 淡「人様の街を…」 照「…はぁ。はぁ」 淡「…あ、もう大丈夫ですか?」 照「ん」 淡「…なんか、この人随分大人しくなりましたね」 菫「そうだな。麻雀部では威張り腐ってる癖にな」 照「…」 淡「…」 菫「ん?何か言いたそうな顔だな」 淡「いえ。何も」 菫「そうか」 淡(逆にこの人は何故こんなに理不尽なのだろうか) 照「…っ」ピクッ 菫「…ん?」 淡「どうしたんですか?宮永先輩」 照「…ねえ、何か聞こえない?人の声…」 淡「え?ん…言われてみれば確かに」 菫「おお、丁度いいじゃないか。道を尋ねられる」 淡「あ、確かに」 照「…」 菫「良かった、これで遭難を免れられるぞ。早く道を押しえて貰って宮永家に行こう。流石に歩 き疲れた」 照「…」 淡「そうですね。私もお腹すいちゃいましたし…シャワー借りられないでしょうか」 照「…」 菫「…照?」 照「…この声」 淡「…宮永先輩?」 照「…聞き覚えがある」 菫「は?何を…」 照「あっちだ…!」タッ 菫「あ。おい、照…!」 淡「えっ!?えっ!?えっ!?」 菫「淡!ぼさっとするな!追うぞ!」ダッ 淡「あ…は、はい!!」ダッ 咲「 」 京太郎「 」 咲「 」 京太郎「 」 淡「…そして、勢い良く走っていった割にコソコソ後ろをつけるんですね」コソコソ 照「…うん。あの子達が、妹の咲と、私の好きな人の須賀京太郎君」コソコソ 淡「良くあの遠距離で確認できましたね。今だって顔を確認出来るような距離じゃないのに」 照「二人は私の大切な人だもん」 淡「…そうですか」 菫「…何を話してるかは聞き取れないが随分親しげじゃないか。それにこんな時間に二人で歩い て…もう付き合ってるんじゃないのか?今は朝帰りに的な」 照「」ガーーーン 淡「弘世先輩!」 菫「いや、でもあれはどう見ても」 照「…」クスン 淡「ほらぁ。また凹んじゃったじゃないですかぁ…」 菫「面倒くさい…わかったわかった。まだ付き合ってない付き合ってない」 淡「…」 照「…そう、かな」 菫「ああ。大丈夫だ」 照「」ホッ 淡「信じた!?」 菫「しかし、それでもあの二人が随分仲良さそうなのは間違いないぞ」 照「あわわわわ」オロオロ 淡「面倒な人だなぁ…」 菫「どうする?照。まさかここで会うとは色々と手間が省けた感じではあるが…」 照「こ、心の準備まだ出来てないよ…」 菫「だよなぁ…」 照「ど、どどどどうしよう、ねえ、菫、淡…私…」 淡「それに、妹さんもいる前じゃ、ちょっと…」 照「そ、そうだよ。今は咲が居るし。駄目だよ。それにもし二人が本当に付き合ってたら私…」 菫「ったく…」ボリボリ 淡「…菫先輩?」 菫「…照。お前、そこでちょっと待ってろ」 照「…へ?」 菫「行くぞ。淡」 淡「へ?」 菫「私に考えがある。上手いことあの妹ちゃんをターゲットから引き離すぞ」 照「え?」 菫「照。私達がここまでするんだ。まさか私達の頑張りを無視してこのままウダウダしてるなん て情けない真似で終わるんじゃないだろうな」 淡「ちょ!?強引過ぎませんそれ!?」 菫「大丈夫、別に危害を加えるわけでは無いさ。ただちょっと照の告白までの時間稼ぎをさせて 貰うだけだ」 淡「なんか怖いですよ。言っておきますけど、私は不良の真似事なんて絶対にしませんからね」 菫「馬鹿言うな、私がそんな真似するわけないだろ。なあ?照。お前ならわかるだろ」 照「い、妹に手を出すなよ…!」 淡「ほら、信用されてない!」 菫「あれ…おかしいな」 照「い、幾ら菫だって、咲に危害を加えるなら私だって…」 淡「信頼ってなんなんでしょうか…」 菫「めんどくせえなぁ…」 淡「そういうのが悪いんですって!」 菫「ったく。兎に角、行くぞ。照。このままそこで縮こまってたらもうどうなっても知らんぞ。 どうしても妹が心配なら、告白の結末だけ着けてから来い」 淡「妹さん人質!?」 菫「今まで色んな事から逃げてばかりで、情けないと思わないのか」 照「…」 菫「いじめから逃げて、妹と向き合うことから逃げて、自分の気持から逃げて、挙句に好きな人 からの告白からすら逃げて。次は何から逃げる気だ?麻雀か?学校か?人生か?」 照「…」 菫「一個でも最後まで立ち向かって見ろよ。お前、確かに麻雀はバケモノだけど、このままじゃ 壁にぶつかったらそこで終わるぞ」 菫「…麻雀だけじゃなくてもさ。他になんにも取り柄の無いお前だけど、それでも逃げずに立ち 向かえばなんとか打ち勝てるものだって今までの人生には幾らでもあったはずなんだよ」 照「…」 菫「立ち向かえ。お前がさっき妹を私から守ろうとしたろ。そんな風に立ち向かえ。一人が怖い なら私達に頼れ。お前が望むなら、私達が幾らでも力になってやるから」 菫「お前、長野は敵ばかりで、友達が居なかったって言ってたよな?じゃあ、今はどうだ?私は ?淡は?誠子は?尭深?他の麻雀部やクラスの連中は?」 照「…」 菫「例えどれだけダメ人間のお前でも、友人の私達の力が有れば、お前、幾らでも強くなれるだ ろう?」 菫「だから、安心してぶつかってこい。戦うべき時に戦ってこい。勇気出してやりたい事、やる べき事やって、結果見届けて、自分の限界知ってこい」 菫「失敗したら笑ってやるから。一緒に泣いてやるから。成功したら一緒に喜んで笑ってやるか ら」 菫「…それで、私が困ってたら、お前が私を助けてくれればそれでいい」 照「…」 菫「逃げるな。たまには逃げてもいいけど、今だけは逃げるな。逃げるべき時は逃げていいから 。今だけは絶対に逃げるな」 照「…」 菫「…行くぞ。淡」スッ 淡「あ…」 照「…」 淡「…宮永先輩」 照「…」 淡「私も、戦ってきます」 照「…」 淡「だから、待ってます」 照「…」 淡「…っ!」タタタタタ 咲「それでね、京ちゃん…」 京太郎「…ん?」 咲「…京ちゃん?」 菫「おはよう、少年少女達」スタスタ 淡「えーっと…お、おはようございます」 咲「…?お、おはようございます…」 京太郎「…誰?」 菫「ああ、失礼。私は東京の白糸台高校というところの人間だよ。3年生にして麻雀部部長の弘 世菫だ」 淡「お、同じく1年の大星淡です」 京太郎「…はぁ」 咲「えっ。白糸台って…お姉ちゃんの…」 京太郎「へ?」 菫「その通り。宮永照はうちのエースだ」 京太郎「えっ」 菫「そう。宮永照。…私達は親しみを込めて『照ちゃん』と呼んでいるがね」ニヤリ 淡(嘘ばっかり…) 京太郎「えっ!?」 咲「…何の用…ですか?」 菫「ん?何。大したことじゃない。これは恥ずかしながら今まで知らなかった事だが、我等が絶 対的なエースに、なんと妹さんが居ると言うじゃないか」 菫「あの子は恥ずかしがり屋でなかなか自分の事を話さないから、まあ無理もないのだけれどね 」 咲「…」 菫「それで、今日は君をスカウトに来た」 咲「は…」 京太郎「はぁあああああああああああああああああ!?」 淡(この人、悪役やったら板につくなぁ…) 菫「おや、何を驚いているんだい?」 京太郎「ふ、ふっざけんじゃねぇよ!!」 菫「至って真剣だが」 京太郎「尚更悪い!!」 菫「クククク。おや、何故だい?」 京太郎「何故って…全国前にしたこの時期に、王者がチャレンジャーの戦力引き抜きに来るって 、どういう了見だってんだよ!」 菫「おや、と言うことは君達も全国に出るのか、初めて知ったよ。なにせ我々は王者なので、下 々の者には興味が無い」 京太郎「この野郎…!!馬鹿にしやがって」 淡(初出場校はダークホースになりやすいって、いっつも入念に調べまくってる癖に) 菫「そう言われてもね。本当にこの子の存在を知ったのは最近なんだ」 京太郎「それは残念だったな!行くぞ咲!」 咲「あ、う、うん…」 菫「いいのかい?」 咲「…え、えっと…ごめんなさい…」 京太郎「だとよ!悪いけどお引き取り願おうか!王者様!!」 菫「本当にいいのかい?」 咲「…?」 京太郎「咲!耳貸すな!早く行くぞ」 咲「う、うん…」 菫「君の姉から、君宛てにと言って預かっている物があるんだが」スッ 咲「えっ…」 淡(あ…宮永先輩がコンビニで買ったっていう、妹さんへのお土産が入った袋。いつの間に) 菫「実は私もまだ中身を検めてはいないんだが…君にどうしても渡して欲しいと言われているん だが」 咲「…」 京太郎「咲!」 菫「…私と、サシで話をしないか。丁度すぐそこに神社がある。そこで二人きり、ゆっくりとな 」 咲「…わかりました」 京太郎「咲!」 咲「大丈夫だよ。京ちゃん。この人、雑誌で見たことある。本当に白糸台の部長さんだ」 京太郎「けどよ…」 咲「…お姉ちゃんの名前を出したって言う事は、きっと本気でしたい話があるんだ。危ないこと されるとも思えない」 菫「懸命な判断だ」 淡「ひ、弘世部長…?」 菫「なんだ?淡」 淡「い、いや…なんですかこの状況。サシで話って…私が一緒に来た意味一瞬で無くなっちゃっ たじゃないですか。私どうすればいいんですか」ヒソヒソ 菫「さあね」 淡「絶句です」 菫「…お前、昨日から言いたい事あったんじゃないのか?コイツに」 淡「…へ?」 菫「お前、東京には小学生の時に転校してきたんだって?」 淡「…」 咲「…あの」 菫「…ああ、すまない。ちょっと打ち合わせをね」 京太郎「…咲」 咲「大丈夫だよ。…待ってて、京ちゃん」 京太郎「…わかったよ」 菫「こいつは人質だ。私がこの子に危害を加えたら、コイツをいじめ殺して良いぞ」 淡「ふえっ!?」 京太郎「誰がんな事するかよ!」 菫「ふふ。そうだったか失礼。それじゃあ行こうか」スッ 咲「はい」スッ 京太郎「…」 淡「…」 京太郎「…」イライラ 淡「…」ダラダラ 京太郎「…」イライラ 淡(ど…) 淡(どどどど…) 京太郎「…」イライライラ 淡(どおおおおおおおおおおおおおおおしよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!) 京太郎「…チッ」 淡「」ビクッ 京太郎「…あ?」 淡(なんか嫌な予感はしてたんです。確かにしてたんです。宮永先輩の話聴いてた時に、ちらっ と確かに思ってたんです!) 淡(ま、まさか…まさか…まさか…!って!うっすらと嫌な予感はしてたけど、だけど、だけど !顔見た後にああ、やっぱりって思ったけど!だけど!) 淡(まさか、宮永先輩が好きになるような人だし、なんだかんだ言って人畜無害そうな感じの人 だって思ったのに!信じたかったのに!) 淡(それでも一応なんか確かめなきゃいけないと変な使命感覚えてノコノコ付いてきたけど!) 淡(もうずっと前だし、名前も覚えてなかったし、顔もうろ覚えだったし!流石にトラウマ克服 したと思ってたのに!!) 淡(思い出してしまったぁあああああああ!!この人だ!!間違いない!!5年2組の須賀京太 郎だあぁあああああああああ!!!) 淡「」ガタガタ 京太郎「…おい」 淡「ひゃぃっ!!?」ビクッ 京太郎「…なんでそんなビビってんだよ」 淡「す、すみ、すみま、すみません…」ガタガタ 京太郎「…ん?」 淡(ひいいいいいい!) 京太郎「…アンタ、どっかで見たことあるような…」ジーッ 淡「そ、そうですか!?私アナタはじめて見ましたけど!お初にお目にかかると思いますけど! !けど!!」 京太郎「そうだっけ…まあ、確かにそうか。俺に東京の知り合いなんか居ないはずだし…」ブツフ ゙ツ 淡(そしてとっさに誤魔化してしまったぁあああああ!ああああ!だから嫌だったんです!弘世 先輩の鬼!悪魔!弘世菫!あの人が傍にいるならって一緒に飛び出したのに!) 淡(なんで私とコイツが二人きりになる状況作り出してくれちゃってるんですかぁああああああ あああああああ!!?しかも敢えて挑発しまくって印象と機嫌悪くした後に!!) 淡「あわわわ…」ボソッ 京太郎「…ん?」 淡「ひゅっ…」 京太郎「…」 淡(し、しまった…この口癖」。『あわわわ』って、昔からの癖なんだった。下手に使ったら思 い出されてしまう…) 京太郎「あわわわ…って…」 淡(手遅れ!?)ビックーーーン 京太郎「なあ、アンタ」 淡「は、はひ!?」 京太郎「悪い。さっき不意だったから、名前良く聞き取れなかったんだ。もう一回教えてくれる か」 淡「あわわわ…」 京太郎「そう、その口癖。なんか引っかかるっつーか…」 淡「…」 淡(うわああああん!どうしましょう宮永せんぱぁあああああい!!) 淡「あのぉ…」 京太郎「ああ」 淡「そのぉ…」 京太郎「…」 淡「あー…」 京太郎「…」 淡「…」 京太郎「…」 淡「…」 京太郎「…」イライラ 淡(イライラしていらっしゃるぅううううううう!!) 淡(どうしようどうしようどうしようどうしよう) 淡(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい) 淡(嫌。コイツからのいじめが耐えがたくて、わざわざ長野から東京まで転校してきたのに。も う二度とコイツに会う事なんて無いと思ったのに) 淡(いじめられるのが嫌で、地味な外見が原因なのかもって悩んだ挙句に怖い外見になろうとア イツの髪の色真似て染髪までしたのに) 淡(それが…それが、なんでこんな状況になってるの!?) 京太郎「なあ。答えろよ。オイ」イライラ 淡(いやああああああああああああああああああ!!何にも変わってないじゃないコイツ!!) 京太郎「なあ…アンタ」 淡(宮永先輩!コイツ、やっぱり駄目ですって!外見は確かにちょっと丸くなった…ってか柔和 そうな顔にもなりましたけど、やっぱりコイツ悪い奴です!) 淡(正解です!告白に応えないで正解でしたよぉおおおお!宮永先輩がコイツ彼氏としてうちの 部室に連れてきたりしたら、私ストレスで死にますから!!) 京太郎「…」 淡(無言で睨むなぁ!!あああああもうっ!逃げたい!逃げたい!逃げたい!逃げたい!逃げた い!逃げたい!逃げたい!逃げ…) 淡「…逃げ?」ピタッ 京太郎「…?」 淡「…」 京太郎「…なぁ「大星淡です」」 京太郎「…へ」 淡「大星淡です。覚えてませんか?この名前」 京太郎「大星…淡…」 淡「はい。まあ、見た目はこの通り大分大人っぽくセクシーになってたので、外見で気付かれな いのは仕方ないかも知れませんが」 淡「…ってか、タメだし敬語使う必要ないよね。須賀京太郎」 京太郎「おお…ぼし…」 淡「思い出せないって言うなら自己申告すれば良いよ。その瞬間ぶん殴ってやる」 京太郎「…お前、まさか…」 淡「思い出した?」 京太郎「…俺が、昔いじめてた」 淡「正解。じゃあ、殴られても仕方ないって、自分でもわかってるよね?」 京太郎「は…」 淡「[ピーーー]!!」バキッ!! 京太郎「いってぇ!?」 淡「ふん。思わず禁止用語を使ってしまいましたが。まあ、これで私の怒りはわかりましたね? この糞野郎」 京太郎「…大星」 淡「ったく…宮永先輩には、今度プリンの王様プリン・ア・ラ・モード奢ってもらわなけりゃ気 が済みませんよ本当に」ブツブツ 京太郎「…あの」 淡「なんですか?この下郎」 京太郎「げろ…い、いや。その、待ってくれよ。お前には色々言いたい事も聞きたい事もあるん だ」 淡「私には聞きたい事も教えたい事もありませんが」 京太郎「…」 淡「…はぁ。なんですか?一個だけ聞いてあげます」 京太郎「…その、昔は、すみませんでした」 淡「はっ。別に今更貴方に謝罪されても私の心には響きません。自分の気を済ませたいなら、穴 掘ってその中でごめんなさいって繰り返してればいいんじゃないですか」 京太郎「それでも、言わせて欲しいんだ。…あの頃は俺が馬鹿だった。大星が嫌がってるのに、 くだらない理由でお前に嫌がらせ繰り返して」 淡「知りませんよ。いじめっ子の心境なんて聞きたくもありません」 京太郎「…」 淡「…けど、まあ、それでも貴方のお陰であるものもありましたし」ボソッ 京太郎「え?」 淡「…いくつか、教えてあげてもいいって思った事がありました。時間が無いので手短に」 京太郎「時間が無い…?」 淡「1つ。私は強くなりましたよ。貴方なんかよりずっと強く。もう負けません。いつだって相 手になってやります」 京太郎「…」 淡「2つ。けど、私が貴方を許す事はありません。少なくとも現時点では、よっぽどの奇跡が起 こらない限りは」 京太郎「…」 淡「3つ。でもまあ、私が自分より弱い奴を恐れる事はもう無いです。覚えておくといいですよ 。私の心は健全です」 淡「そしてもう1つなんですが…」 淡「…照ちゃんは、我々だけでは面倒見切れません。貴方のせいで無駄に元気なので、とっとと 保護義務を果たして下さい」 京太郎「へ?」 ドドドドドド 照「あわあああああああああああああああああ!!」バキイイイイッ 淡「ごふっ」 京太郎「」 淡「」ドサッ 照「京ちゃん!京ちゃん!?いきなり淡に殴られてたけど、大丈夫!?怪我は無い!?ちょっと 淡!何話してた知らないけど、いきなり殴る事ないじゃない!!」ギューッ 京太郎「へ?へ?へ?照ちゃん?へ?」 照「京ちゃん!京ちゃん!京ちゃん!痛くない!?大丈夫!?ねえ!ねえ!ねえ!ええええええ えええん!!」 京太郎「えーっと…」チラッ 淡「…ふん。なんですか、もう話す事はありません」サスサス 京太郎「…まいったな…」 淡「…。あー、そうだ。じゃあ、もう一個だけ教えてあげましょう。これ、実は今までで一番重 要な話かもしれないんですが」 淡「私はプリンが大好きです。以上。じゃあ、言いたい事言ったのでどっか行きます」ムクッ 京太郎「ちょ、待てって、大星!お前さっきから何言って」 淡「嫌です。…宮永先輩。先輩には良く分かんないかも知れませんけど、私は勇気を出しました 。なんか、今なら矢でも鉄砲でも来いって感じです」 照「淡?」 淡「勇気を出してみた先達としてアドバイスを言うとですね。勇気出すと、すっきりしますよ。 気持ちいいです。モヤモヤが晴れます」 淡「あとは、宮永先輩次第だと思いますんで。じゃあ、頑張ってください」 照「…」 淡「では」スタスタスタ 照「…」 京太郎「…」 淡「あ、ところで須賀京太郎。余計な事言ったらぶっ殺しますから。私には完璧超人なりのイメ ージってもんがあるんで」 淡「…ふんっ」スタスタ 京太郎「…なんも言うなってか」 照「京ちゃん?」 京太郎「…照ちゃん。はは。半日ぶり…くらい?」 照「…うん。そうだね」 京太郎「…まさか、こんな早く再会する事になるとはなぁ」 照「…」 京太郎「…何か、用だった?」 照「…うん」 京太郎「落し物したとか」 照「…ちょっと違う」 京太郎「じゃあ、間違えて誰かのもの持ってっちゃったとか」 照「それもハズレ」 京太郎「忘れ物?」 照「それも、あるかな。でもちょっとハズレ」 京太郎「…」 照「…正解は、迷子。道を間違えちゃったんで、正しい道の歩き直し。そのスタート地点まで、 歩いてる最中なの」 京太郎「…」 照「いっぱい、いっぱい、さ。私、迷っちゃったんだ」 京太郎「照ちゃん、方向音痴だしな」 照「本当だよ。だから、何回だって迷って、変な道行っちゃって。気付いたらいっつも暗い道だ ったり、険しい道だったり、寒い道だったり。心細くていっつも泣いていた」 照「…けど、昨日、今まで歩いて来た道をふと振り返って見て気付いたの。その度に誰かが私の 腕を引いてくれたから、今私はここに居る」 照「行き先もわからずに歩いてきたけど、それでもなんとか道を踏み外さずに引っ張ってもらっ て、ここに居る」 照「さっきの偉そうな奴とか、生意気そうな奴とか、他にも東京には殺し屋みたいな奴とか、お 茶ばっか飲んでる奴とか。後は、咲とか。他にもいっぱい。いっぱい手を引いてくれた」 照「…その中でも、京ちゃんは、私が1番怖い道を歩いてる時に、一緒に歩いてくれてたんだ。 矢が降ってきても、爆弾降ってきても、なんでも無い振りして、傷だらけになって」 照「私、お姉さんなのにいっつも子供みたいにベソかいて道を歩いてたんだ。誰かに手を引っ張 ってもらうまで蹲って。本当、頼りない子だったと思う」 照「…でも、それだけじゃ駄目なんだ」 照「私は方向音痴だから。この先もきっと誰かに手を引っ張って貰わなきゃ歩けない」 照「けど、この先はきっと、自分で行くべき場所を決めなきゃいけないんだ。暗い道を照らすの は、私がやらなきゃ駄目なんだ。歩くのは、自分の意志で歩かなきゃ駄目なんだ」 照「一緒に歩いてく人を支えてあげたい。擦れ違う人を励ましてあげたい。迷った人を照らして あげたい」 照「私を今まで支えてくれてきた人たちのように、今度は私が誰かを支えてあげたい。私が今此 処に在れるように、誰かが其処に在れるようにしてあげたい。その為に、迷子から抜け出したい 」 照「だから私は、戻ってきたの。この、君が居る街に」 照「…ねえ、君。名前、教えてくれるかな。私の名前は宮永照。東京の、白糸台高校に通う3年 生。特技は麻雀。宝物は、妹の宮永咲」 照「…君が、いじめっ子から助けてくれた子」 京太郎「…っ!!」 照「…受かった高校。教えたよ」 京太郎「…お、俺っ!!」 京太郎「…俺は…!」 京太郎「…俺は、須賀京太郎!!長野の、清澄高校に通う、1年生!!麻雀部員だけど、麻雀は 素人。ペットはカピバラ。好きな人は…!」 照「…」 京太郎「好きな人は…!!」 照「…うん」 京太郎「照ちゃんだよ!!!」 照「うん…!」 京太郎「…~~~~っ!!」 照「…やっと、迷子から抜け出せた」 照「やっと、追いついた」 照「やっと、捕まえた」 照「やっと、隣を歩ける」 照「やっと、声を届けられる」 照「ねえ、京ちゃん。じゃあ、忘れ物、返すね」 京太郎「…」 照「…これは昨日の忘れ物だけど…」 照「…『私も好きです』って」 照「『私はすぐ迷子になるので、どうか私が迷わないよう、あなたの手を繋いで下さい』って」 照「『その代わり、私はあなたが道を見失いように、照らし続けます』って」 照「『どうか、私と一緒に道を歩いてください』」 照「『あなたの横で歩かせてください』」 照「『大好きです』って、言い忘れた言葉を。初めて会ったその瞬間から暖めていた想いを乗せ て、あなたに渡します」 照「どうか、受け取ってください。京ちゃん、大好きだよ」 照「付き合おう」 照「…」 京太郎「…ありがとう」 京太郎「改めて…よろしくお願いします…!!」 照「…うんっ!!」 神社の階段のてっぺん 淡「…はぁ」スタスタ 菫「ああ、淡。ご苦労」 淡「ご苦労って…なんですかその、計画通り…!!みたいな顔。なんですか。私の事どこまで知 ってるんですか先輩は」 菫「いやあ、お前の親御さんからな?実は、入部に当たって、相談があったんだ。この部に不良 系は入部することは有り得ないんでしょうかって」 淡「は…」 菫「素晴らしい親御さんじゃないか。お前が小学校の頃いじめられて転校してるのを気にして、 色々手を尽くしてくれてたらしいぞ。お前、ちゃんと感謝しておけよ」 淡「」パクパク 菫「まあ、私も顧問の先生から聞いた話だが。そんな話を聞いたら私も少々気になってな。小学 校やらの経歴は全部調べた。いやあ、まさか照と同じ地域出身だとは。魔境かここは」 淡「あわわわ…」 菫「はっはっは」 咲「…はぁ」 淡「…あ、妹さん…良かった。〆られて無かった」 菫「誰がんな事するか。照の買ってきた土産を二人で食ってたんだ。特等席の神社の階段の上か ら観戦しながらな」 淡「何を買って…って、うわ。東京ばな奈」 咲「…うええええ…京ちゃぁん…」モックモック 淡「しかも泣きながらもすっごい食べてるし」 菫「好物らしい」 淡「はぁ…」 咲「うええええええ…」グスグスモグモグ 淡「なんか、悪いことした気になってくるなぁ」 菫「お前が彼を殴った時、この子も飛び出しそうになってたんだぞ」クスクス 淡「それは…うん。ごめんね」 咲「いいの。全部話はきいたから。私が口挟める問題じゃ無いと思うし…」シクシクモグモグ 淡「…良かったら元いじめられっ子同士仲良くしましょうか。私が元いじめられっ子っていうの は、トップシークレットだけど」 咲「うん…うん…」シクシク 菫「お、もう全部食ったのか」 咲「…うええええ…もっとありません?」チラッ 菫「中々したたかな…照よりしっかりものじゃないか?この子。だがすまん。もう無い」 咲「うえええええええええ…!!」 菫「…はぁ」 淡「…今度、長野代表で東京来るんだっけ?日持ちしないけどマジキチレベルの美味しさって噂 の東京ばな奈バウムブリュレ奢ってあげる」 咲「ううううう…ありがとうございますぅ…」シクシク 菫「…やれやれ」ナデナデ 淡「…あ」 菫「…む?」 咲「…ああぁ~!」 照「…ねえ、京ちゃん」 京太郎「…ん?何だ?照ちゃん」 照「…キス…しよ」 京太郎「…え」 照「…いや?」 京太郎「い、いやじゃない…ってか、その…むしろ嬉しいくらいだけど…その…」 照「?」 京太郎「は、恥ずかし…」 照「ふふ…」 京太郎「わ、笑うなよ!」 照「可愛い」 京太郎「うう…なんだこれ。いきなり照ちゃんが大人になったみたいだ」 照「何言ってるんだ。私は京ちゃんより、2つもお姉さんなんだぞ?ちゃん付けじゃなくて、照 さんって呼ぶべきだ」 京太郎「…照」 照「な!?」 照「なわわわわわ!?きょ、京ちゃん!?今、な、なんて…」 京太郎「付き合ってるんだし、呼び捨てでも良くねぇ?」 照「こ、この!馬鹿!」 京太郎「あははは!ごめんごめん。でもこんなんで動揺するようじゃまだまだだーね」 照「もうっ!もうっ!もうっ!」ポカポカ 京太郎「いって!あは!ごめんって!」 照「~~~~~っ!」 京太郎「で、えっと、なんだっけ。えーっと…」 照「…」 照「…キス…だよ」スッ 京太郎「…へ?」 照「キス」 チュッ 照「…」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…」 照「…ぷは」 京太郎「…」カチコチ 照「…ふふふ。びっくりした?」 京太郎「…」 照「あー。これは完全に固まってるな。ふふふふふ」 京太郎「…」 照「どうだ。見たか。これが年上のお姉さんの実力だ。まいったか」 京太郎「…ハッ」 照「…ふふ。気付いた?京ちゃん」 京太郎「あ、あわわわわ」オロオロ 照「ふふふ。可愛いなぁ」 京太郎「て、照ちゃ…照ちゃん!」 京太郎「うわ…うわ…やっべえ…俺、今照ちゃんとキス…うわ…うっわ…やべ…うわ…顔あっつ …」 照「あはは。その反応、初キスだったかな?」 京太郎「な、なんだよ、その余裕っぽい反応!まさか照ちゃんコレが初じゃない!?」 照「いや、コレが初だよ」 京太郎「へ?」 照「…ふふふふ。顔アッツイ…駄目だ。もう立ってられない」チジコマリ 京太郎「…」 照「あうううう…恥ずかしい…」 京太郎「…えっと…」 照「マズイ。死ぬ。恥ずかしくて死ぬ。あう。あうううう…」キュー 京太郎(この生き物かわええ…) 照「と、ところで、京ちゃん?」クルッ 京太郎「あ、は、はい」 照「…は、初キス…どうだった?」 京太郎「どうって…」 照「その…き、気持ち良かったとか。男の子の唇って思ったより弾力有ってびっくりしたとか。 そういうの」 京太郎(そういう感想だったのか照ちゃんは) 京太郎「…あー。そうだなぁ」 照「うん。正直に言って」 京太郎「…まず、照ちゃんが近づいて来る度にどんどんいい匂いがして」 照「うん」 京太郎「すっげー胸がどきどきして」 照「うん」 京太郎「唇が触れた瞬間に、ものすごい柔らかい感触が唇を擽って」 照「うん」 京太郎「照ちゃんの体温を、今まで感じた事が無いくらい身近に感じられて、嬉しくなって」 照「…うんっ!」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…」 照「…京ちゃん?」 京太郎「…ほんのり、ゲロ臭かった」 照「…」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…ごめん」 終わりっ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3391.html
京太郎「こんなにたくさん女の子がいるんだ、俺にも彼女くらい出来るはず…」 京太郎「よし!じゃあハギヨシさんに告白しよう!」 京太郎「って男じゃねえか!ダメだろ!」 京太郎「まあ安価は絶対だしな…どうせ告白しても成功しないだろ…」 京太郎「それじゃあ行ってくるか…」 ハギヨシ「それで話というのは?」 京太郎「いや実はですね…」 京太郎「前からあなたの事が好きでした。付き合ってください。」 ハギヨシ「!?」 京太郎(やべー…言っちまったよ…) ハギヨシ「それは…本気で言ってるのですか…?」 京太郎「はい?」 ハギヨシ「本気で言っているのかと聞いているんです。」 京太郎「え、ええ…もちろんです。」 ハギヨシ「そうですか…分かりました…」 京太郎(怒らせちゃったかな…) ハギヨシ「実は私も貴方の事が好きでした。喜んでお付き合いさせて頂きます。」 京太郎「えっ」 ハギヨシ「それでは服をお脱ぎ下さいませ…」 京太郎「えっ?いやっ、ちょっ…やめ…」 大沼「何をしとるんじゃ!お前ら!」 京太郎「あなたは確か…大沼プロ!」 ハギヨシ「ちっ…邪魔が入ったか…」 大沼「まったく…近頃の若い奴は…ワシも一緒にやらせんか!」ポロンッ 京太郎「」 大沼「ほれ、さっさと尻を出さんか。」 京太郎「ちょっ…やめっ…」 ハギヨシ「お待ち下さい。私の方が先です。」 大沼「なんじゃと!老人に先に譲らんか!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは譲る訳にはいきません。」 京太郎(何なんだこいつら…) 大沼「さっさと譲らんか!この若造が!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは絶対に譲れません。」 京太郎「二人とも落ち着いて…」 大沼 ハギヨシ「うるせえ!黙ってろ!」 京太郎「(´・ω・ `) 」 ハギヨシ「分かりました。ならばどちらが京太郎様を満足させられるか勝負しましょう。」 大沼「ふん…小癪な…まあ良いだろう…」 大沼「それでルールは?」 ハギヨシ「お互いに挿れ合って先にイった方が負けという事でどうでしょうか。」 大沼「良いだろう…ワシに勝負を挑んだ事を後悔させてくれるわ!」 京太郎(今のうちに逃げよう…) 京太郎「やっと逃げてきた…まさか裸のまま追ってくるとは…」 京太郎「偶然警察の人にすれ違わなかったらヤバかったな…」 照「君は確か咲の高校の…」 京太郎「そういうあなたはチャンピオンの宮永照じゃないですか。こんなところで何を?」 照「それはこちらのセリフ。きみこそ何をしているの。」 京太郎「えーとですね…ちょっと危ない奴らから逃げて来たというか…そういうあなたは何を?」 照「「すがきょうたろう」とかいう咲にくっつく虫がいるそうなので始末しにきた。」 京太郎「えっ」 照「ところでまだ君の名前を聞いていなかったけど…」 照「君…名前は?」 京太郎「え…えーと赤木しげるです!」 照「アカギ…?どこかで聞いた事がある名前…」 京太郎「いやちょっと色々とやってるんですよ…はは…」 照「まあすがきょうたろうじゃないならいいよ。」 ハギヨシ「京太郎様…私達から逃げてこんなところで何を…?」 京太郎「お前…どうしてここに…」 照「おい…京太郎とはどういう事…?」 ハギヨシ「フフフ…今度は逃がしませんよ…」 京太郎(色々やべえ!こうなったら狂言を吐いて場を混乱させるしかない!) 京太郎「こいつが須賀京太郎です!錯乱して俺と中身が入れ替わったと思い込んでいるんです!」 ハギヨシ「なっ…」 照「そうなの?」 ハギヨシ「いやそんな訳無いでしょ!」 京太郎「やっぱコイツ錯乱してますよ!咲さんに手を出す前にやっちゃって下さい!」 照「よし…君たちホモセックスしよう…」 京太郎「うんうん!…って何だってええええええ!?」 京太郎「何でそんな事しなきゃいけないんですか!普通に始末すれば良いでしょ!」 照「いやだってコイツをホモにすれば咲に手を出さなくなるし….それに咲も京太郎にホモになって欲しいって言ってたからな。」 京太郎(咲…お前…) 照「さあ始めよう…逃げようとしたら…わかるよね…?」ギュルルルルル 京太郎「うう…」 ハギヨシ「( ´ ▽ ` )」 照「さあ早く」 ハギヨシ「wktk」 京太郎(もう終わりか…さようなら俺の童貞と処女…) 大沼「やめんかお前ら!」 京ハギ照「!?」. 京太郎(げええええ!よりによって今一番来て欲しくない奴が!) 京太郎(ん?待てよ…これを利用して…!) 京太郎「あのチャンピオン…ちょっといいですか?」 照「何…?」 京太郎「実は大沼プロはホモなんです。なので大沼プロとヤらせた方が色々と良いかと。」 照「そうなの…?ならそうしようかな…」 京太郎(よっしゃああああああ!) 照「さあ…早く始めて…」 ハギ 大沼「いやいやいや!」 照「…」ギュルルルルルル ハギ 大沼「はいいいい!」 京太郎(今のうちに逃げる!) 京太郎「やっと家に着いた…もう疲れた…」 京太郎(よく考えたら彼女を作ろうとしたらこうなったんだよな…もう彼女なんかこりごりだ…) 咲「あ!京ちゃんどこいってたの!」 京太郎「おう咲…ちょっと色々とな…」 咲「もう!心配させないでよ!すごく心配してたんだからね!」 京太郎「ごめん…」 咲「本当に悪いと思ってる…?」 京太郎「ああ…当然だろ。」 咲「ならキスして。」 京太郎「えええ?ドユコト?」 咲「本気で悪いと思ってるんでしょ?なら謝るかわりにキスして。ね…?」 京太郎(えーとつまりこれは告白ですか!?咲が!?俺に!?) 咲「早くしてよ…誰か来ちゃう…」 京太郎(こいつこんなに可愛かったっけ…?くそっ咲の癖に!もうやっちまえ!) チュッ 咲「んっ……はあっ」 京太郎(やっちまった…) 京太郎「…咲…何でこんな事を…」 咲「何でって?決まってるでしょ…京ちゃんが好きだからだよ。」 京太郎「そうか…………咲」 咲「何?京ちゃん?」 京太郎「好きだ。付き合ってくれ。」 カン